まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

寄贈本と新しく買った本 3月

2018-04-20 17:15:15 | 文庫のページ
寄贈本  ありがとうございます。
■内田麟太郎さんからいただきました。
『はるのごほうび』 内田麟太郎/村上康成 すずき出版 2018.3
 こいのぼりが空を泳いでいます。ブタもネコもクマも空に浮かんでいます。ウシは聞きます。どうしたら空に浮かべるか。こいのぼりがすてきなことを教えてくれます。もちろんウシも空に浮かびました。まさに春のご褒美のようなナンセンスなお話です。
『さよならともだち』 内田麟太郎/降矢なな 偕成社 2018.3
 「ともだちや」のシリーズ13作目です。オオカミとキツネが出会う前、ふたりがどこでどんなふうに暮らしていたのか、キツネはなぜともだちやを始めたのか、あの時、オオカミはなぜ「おい、キツネ」と呼びかけたのか、気になることがいろいろあります。今回はその謎が解き明かされます。ふたりは歌います。「さよならは であいのはじまり さびしさは であいの はじまり...」。3月は別れの季節。でもそれは出会いの始まりかもしれません。そんなメッセージも込められています。

新しく買った本
『みち』 堀文子 至光社 1972
 現在99歳の日本画家、堀文子さんが54歳の時に出版した絵本です。ページをめくるたびにパステル、水彩、顔彩など、画材・技法もさまざまの季節感あふれる美しい道が登場します。どこへ続くかわからない山道、あんずの花咲く村の道、雪に埋もれて見えなくなった道、私のいつも通う道など、道を描いた印象深い絵本です。最初と最後のページが同じ言葉と絵で語られているのも印象的です。
 3月25日まで神奈川県立美術館葉山で「白寿記念 堀文子展」が開催されていました。そこで購入してきた絵本です。
 堀さんは福音館書店の月刊誌「こどものとも」の創刊号『ビップとちょうちょう』(1956)の絵を描いている方です。堀さんが37歳の時です。今年100歳を迎えられる堀さんは現役で絵を描き続けていらっしゃいます。「群れない、慣れない、頼らない」をモットーに生きる堀さんの生き方にも大きな感銘を受けます。
 大人の方には、堀文子著の『ホルトの木の下で』『99歳、ひとりを生きる。けた外れの好奇心で』、村松友視著の『極上の流転 堀文子への旅』もおすすめです。
『青い月の石』 2005 トンケ・ドラフト 西村由美訳 岩波少年文庫 2018
 『王への手紙』のトンケさんの作品です。10才のヨーストとヤンとフリーチェの冒険の物語。ヨーストは青い月の石を手に入れるため、隣国のイアン王子は我が身の自由を取り戻すため、地下の世界の王マホッヘルチェと闘う物語です。
 地下の国へ向かい、マホッヘルチェの末娘ヒヤシンタ姫の力を借りて3つの任務を見事果たし、ふたりはそれぞれ青い月の石と自由を手に入れるが、ヒヤシンタ姫とイアン王子の結婚を許さないマホッヘルチェは地上まで追ってくる。ヤンや魔法使いも加わって、地上での冒険がさらに続く。やっとマホッヘルチェは地下の国へ戻るが、マホッヘルチェのおそろしい魔法のため、ヨーストとイアン王子は記憶を失ってしまう。ふたりの記憶を取り戻すため、ヤンとフリーチェの冒険が新たに始まる。
 最後までわくわくさせられる不思議に満ちた物語です。4年生以上におすすめです。
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お願いとお知らせ

