新しく買った本
①『ちび竜』 工藤直子/あべ弘士 童心社 2019.12
宇宙の神秘を思わせるようなまっ黒な表紙が印象的です。無数の小さな粒々がちりばめられ、美しいです。小さな水たまりで生まれたちび竜も描かれています。
自分は誰で、これからどうなっていくのか、ちび竜は出会うものに問いかけます。ボーフラは「よい雨ふらせる竜になる」と言ってくれます。たんぽぽは「風と仲良しになれる竜になる」と言います。とんぼもフナももぐらも、みんなやさしく「ちび竜」を応援し、励まします。
みんなの想いを背に、ちび竜はどんどん、どんどん大きくなり、「でか竜」になります。どれだけ大きくなったか、観音開きのページを開くと、4ページ分の画面に、勇ましい立派な「でか竜」が青い地球を抱いて、ダイナミックに描かれています。無数の小さな粒々がちりばめられたまっ黒な神秘的な世界をバックに描かれた「でか竜」は感動的です。
軽快なリズム感あふれる工藤直子さんの詩のような言葉と、あべ弘士さんのダイナミックな黒を基調とした絵が、見事に融合したすてきな絵本です。
②『「走る図書館」が生まれた日 ―ミス・ティットコムとアメリカで最初の移動図書館車―』
シャーリー・グレン 渋谷弘子訳 評論社 2019.12
アメリカで移動図書館車を初めて思いついた女性、ミス・ティットコムの生涯を丹念に調べ、紹介した本です。
ミス・ティットコムは、1852年5月16日、ニューハンプシャー州のファーミントで生まれました。女性の職業としては教師か看護婦しか考えられなかった時代に、図書館の司書になろうと考えます。まず公共図書館で見習い司書として働きながら図書館の業務について学び、バーモント州の公共図書館では主任司書をつとめ、新しく出来たワシントン郡公共図書館で、すべての人に本を届けるためにどうすればいいか、考えついたのが移動図書館車でした。初めは馬に引かせる「本の荷車(ブックワゴン)」でした。1905年のことです。
ミス・ティットコムが生きた時代や、彼女の思いついた移動図書館車について、たくさんの写真を通して、興味深く知ることができます。ミス・ティットコムの写真を見ると思ったことはきっと成し遂げようとする意志の強さと聡明さを感じます。
ミス・ティットコムは1932年6月5日、80歳で亡くなっています。『若草物語』の作者オルコットの眠る墓地と同じ墓地にミス・ティットコムも眠っていますが、墓石はなくそれを知った作者は資金集めをして、2015年5月16日に墓石ができあがります。そのいきさつは、最後の作者のあとがきに詳しいです。
①『ちび竜』 工藤直子/あべ弘士 童心社 2019.12
宇宙の神秘を思わせるようなまっ黒な表紙が印象的です。無数の小さな粒々がちりばめられ、美しいです。小さな水たまりで生まれたちび竜も描かれています。
自分は誰で、これからどうなっていくのか、ちび竜は出会うものに問いかけます。ボーフラは「よい雨ふらせる竜になる」と言ってくれます。たんぽぽは「風と仲良しになれる竜になる」と言います。とんぼもフナももぐらも、みんなやさしく「ちび竜」を応援し、励まします。
みんなの想いを背に、ちび竜はどんどん、どんどん大きくなり、「でか竜」になります。どれだけ大きくなったか、観音開きのページを開くと、4ページ分の画面に、勇ましい立派な「でか竜」が青い地球を抱いて、ダイナミックに描かれています。無数の小さな粒々がちりばめられたまっ黒な神秘的な世界をバックに描かれた「でか竜」は感動的です。
軽快なリズム感あふれる工藤直子さんの詩のような言葉と、あべ弘士さんのダイナミックな黒を基調とした絵が、見事に融合したすてきな絵本です。
②『「走る図書館」が生まれた日 ―ミス・ティットコムとアメリカで最初の移動図書館車―』
シャーリー・グレン 渋谷弘子訳 評論社 2019.12
アメリカで移動図書館車を初めて思いついた女性、ミス・ティットコムの生涯を丹念に調べ、紹介した本です。
ミス・ティットコムは、1852年5月16日、ニューハンプシャー州のファーミントで生まれました。女性の職業としては教師か看護婦しか考えられなかった時代に、図書館の司書になろうと考えます。まず公共図書館で見習い司書として働きながら図書館の業務について学び、バーモント州の公共図書館では主任司書をつとめ、新しく出来たワシントン郡公共図書館で、すべての人に本を届けるためにどうすればいいか、考えついたのが移動図書館車でした。初めは馬に引かせる「本の荷車(ブックワゴン)」でした。1905年のことです。
ミス・ティットコムが生きた時代や、彼女の思いついた移動図書館車について、たくさんの写真を通して、興味深く知ることができます。ミス・ティットコムの写真を見ると思ったことはきっと成し遂げようとする意志の強さと聡明さを感じます。
ミス・ティットコムは1932年6月5日、80歳で亡くなっています。『若草物語』の作者オルコットの眠る墓地と同じ墓地にミス・ティットコムも眠っていますが、墓石はなくそれを知った作者は資金集めをして、2015年5月16日に墓石ができあがります。そのいきさつは、最後の作者のあとがきに詳しいです。