メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

レニングラード国立バレエ『くるみ割り人形』

2009年12月22日 | 国外・舶来エンタメ
12月22日 鎌倉芸術館にて

バレエ『くるみ割り人形』は年の暮れの代名詞みたいな存在。
だけどメガヒヨは生で観るのは今回が初めてだった。

前から観て見たいと思ってはいたものの、年末は何かと忙しいからね。
年が明けたらどこのバレエ団も『白鳥の湖』に演目が入れ替わっちゃうし。

そんな訳で今年こそは観るぞと気合をいれていた。チケットを購入したのはまだ暑いころ。
めでたくも1F席センターの前から2列目の席を手に入れた。

会場に入り、配役表を見てびっくり!
主役の女の子の名前がクララではない。

今回上演のレニングラード国立バレエは、当たり前だけどロシアのバレエ団。
ロシアのくるみ割り人形は、主役の女の子は子役ではなくプリマドンナが演じるのがスタンダード。
名前もマーシャとなっている。
2幕の女王もマーシャが変身した姿なので、そのままプリマの役だ。
主役のアナスタシア・ロマチェンコワさんの金平糖のシーンは見事だった。

くるみ割り人形と王子については、それぞれ別のダンサーが演じていた。
メガヒヨの目には、くるみ割り人形のアンドレイ・ラプシャーノフさんのバレエが魅力的にうつった。
小柄ながら、コアがしっかりしていてブレが無い。
王子への変身を少々残念に思った。

とはいえ王子役のニコライ・コリパエフさんはかなりの美形で目の保養となった。
ジャンプも軽やかで、滞空時間も長かった。

他には人形師ドロッセルマイヤーのマクシム・ポドショーノフさんの踊りもキレがあって大変好みだった。
あと機械人形のコロンビーナのユリア・チーカさんも、物体的な動きに徹していて目を奪われた。

衣装も色とりどりで華やか。全体的にピンクを基調としているので、観てみて明るい気分になった。

オーケストラも申し分なし。
ここのところミュージカルのオケの電子音ばかり聞いていたので、滑らかな管弦楽を聞いていると心も溶けるようだった。
演奏はレニングラード国立歌劇場管弦楽団によるもの。
でもオケピを拝見したら日本人の方ばかりだった。
これって「日本支部」なのかな?レニングラード関係ってよく日本公演があるし。

それにしても気になったのはお客さんの入り。
1F席で7割程度しか入っていなかったように見える。
平日とはいえやっぱり不景気なのかも…。

今年は色々な国のバレエとかミュージカルが日本へ公演に来てくれたけれど、
このまま不況が続くとみんな日本をパスして別の国に行ってしまうのでは…。
正直、そんな危機感を持ってしまった。

まだまだ来年も厳しそう。
でもこういう舞台を観に行く気持ちと、少々の懐の余裕を持ち続けたいなと思ったのであった。

映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』

2009年11月03日 | 国外・舶来エンタメ
本日メガヒヨはマイケル・ジャクソンの映画『THIS IS IT』を観てきた。

とはいえ、以前からのマイケルファンという訳では無かった。
お亡くなりになってから昔の映像をよくTVで観る機会が増え、
その才能のすごさにやっと気が付いたという次第。

それまではマイケル・ジャクソンといえば
「整形手術」、「ネバーランド」、
でもってディズニー・ランドで見られた
「キャプテン・イオ」位しか思いつかなかった。

とくにイオなんて、マイケル本人はとっくに色が白くなっているのに
いつまでも黒人の姿を流し続けているんだもの。
ディズニーに行った時の決まり文句は、
「日が暮れて寒くなってきたし、黒マイケルでも行く?」だった

さてこの『THIS IS IT』は、本人のご逝去により幻になってしまった
復帰コンサートのリハーサル光景をドキュメント映画にしたもの。

このコンサート。現実に開催がかなったら、どれだけのものになったかと思うほどスケールが大きい。
ダンサーも世界中からトップクラスが集められて、コーラスラインばりのオーディションで選りすぐっている。

衣装やセット、使用する映像も豪華で、ハンパなくお金が掛けられている。
女性ダンサーの衣装なんて、全身スワロフ・スキーのクリスタルで輝き放題
さらにスリラーの新作映像は3D仕様!

