新しく買った本
①『はっぱのほん』 いさわゆうこ 文一総合出版2023.8
草花や野菜の葉っぱにたくさん出会える絵本です。130種類の葉っぱがどれも存在感をもって細部まで丁寧にしっかり描かれ、感動的です。
さまざまな葉っぱがあることに驚きます。ゆずの葉は縦に大きい葉と小さい葉がふたつつながっていたり、アケビの葉は五つで一枚の葉っぱだったり、また毒のある葉っぱやくさいにおいの葉っぱ、とげのある葉っぱなど、形も大きさもさまざまな葉っぱの特色を知ることができます。取り上げた130種類の草花や野菜についての詳しい解説もついています。葉っぱについての情報がいっぱいのうれしい絵本です。
②『しあわせなモミの木』 シャーロック・ゾロトウ/ルース・ロビンス みらいなな訳 童話屋1991.11
長いこと空き家になっている家に越してきた、ちょっと変わったクロケットさんと小さなモミの木のすてきなお話です。
ある年のクリスマス・イブに、クロケットさんは花屋さんで一本の木と運命的な出会いをします。
それは枯れかけた小さなモミの木です。土と水と太陽とクロケットさんの愛情によって枯れかけた小さなモミの木は命をもらい、長い時間をかけて大きなモミの木に成長していきます。スズメや色さまざまな小鳥たちがやってくるようになり、子ども達も集まってくるようになります。通りの街路樹がみんな葉を落とす冬、雪降る中でも緑の葉を茂らせるモミの木は美しいです。クロケットさんのモミの木への深い愛情が自然の豊かさと人々の触れ合いを生み出します。
季節の移り変わりを物語るようにページによって色の違う紙が使われ、静かなたたずまいの絵も美しく、心に残ります。絵もお話も最高に素敵なクリスマスの物語です。
③『土曜日はお楽しみ』 エリザベス・エンライト 谷口由美子訳 岩波少年文庫2010.12
メレンディ家の4人きょうだいの物語です。モナは13才、ラッシュは12才、ランディは10才半、末っ子のオリバーは6才です。
退屈な土曜日がランディのすてきな提案によって、最高に楽しい土曜日になります。土曜日にそれぞれがもらうおこずかいを合わせて、それを一人で使って好きなことをしようというのです。4週間に一度ですが、50セントではできないことも1ドル60セントもあれば、美術館に行くこともバレエを見に行くこともできます。
4人にとって初めての一人だけのお出かけが実現します。母親は亡くなりましたが、すてきなお父さんと家政婦のカフィとボイラーの火炉の番をするウィリーに囲まれて、4人の子ども達が失敗を重ねながらも伸び伸びと明るくたくましく生きる姿が心に残ります。
アメリカの児童文学です。
④『伝言』 中脇初枝 講談社2023.8
満州事変の前の年(1930年)に満州で生まれた実在の﨑山ひろみさんをモデルに描いた物語です。
新京の敷島高等女学校3年の時、15歳のひろみさんたちが学徒動員で関わった作業は家族にも誰にも口外してはいけない軍事秘密でした。軍国少女として懸命に作業を続ける少女たち。何を作っていたか知るのは戦後になってです。
満州でもソ連を標的に風船爆弾を作っていたのです。章によって語り手が変わり、視点を変えて語られることで、終戦間際の満州で何が起きていたか、ひろみさんには見えなかったこと、知らなかったことが明らかにされます。「自分たちがいた場所が自分たちのいるべき場所じゃなかった」と戦後、16才のひろみさんは気づきます。
90歳になった今もひろみさんが満州についての資料を集め、調べ、満州であったことを語り続けるのは、その頃、気づけなかった多くのことがあったからです。
中脇さんの『世界の果てのこどもたち』に連なる戦争中の中国大陸の物語です。
①『はっぱのほん』 いさわゆうこ 文一総合出版2023.8
草花や野菜の葉っぱにたくさん出会える絵本です。130種類の葉っぱがどれも存在感をもって細部まで丁寧にしっかり描かれ、感動的です。
さまざまな葉っぱがあることに驚きます。ゆずの葉は縦に大きい葉と小さい葉がふたつつながっていたり、アケビの葉は五つで一枚の葉っぱだったり、また毒のある葉っぱやくさいにおいの葉っぱ、とげのある葉っぱなど、形も大きさもさまざまな葉っぱの特色を知ることができます。取り上げた130種類の草花や野菜についての詳しい解説もついています。葉っぱについての情報がいっぱいのうれしい絵本です。
②『しあわせなモミの木』 シャーロック・ゾロトウ/ルース・ロビンス みらいなな訳 童話屋1991.11
長いこと空き家になっている家に越してきた、ちょっと変わったクロケットさんと小さなモミの木のすてきなお話です。
ある年のクリスマス・イブに、クロケットさんは花屋さんで一本の木と運命的な出会いをします。
それは枯れかけた小さなモミの木です。土と水と太陽とクロケットさんの愛情によって枯れかけた小さなモミの木は命をもらい、長い時間をかけて大きなモミの木に成長していきます。スズメや色さまざまな小鳥たちがやってくるようになり、子ども達も集まってくるようになります。通りの街路樹がみんな葉を落とす冬、雪降る中でも緑の葉を茂らせるモミの木は美しいです。クロケットさんのモミの木への深い愛情が自然の豊かさと人々の触れ合いを生み出します。
季節の移り変わりを物語るようにページによって色の違う紙が使われ、静かなたたずまいの絵も美しく、心に残ります。絵もお話も最高に素敵なクリスマスの物語です。
③『土曜日はお楽しみ』 エリザベス・エンライト 谷口由美子訳 岩波少年文庫2010.12
メレンディ家の4人きょうだいの物語です。モナは13才、ラッシュは12才、ランディは10才半、末っ子のオリバーは6才です。
退屈な土曜日がランディのすてきな提案によって、最高に楽しい土曜日になります。土曜日にそれぞれがもらうおこずかいを合わせて、それを一人で使って好きなことをしようというのです。4週間に一度ですが、50セントではできないことも1ドル60セントもあれば、美術館に行くこともバレエを見に行くこともできます。
4人にとって初めての一人だけのお出かけが実現します。母親は亡くなりましたが、すてきなお父さんと家政婦のカフィとボイラーの火炉の番をするウィリーに囲まれて、4人の子ども達が失敗を重ねながらも伸び伸びと明るくたくましく生きる姿が心に残ります。
アメリカの児童文学です。
④『伝言』 中脇初枝 講談社2023.8
満州事変の前の年(1930年)に満州で生まれた実在の﨑山ひろみさんをモデルに描いた物語です。
新京の敷島高等女学校3年の時、15歳のひろみさんたちが学徒動員で関わった作業は家族にも誰にも口外してはいけない軍事秘密でした。軍国少女として懸命に作業を続ける少女たち。何を作っていたか知るのは戦後になってです。
満州でもソ連を標的に風船爆弾を作っていたのです。章によって語り手が変わり、視点を変えて語られることで、終戦間際の満州で何が起きていたか、ひろみさんには見えなかったこと、知らなかったことが明らかにされます。「自分たちがいた場所が自分たちのいるべき場所じゃなかった」と戦後、16才のひろみさんは気づきます。
90歳になった今もひろみさんが満州についての資料を集め、調べ、満州であったことを語り続けるのは、その頃、気づけなかった多くのことがあったからです。
中脇さんの『世界の果てのこどもたち』に連なる戦争中の中国大陸の物語です。