2018-04-20 16:57:43 | 文庫のページ
文集「なかま」40号の編集をしています。原稿をお寄せください。
 今回の文集は40号の記念号になりますので、たくさんの声を載せたいと思っています。どうぞご協力ください。昨年の40周年の講演記録も掲載しますので、どうぞお楽しみに!
 できれば子どもたちは4月中に、大人の方は5月半ばぐらいまでにお願いします。
あやとり検定! 挑戦した人全員に賞状が出ます!
 今年も2ヶ月、たくさんの人(子どもが16人、大人が4人)があやとり検定に取り組みました。
 ほとんどの人が5級まで合格し、9つの技をクリアしました。1級まで合格した人は大人2人を加えて6人でした。3年生のこたろう君は去年も1級に合格しました。5年生のまおりちゃん、りこちゃんは5年連続で1級です。北海道に行っていて3月しか文庫に来れない5年生のえなちゃんは、幼稚園の時から1級に合格しているので、6年連続になります。
 みんなとてもよく頑張っていました。全員に賞状が出ますので、まだもらっていない人はどうぞもらってください。

【お知らせ】 絵本のひきだし 林明子原画展 2018.4.7~5.27 宮城県美術館
 ―――本展では林さんの代表作『はじめてのおつかい』や『こんとあき』はもちろん、イラストレーター時代の作品から『ひよこさん』まで、約200点の原画や資料で制作の歩みをたどります。—―― (チラシより)
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2018年度のレンゲの会

2018-04-20 16:09:57 | 文庫のページ
 ロングセラーの本から新刊本まで、今年度も興味深い本が決まりました。
 外国の子どもの本では、ドイツの「ホッツェンプロッツ」のシリーズ、イギリスの「グリーン・ノウ」のシリーズ、ニュージーランドのヤングアダルト向けの作品を取りあげます。
 日本の子どもの本では、斎藤惇夫さんの新刊の長編、出版されて19年になる上橋さんの「守り人」シリーズ1巻目、日本児童文学者協会創立70周年記念出版「文学のピースウォーク」全6巻のうち中村さんと今関さんの本を取りあげます。
 恒例の大人向けおはなし会(2回)に加え、絵本の読み聞かせ会も企画します。
 今年も新しいお仲間が増えるとうれしいです。どなたでも参加できます。どうぞ一緒に子どもの本についておしゃべりしませんか。お待ちしています。
<レンゲの会の開催予定日時>
5月28日(月)10:00~13:00
 「大どろぼうホッツェンプロッツ」シリーズ(1962~1973)
      プロイスラ― 中村浩三訳 偕成社
6月25日(月)10:00~13:00
 絵本の読み聞かせ
 子どもに読んであげたい絵本、あるいは好きな絵本を1冊お持ちください。
 参加者全員に読んでいただきます。
8月27日(月)10:00~13:00
 『河童のユウタの冒険』上下
      斎藤惇夫 金井田英津子画 福音館書店 2017
10月1日(月)10:00~13:00
 大人向けおはなし会
10月29日(日)10:00~13:00
 『金色の流れの中で』   中村真里子
 『大久野島からのバトン』 今関信子
      新日本出版社 2016
11月26日(月)10:00~13:00
 『精霊の守り人』
      上橋菜穂子 偕成社 1999 シリーズは10冊
1月28日(月)10:00~13:00
 『足音がやってくる』(1982) 青木由紀子訳 1989
 『めざめれば魔女』(1984)  清水真砂子訳 1989
      マーガレット・マーヒー 岩波書店
2月25日(月)10:00~13:00
 大人向けおはなし会
3月18日(月)10:00~13:00
 『グリーン・ノウのおきゃくさま』 (1961)
      L・M・ボストン 亀井俊介訳 評論社 1968
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4月・5月の文庫の日 ’18年