そんな大舞台を目前にして、マイケルは相変わらずキレのいいダンスを披露していた。
50歳にもなるのに、若いダンサーに全く負けていない。
ラストに見せたビリー・ジーンのソロ・パフォーマンスはカリスマそのものだった。

そして音楽面もまったく妥協していなかった。
とにかく隅々まで自分の曲を把握しているものだから、ミュージシャンへの指示もこと細かい。
普段観衆が「すごーい!」の一言で受け止めるステージは、この様な綿密な制作過程を経て出来上がっているものだと改めて感心した。

本当、自分はマイケルを誤解して過小評価していた。
亡くなってみて初めてその偉大さが分る「フランダースの犬現象」だよ。

ところでこの映画を観てちょっと心配したのが、膨大なコンサート制作費の回収。
当然完売したチケットは払い戻しだったろうからね。
でもこの映画のヒットでその分は取り戻せたかな?

ちなみにトップ写真は一緒に行った友人S子さんお買い上げのキーホルダー。
これはスリラー・バージョンなんだけど、他にもビリー・ジーンやバッドなど
全四種あった。
それぞれマイケルの肌の色が微妙に違うのがツボだった。

映画『HACHI ~約束の犬~』

2009年08月11日 | 国外・舶来エンタメ
映画『ハチ公物語』がハリウッドでリメイクと聞いた時には、ジョークかと耳を疑ってしまった。
しかも主演の教授役はリチャード・ギア!!

戦前の日本が舞台のオリジナル作品なのにどうアメリカを舞台にするのだろうかと思っていたら、設定は現代とのこと。
しかもハチは秋田犬なのに拾い犬という話。
いったいどのような作品になるのだろうか?

それでも何やかや言って結構楽しみにしていたメガヒヨ。
しっかり公開日の8月8日に観てきた。
映画館で観たそれは前日の新聞評で語られていた通り、おしゃれな愛犬映画だった。

まず主役の教授。
実在の上野教授は農学の権威だったけど、リチャード・ギア演じるパーカー教授は舞台芸術畑の人。
学生バレリーナが出てきたりして、大変おしゃれ度の高い大学である。

家もおしゃれ。
日本人があこがれるような大きい家。
クールな美人の奥さんは、結構情熱家。
教授とのラブシーンだってある。

さらに駅もおしゃれ。
秋田犬と張り合う巨大プードルが歩き、可愛くてこじんまりした商店街がつづく。
駅前の屋台は日本では焼鳥屋さんだったけど、アメリカでは予想通りホットドッグ屋さんになっていた。

ついでに日本も、綺麗でミステリアスに撮影されていた。
ハチの故郷は「ゆく年くる年」に出てくるような山寺。
そこから伝統工芸風の木製の檻に入れられてアメリカまで送られる。
そこのお坊さんは副業でブリーダーでもしているのだろうか。
個人的にはハチは秋田のマタギの家生まれにしてほしかったけど、おしゃれ度が下がるからだめなんだろうな~。

配送途中で迷い犬になったハチはパーカー教授に保護される。
飼うことになったきっかけを除き、あとの大筋はオリジナル版と一緒。
楽しい日々が続いた後に悲劇が教授を襲い、ハチは帰らぬ人を待ち続けるというものである。

戦争の足音が聞こえる時代背景を色濃く描いたオリジナル版と比べて、
このハリウッド・リメイク版は飼い主と犬の絆にのみ焦点を絞って作られている。

とにかくハチが健気で可愛かった。
特にいじわるをされることも無く、周囲の人々に暖かく見守られている。

リチャード・ギアも良かった。
飼い主役として最適なキャスティングだと思う。
ご本人もゴールデン・リトリバーっぽい犬系の顔立ちだし。
ハチに必死にボール拾いを教えこむシーンは大変なごんだ。

