①『小さなサンと天の竜』 チェン・ジャンホン 平岡敦訳 徳間書店 2016.6
三つの高い山に囲まれた谷に住む勇敢な男の子サンの物語。
山の向こうの畑に行くため、毎日山を上り下りする両親のために、サンは「ぼくが山を動かしてやる」と言って、たった一人で行動を起こします。サンはひたすら岩を砕き続けますが、山はいつも目の前に大きくそびえています。そんな時、偶然に山の洞穴で出会った不思議な老人が力を貸してくれます。
大判の絵本の見開きいっぱいに、稲妻とともに現れる三頭の白い竜は迫力があります。絵もお話もスケールの大きな中国の絵本です。
②『線とあそぼう』 たくさんのふしぎ 2017年1月号 杉田比呂美 福音館書店
一本の線に何かを足すだけでいろんなものに変身します。本当かな?と思う人は、まず手に取ってみてください。私たちの周りには何とたくさんの「線」があるのか、「線」の面白さに気づけます。
③『カルペパー一家のおはなし』
マリオン・アピントン/ルイス・スロボドキン 清水眞砂子訳 瑞雲社 2016.6
デビーのお父さんがデビーのために紙で作ってくれた人形たち。それがカルペパーさんとカルペパー夫人、男の子が4人と女の子が4人の10人家族です。それから家も作ってくれました。カルペパーさん一家がデビーの子ども部屋でどんな生活をしたか、楽しい物語です。
女の子の一人が本のしおりにされてしまったり、カルペパーさんがネズミ捕りに挟まってしまったり、困難にもたくさん出会うのですが、ネズミやスズメやクモとも知り合いになっていくカルペパーさん一家のたくましい生き方にも感動できます。
スロボドキンの絵も楽しく、物語の世界を一層豊かにしてくれます。
④『さよならのかわりにきみに書く物語 ―田中正造の谷中村と耕太の双葉町―』
一色悦子 随想舎 2013.10
2011年3月の東日本大震災の時まで福島県の双葉町に住んでいた、中学2年の耕太の物語。
両親は双葉町を出て福島県内で農業を続けているが、耕太は母の実家の茨城県の古河町に住む。野鳥に詳しい祖父に連れられてヨシ原の広がる渡良瀬遊水地に行き、昔、ここに村があったことを知る。どうして人が住まなくなったのか。足尾銅山の鉱毒事件、それと闘った田中正造と谷中村の人々について初めて知ることが多く、衝撃を受けるが、福島第1原発のため、故郷を追われ、逃げ出してきた双葉町の自分たちとどこか似ていることに気づく。故郷はどうなるのか、耕太は考える。
明治の鉱毒事件と福島の原発事故、重いテーマの作品だが、中高生・大人の方にも読んでほしい作品です。
三つの高い山に囲まれた谷に住む勇敢な男の子サンの物語。
山の向こうの畑に行くため、毎日山を上り下りする両親のために、サンは「ぼくが山を動かしてやる」と言って、たった一人で行動を起こします。サンはひたすら岩を砕き続けますが、山はいつも目の前に大きくそびえています。そんな時、偶然に山の洞穴で出会った不思議な老人が力を貸してくれます。
大判の絵本の見開きいっぱいに、稲妻とともに現れる三頭の白い竜は迫力があります。絵もお話もスケールの大きな中国の絵本です。
②『線とあそぼう』 たくさんのふしぎ 2017年1月号 杉田比呂美 福音館書店
一本の線に何かを足すだけでいろんなものに変身します。本当かな?と思う人は、まず手に取ってみてください。私たちの周りには何とたくさんの「線」があるのか、「線」の面白さに気づけます。
③『カルペパー一家のおはなし』
マリオン・アピントン/ルイス・スロボドキン 清水眞砂子訳 瑞雲社 2016.6
デビーのお父さんがデビーのために紙で作ってくれた人形たち。それがカルペパーさんとカルペパー夫人、男の子が4人と女の子が4人の10人家族です。それから家も作ってくれました。カルペパーさん一家がデビーの子ども部屋でどんな生活をしたか、楽しい物語です。
女の子の一人が本のしおりにされてしまったり、カルペパーさんがネズミ捕りに挟まってしまったり、困難にもたくさん出会うのですが、ネズミやスズメやクモとも知り合いになっていくカルペパーさん一家のたくましい生き方にも感動できます。
スロボドキンの絵も楽しく、物語の世界を一層豊かにしてくれます。
④『さよならのかわりにきみに書く物語 ―田中正造の谷中村と耕太の双葉町―』
一色悦子 随想舎 2013.10
2011年3月の東日本大震災の時まで福島県の双葉町に住んでいた、中学2年の耕太の物語。
両親は双葉町を出て福島県内で農業を続けているが、耕太は母の実家の茨城県の古河町に住む。野鳥に詳しい祖父に連れられてヨシ原の広がる渡良瀬遊水地に行き、昔、ここに村があったことを知る。どうして人が住まなくなったのか。足尾銅山の鉱毒事件、それと闘った田中正造と谷中村の人々について初めて知ることが多く、衝撃を受けるが、福島第1原発のため、故郷を追われ、逃げ出してきた双葉町の自分たちとどこか似ていることに気づく。故郷はどうなるのか、耕太は考える。
明治の鉱毒事件と福島の原発事故、重いテーマの作品だが、中高生・大人の方にも読んでほしい作品です。