2018-04-19 18:47:42 | 文庫のページ
4月18日(水)
 3:30 おはなし「三びきのくま」 松尾
 4:00 おりがみ(三段組みの花ごま)
4月21日(土)
 3:30 おはなし「おいしいおかゆ」 松尾
 4:00 新聞紙のヨーヨー
4月25日(水)
 3:30 おはなし「こすずめのぼうけん」 武田
 4:00 紙テープのしおり
4月28日(土)
 3:30 おはなし「おんちょろちょろ」 松尾
 4:00 おりがみ(赤べこ)
5月2日(水)
 3:30 おはなし「ちいちゃいちいちゃい」 松尾
 4:00 クリスタルドロップ
5月5日(土)
 こどもの日で文庫はお休みです
5月9日(水)
 3:30 おはなし「へっぴり嫁ご」 笹森
 4:00 くいつきへび
5月12日(土)
 第2土曜日は文庫お休みです

   ◆新しく文庫を利用するお友だちへ◆
①毎週水・土曜日の午後2時から5時まで開いています。(ただし、第2土曜日はお休み)
②赤ちゃんから大人まで、だれでも利用できます。
③無料です。
④本は10冊まで、2週間借りられます。
⑤毎回、おはなし会(30分)と工作があります。
⑥あやとり、お手玉、こまなど、昔のあそびを楽しんでいます。
⑦月1回、文庫だよりを発行しています。文庫の行事やお知らせ、本の紹介を載せています。
⑧文庫に来る時には、本を入れるバッグを持ってきてください。
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今月の詩 ’18年4月

2018-04-19 18:10:41 | 文庫のページ
  エフェメラル
             工藤直子

 冬が ゆっくり去っていく
 その足どりを追うように
 林に春が やってくると
 早春の雑木林は まるで 光の遊園地だ

 その光 待ってました! と
 地上にあらわれるものたち
 エフェメラル――春の妖精――と呼ばれる花々がいる

 光が林に射しこむあいだに
 芽を出し 葉をひろげなくちゃ
 新緑が光をさえぎるまでのあいだに
 花を咲かせ 実をむすばなくちゃ と
 エフェメラルの仲間カタクリ
 ただいま いっしょうけんめい 光をあびている

 蜜をもらいにいかなくちゃ と
 蝶や蜂 ひらひら踊り
 タネを運びにいかなくちゃ と
 アリンコも ヒゲをぷるぷる
 林のなかに あらわれる
 一瞬の春の にぎやかにも美しい風景
   (『クヌギおやじの百万年』朝日出版社
         文・工藤直子  写真・今森光彦)

   入園・入学・進級 おめでとう!
 四月はたくさんのおめでとうが交わされる月です。おめでとうをいった人も、言われた人も、思わず笑顔になります。新学期が始まって、新しいクラスで、新しい先生や友だちに囲まれて、新しい1年がスタートして、ちょっぴり不安があるかもしれませんね。でも期待は大きいはず。元気に一歩を踏み出してください。そして文庫にもお友だちを誘って遊びに来てください。高学年の人たちは下校時間が遅くなり、文庫に来るのが難しくなりますが、時間を見つけて遊びに来てください。待っています。昨年の40周年記念講演会で岡田淳さんが言っていた言葉を思い出します。「好きな本はきっとあなたの味方になってくれる」と。あなたの味方になってくれる本をどうぞ見つけてください。
 今月は工藤直子さんの「エフェメラル」という詩を選びました。声に出してみてください。エフェメラル――、響きがいいですね。
 早春から数カ月地上に姿を見せるだけで、あとは次の年の春まで地中で過ごす植物のことを、スプリング・エフェメラル、春の妖精といいます。カタクリやイチゲやニリンソウなど、スプリングエフェメラルといわれる花たちがあっちにもこっちにも姿をあらわし、小さな生き物たちも活動を開始する、そんな早春の雑木林の命の輝きをすてきにうたっています。
 写真もどうぞ楽しんでください。『クヌギおやじの百万年』から選びました。今森光彦さんの美しい四季折々の雑木林の写真に、工藤直子さんが文章を添えて出来上がった、写真と詩を楽しめるすてきな本です。これまでもいくつか「今月の詩」に取りあげてきましたが、今回、また新しい詩を紹介できてうれしいです。
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