まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

新しく買った本 1月

2025-01-11 17:25:01 | 文庫のページ
①『雨ニモマケズ』 宮沢賢治/柚木沙弥郎 ミキハウス 2016.10
 昨年101才で亡くなられた染色家の柚木沙弥郎さんが90代に描いた絵本です。色と形の織り成す絶妙なハーモニーで賢治の詩の世界をすてきに描いています。
 昨年12月、岩手県立美術館で開催された「柚木沙弥郎 永遠のいま」を見てきました。染色家としての75年にわたるお仕事の全貌を知ることができるすばらしい展示でした。
 柚木さんの絵本は福音館書店の月刊誌「0.1.2.」でしか知らなかったのですが、岸田衿子さんや村山亜土さん、谷川俊太郎さん、まど・みちおさんとご一緒の絵本もありました。
②『こそあどの森のないしょの時間』 岡田 淳 理論社 2024.5
 シリーズ1作目『ふしぎな木の実の料理法』が出版されたのは1994年のことです。こそあどの森に住む個性豊かな人々の物語に子どもだけでなく大人も夢中になりました。1997年、文庫の20周年記念講演会に岡田淳さんをお招きできたのはうれしいことでした。そのご縁で、文庫の30周年にも40周年にも講演していただきました。
 昨年はシリーズが始まってちょうど30年。それを記念して、5月にこの作品が出版され、10月に『こそあどの森のひみつの場所』が出版になりました。2021年に番外編『こそあどの森のおとなたちが子どもだったころ』が出版されましたが、また、スキッパーたちに出会え るのはうれしいことです。
 今回は「ないしょの話」ですので、スキッパーたちのとっておきの不思議な体験を知ることができます。どうぞ楽しんでください。
③『パフィン島の灯台守』 マイケル・モーパーゴ/ベンジ―・デイヴィス
             佐藤見果夢訳 評論社 2023.12
 1926年、ニューヨークからリパプールに向かう船がある大嵐の夜、イギリス南西部の沖合で座礁しますが、乗っていた30人全員が救出されます。パフィン島の灯台守のベンが嵐の中、ボートで救出したのです。その時、母親と一緒に助かった5才の男の子、アランが主人公の物語です。
 アランは大きくなってもあの夜のこと、助けてくれたベンのことをずっと忘れずにいました。学校を卒業し、やっとパフィン島に行くことができ、ベンと再会します。生まれてすぐ父を亡くしたアランと、人付き合いの悪いベンが、傷ついたパフィン(ニシツノメドリ)の世話をしながら、きずなを深めていきます。でも戦争が始まり、アランは戦場へ。戦後、アランはまた自然豊かなこの島に、ベンのもとに戻ってきます。アランとベンの不思議な出会いの物語です。
 カラーで描かれる見開きいっぱいの挿絵がどれも素晴らしいです。
④『吹雪の中の列車』(1933) マト・ロヴラック/ささめやゆき 
             山本郁子訳 岩波少年文庫 2022.11
 ヴェリコ・セロ村の学校に通う子どもたちの物語です。
 同じ集落から通うリューバン、ペーロ、ドラカの3人が4年生になった時、先生の提案で<同盟>を作ります。まずリーダーを選挙で選ぶのですが、ペーロは食べ物でみんなを買収しようとします。リーダーはリューバンに決定し、ベーロはリューバンにことごとく反発します。
 そんな中、町へ日帰り旅行することが決まり、2月8日の早朝に列車で出かけるのですが、町に着いていろいろ見学しているうちに、次々と災難が降りかかります。先生が急に倒れたり、帰りの列車が雪のため立ち往生したり…。リーダーのリューバンはどうやってこの窮地を脱するか、知恵を絞ります。ペーロとその仲間は同盟を抜けて別行動をとりますが、残った子どもたちがリューバンを中心に寒さの中、団結し行動する力はすばらしいです。列車が無事村に到着し、リューバンの努力は報われます。
 胸が熱くなる場面がいっぱいの感動の物語です。作者はクロアチア出身の児童文学者です。
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