そういえば、オリジナル版で涙を誘うハチの回想シーン。
桜吹雪をバックにした教授がハチに呼びかける思い出の一場面。
メガヒヨは何度これを観ても目頭が熱くなる。

ハリウッドでもアングルはそのままで撮られていた。
ただし背景は変わって、ポプラからの木漏れ日になっていた。
アメリカでも涙もろい人がここで泣くんだろうな~。

ところでメガヒヨが観たのは日本語吹き替え版だった。
地元の映画館は字幕版を上映していなかったので。
リチャード・ギアの「ハーチィ」のセリフ、聞きたかったなぁ。
でも吹き替えもそれなりに良くって、教授の声は北大路欣也だった。
ソフトバンクのCMを思い出しちゃうけど、犬役ではなく、飼い主側の声としてもなかなかぴったりだった。



『Billy Elliot the Musical』 トニー賞おめでとう!!

2009年06月08日 | 国外・舶来エンタメ
米トニー賞、「ビリー・エリオット」が10部門制覇(トムソンロイター) - goo ニュース

世界中のミュージカルファンが注目するトニー賞。
本年度の作品賞は大方の予想通り、「Billy Elliot the musical」が勝ち取った。
日本では「リトル・ダンサー」として公開された映画を元として制作された、ロンドン・ウエストエンド産の作品である。
メガヒヨも3年前にロンドンで観て来た。
笑いと涙ありの感動作だったので、ブロードウェイ版は未見なれど受賞はとっても嬉しい。

受賞は作品賞のみならず、ビリーを演じた三人の子役に主演男優賞、
お父さん役に助演男優賞、演出、脚本、振付などなど10部門に輝いている。
強力なライバル作品が無かったのも一因かも知れないけれど、この作品は時代に合っているし、多くの人の琴線に触れたんじゃないかな。

早くも授賞式でのパフォーマンスがyoutubeにupされていたので、貼らせていただいた。
てっきりナンバーは「ELECTRICITY」かと思っていたのだけど、「ANGRY DANCE」だった。
どちらも見ごたえあるけどね(^-^)


トニー賞パフォーマンス「ANGRY DANCE」


こちらはロンドンオリジナルキャスト「ELECTRICITY」



ところでこの作品を劇団四季が上演しようと狙っているとのこと。
四季を否定するわけではないけれど、上演権を持っていかれるとツアー・カンパニーが日本に来なくなっちゃうので正直あんまり嬉しくない…。
「オペラ座の怪人」のワールド・ツアーだって香港には来るのに、日本は素通りだものね。

まぁ四季にもいい役者さんはいるので、上演することになったら観に行くけどね。
必ずオープン後一ヶ月以内という条件で。
オリジナルキャストならハズレは無いものね。

そういえばこれもライオンキングみたいに方言で上演するのかな?
となると、東北弁??
もし実現となれば日本語上演も面白いかな~と思ったりする。
(ツアーカンパニー、日本人キャスト、両方選べるのが観客にとって一番なんだけどね☆)

来日公演ミュージカル『ザナドゥ』

2009年05月17日 | 国外・舶来エンタメ
この作品は1980年に公開されたオリビア・ニュートンジョン主演の映画を舞台化したもの。
ブロードウェイでは2007年7月にオープンし、2008年9月にクローズするまで512回の公演を達成している。

メガヒヨは本場で観る機会が無かったので、この来日公演はいいチャンスだった。
割りといい評判を聞いていたので。

ストーリーの大筋は映画版とほぼ同じ。
売れない画家の青年のもとに絵から飛び出してきた女神が訪れ、彼の夢「流行の発信地を作ること」を叶えようとする。
そして二人は恋に落ち、人間と女神というハードルを越えて結ばれるという話。

