子供の頃、我が家の台所を一手に引き受けていた祖母は鍋料理が得意でした。
なぜかと言うと、
我が家は昔朝市通りで馬蹄の修理などを商売にしていたらしく(聞いた話)
馬蹄職人であった祖父(戦死したので、私は会ったことがない)が仕事をしている間、
馬を連れてきた近隣の人達に、鍋料理を出して小遣いを稼いでいたからなんです。
一年中いろんな鍋を食べましたよ。
今の季節だったら鱈鍋だとか、夏だったらクジラかやきとか。
いつだったか珍しく朝市でアンコウが売られていて、
生まれて初めてアンコウ鍋を食べたのですが、
祖母の鮟鱇鍋、絶品でした。
大人になってからお料理屋さんで何度か食しましたが、
祖母の味を超えるものはなかったなあ。(身内びいきもあるかも?)
普段は豚・鶏・馬がローテーションで出てきていたのですが、
いつの間にか馬肉は食卓に並ばなくなりました。
安価で手に入っていた馬肉が、農耕馬がいなくなったことで、
手に入らなくなったんでしょうね。(普通のお肉屋さんには置いてなかったよね。)
阿仁合に行くようになり、
今でも「なんこ鍋(馬肉の煮込みだった)」が売られているのを見て、
すっかり忘れていたおばあちゃんの馬肉の鍋が食べたくなってきていました。
で、最後の一押しが(数日前に書いたように)大館のkeiさま(同郷の1年先輩なんです)の馬肉写真。
「馬肉食いてー」となって、菅生精肉店でゲット!したわけです。
今日、思い出しながら作りましたよ。
なかなか美味しかったけど、
祖母の味にはまだまだ…近づけません。
ちょっと馬肉特有の臭いが消せなかったなあ。
お酒をたっぷり入れたんだけど、何が悪かったのかなあ?
食べ終わってから、七味をふりかけたら良かったかもと思った次第。
(祖母の味からは離れちゃうけど)
最後に作っている途中の写真。
「さくら肉」の色合いをご覧あれ。(肉色のインパクト!)
死にかけていた鉱夫も元気になるはずだわ。