楽曲も映画版にオリビアのヒット曲「そよ風の誘惑」を加えるなど、耳になじんだ構成となっている。

衣装も80年代のテイスト。
ランニングと短パン、レッグウォーマーなど懐かしアイテムは、ギャグにもされている。


メガヒヨはこのたび、映画を予習がてら観た。
「DANCIN'」などいいナンバーもあったけれど、ローラースケートの人海戦術作品という感じで、正直眠くなってしまった。
当時の評判もすこぶる悪く、栄誉ある第一回ラジー賞に輝いている。
しかしながら一方で熱烈なファンを捉え、カルトムービーとして長いこと君臨し続けてきた。

舞台版はこの映画版のワザとらしい演出をあえて継承し、徹底的の笑いのネタとしている。
観に行くのなら、映画版はチェックしておいた方が絶対楽しめるはず。

人海戦術の映画版に対し、この作品はブロードウェイ作品にしてはかなり小粒で、まるでオフ作品の様。
セットもシンプルで、登場する俳優も10名しかいない。

主人公キーラは女神ミューズなので、9人姉妹の設定。
しかし女優は主役含めて5名なので、人数が明らかに不足している。
そこで男優2名がおネエキャラとして女神を演じている。
ブロードウェイではそれでOKでも、日本人から見るとゲイ率が高すぎる気も…
ちなみに残りの姉妹2名はオケバンドで演奏中ということになっている(笑)


今回のカンパニーはアメリカ国内ツアーの方々。
なんとソニー役にMAX VON ESSENの名が入っている!!

彼は2000年のブロードウェイで「ジーザス・クライスト・スーパースター」の代役ジーザスで見た。
豊かな声量でフォード・センターを圧巻していたのを昨日の様に思い出す。
演技力も豊かで、不良少年風なユダに対し金八先生の様な寛大さで振舞っていた。

今回のソニーは、少々役不足な感が無きにしも非ず。
どうせなら大規模作品のドラマティックな役で来日して欲しかった。
悪くはないんだけど、コメディ向きではないと思う。
それでも歌は変わらずの圧倒的な美声で良かった。
ちょっとだけど得意のファルセットも披露してくれた。

他にはメルポネメ役にSHARON WILKINSというのも嬉しかった!
メガヒヨは隠れた名作『SEUSSICAL』のファンなのだけど、その際サワー・カンガルーを演じていたのが彼女だったのだ。
朗々と響く歌声とともに、あの「デャハハハ」との笑い声も健在だった。

主演キーラ役のELIZABETH STANLEYは多分初めて観たかも。
ブロードウェイの定番、金髪のカワイ子ちゃん役によくはまっていた。
個性をあまり出さずに、オリビアのモノマネに徹していた事に好感が持てた。
歌もアメリカから呼ぶ位の価値があった。


役者さんに関しては満足だけど、前述の様に舞台の規模があまりにも小さいので、物足りなさは否定出来ない。
上演時間もインターミッションなしで90分だし。
それでS席12,000円は正直高いと思う…。
もちろん招聘が大変なことというのは分かるけれどね。

メガヒヨが行ったのは金曜のソワレ。
2階は分からないけれど、1階で八割ほどの入りだった。
おそらくこの演目は『CHICAGO』や『RENT』みたいに何度も来日するものではないので、ご覧になりたい方はこのチャンスを逃さない方がいいかも!

映画『天使と悪魔』

2009年05月16日 | 国外・舶来エンタメ
部長「メガヒヨさん、コンクラーベがあるから3号会議室に行ってるね。」

メガヒヨ「??」

部長「あの案件は揉めているからね。幹部が揃ってコンクラーベで根比べ!」

メガヒヨ「…はい、お戻りは未定でよろしいですね。」



ローマ法王ヨハネ・パウロⅡ世が逝去された数年前。
次期法王を決める会議「コンクラーベ」が流行語となり、上のような上司と部下の会話が日本中で交わされたものだった。

本日は見てきた映画は、楽しみにしていた『天使と悪魔』。
物議を醸した「ダ・ヴィンチコード」の続編。(小説では前作)
冒頭のコンクラーベも、この映画のモチーフの一つとなっている。

ダ・ヴィンチコードはかなりヴァチカンから反感を買ったとのこと。
続編のこの作品はもちろん、ローマのカトリック教会内部での撮影はNG。
しかし、まるで現地でロケしてきたかのような素晴らしい映像になっていた。

欧州原子核研究機構「セルン」についても同様。
巨大な実験装置は、現物をそのまま撮ったみたいだった。

そして今回のヒロイン、ヴィットリア・ヴェトラ役のアイェレット・ゾナーさんが
イメージにぴったりだったのも嬉しかった。
もちろん原作より少々年齢が上な気もするけれど、それはラングドン先生も一緒なのだから気にしない。
描写通り、細身で美しく知的な魅力のある女優さんだった。

ユアン・マックレガーも、元軍人のカメルレンゴにとてもはまっていた。
黒い法衣がよく似合っていた。
サン・ピエトロ大寺院の中を颯爽と歩く景色の美しいこと!

以下ネタバレ警報!!
OKな方は下の空白部分をドラッグしてね♪


ストーリーの流れは前作同様、ほぼ原作通り。
ただ登場人物の役職・名前が変わっている部分もあった。

殺される科学者もヴィットリアの養父でなく、同僚だった。
これはダヴィンチ・コードの設定と余りにも似ているからと思われる…(^-^;

オリヴェッティもスイス衛兵隊隊長ではなく、ヴァチカン警察の警部さんになっていた。
しかもラングドン先生にかなり協力的。
確かに揉めていたら話が進まないからね。

原作では誘拐された枢機卿はみんな殺されてしまうのだけど、
映画では一人だけ助かった。
それは原作でも比較的いい描かれ方をされていたバッジア枢機卿。
ラングドン先生ならびローマの皆さんの協力のもと、四大河の噴水から帰還した。
四人全員殺害というのは余りにもせつない話だったので、一人だけでも救助出来た映画の展開はよかったと思う。

そうそう。
中東出身の殺し屋ハサシンは、普通の白人の殺し屋になっていた。
クレジットロールもASSASSINって表記されていたし。
やっぱり人種・政治問題関わるからね。
特異なキャラクターにしても、ダヴィンチのときのアルビノの怪僧シラスとかぶるし。

殺し屋がヴィットリアを拉致監禁するシーンが無くなったのは残念だったかも。
あそこでラングドン先生との愛が生まれるのに。
ダヴィンチ・コードではヒロインと歳の差があるからあまり絡みが無かったのかなと思ったのだけど、今回も全くと言っていいほどなかった。
上映時間の関係?監督の方向性?
でも娯楽作品なんだから、少しは色気が出てもいいのではと正直思った。
せっかくトム・ハンクスとお似合いなのにね。

お借りした画像はパンテオンのシーン。
ヴィットリアと手を繋いで夫婦を装い、犯人を捜しに行くところ。
これが最大の接近シーンなんて、この映画ってばあまりにも草食的…(^-^;

そうそう。原作との最大の違いは、カルロの出生の秘密がはしょられている点。
これを省略しちゃったら、彼はただのカソリック超原理主義者ってことで終わっちゃう…。
でもやっぱりローマ法王が人工授精とはいえ、子供を持っていたというのはまずいよね。
それと「父さんSATSUGAI」ってのも、ハリウッド娯楽作品のコードに引っ掛かっちゃうかも知れない。
でもなー。これを脚本に生かせていたら作品として深みが出たのにね。
せっかくユアンがカルロ役なのに勿体無い…。

あと省かれていて当然のシーンも。
カルロと共にヘリに乗り込み上空に置き去りにされ、
モモンガのごとく飛び降りテヴェレ川にダイブして一命を取り留めるラングドン先生…。
原作を読んだとき、「そりゃムリだろー!!」と突っ込んだものだった。
でも実際に映像化したら、さぞかし面白いものになっていたに違いない。
トム・ハンクスがラジー賞を受賞するチャンスになったかも(笑)


原作を読んでいる身としては少々物足りないポイントはあったとしても、映像美や正確なシーンの再現など、大変見ごたえのある作品だった。

特にサン・ピエトロ広場なんてどう撮ったんだろうと言うぐらい、CGに見えない。
2年前の「天使と悪魔ツアー」を懐かしく思い出した。
あの時はジェラートを食べながら、小説に出てくる箇所の幾つかを回ったものだった。
その様子は4travelにアップしているので、よかったら見に来てね♪

超ファンティーヌ!!《解説編》

2009年04月17日 | 国外・舶来エンタメ
47歳素人の歌声に辛口審査員が呆然 実現させた「dream a dream」――ひまだね英語(gooニュース・ひまだね英語) - goo ニュース

おとといスーザン・ボイルさんについてブログで書いたけれど、メガヒヨは審査員との会話をよく聞き取れていなかった。
本日読んだ上記のニュースでは、英会話の勉強もかねて親切に解説してある。

なるほど~。人生に対して受身だったボイルさんは、心機一転してこのオーディションに臨んだのね。
本当にドラマみたいな話だなぁ。

なおこのニュースでは、彼女が以前にチャリティ用のコンピレーションCDに参加したことまで書かれている。
収録された曲は有名なジャズナンバー「Cry Me A River」。
(スコットランドのDairyRecordのサイトにリンクします。)
10年前も美しい歌声である。

今後のますますのご活躍を祈りたい。

超ファンティーヌ!!

2009年04月15日 | 国外・舶来エンタメ
47歳女性の衝撃歌手デビュー:ネットで大人気(動画)(WIRED VISION) - goo ニュース

イギリスのオーディション番組『Britain's Got Talent』でまた新たな才能が発掘された。
この47歳の女性、見事なクリスタルボイスの持ち主。
ミュージカル「レ・ミゼラブル」の名曲中の名曲、「I Dreamed a Dream」を高らかに歌い上げた。

少々低音が弱いと思いつつも、今まで歌ったのは教会とカラオケでだけとはとても思えない。
なお、今後プロとしての仕事は未定とのこと。
ご本人も明るくていいキャラをお持ちだし、チャンスがあれば生歌を拝聴してみたい。
(文頭のgooニュースにて彼女の動画を観ることが出来ます。)

映画『ワルキューレ』

2009年03月25日 | 国外・舶来エンタメ
メガヒヨは近代史が苦手である。
日本史・世界史通じて古代史は大好きなのに、1900年以降の話になるともうアウトなのだ。
それは学生時代の歴史教師が、カリキュラムの時間配分を誤った事が原因と思われる。
世界四大文明とかはじっくり時間を掛けて教わったけれど、世界大戦などは三学期の終わりごろに慌てて片付けられたものだった。

さて。そんな教育を受けた人間が大人になったらどうなるのか?

答え。この映画の結末が分からずにドキドキしながら観賞することになる。


もちろん、ヒトラーは日本の敗戦の何ヶ月か前に愛人エバと自殺した位の情報は、成長過程で手に入れていた。
だけどこの映画を観ていると、トム・クルーズ演じるシュタウフェンベルク大佐に入れ込んでしまい、作戦の成功を願ってしまうのだ。
別にトム・クルーズがハンサムだからということではない。
(もちろん少しは影響するけれど…

それは大佐が決断力のある人だったから。
緊迫した状況でも動揺せずに物事を遂行しようとする、その意志の強さは素晴らしかった。
だからこそビル・ナイ演じるオルブリヒト将軍がモタモタするシーンは、思わず地団駄を踏んでしまった。
ちなみに、氏の優柔不断の演技っぷりはさすがである。

そんな訳で映画の展開で作戦が順調に行くにつれ、「あれ?ドイツの降伏って1944年だったっけ?」と本気で思う自分がいた。
冷静になって考えれば分かることなのだけどね…

登場人物は大変多く軍服の男性ばかりなので、知っている俳優さん以外は役名と顔を一致させるのが大変だった。
そういう訳で、もう一度復習がてら再見したい。
近代史の知識の穴をこっそりと埋めたいメガヒヨの様な大人にとって、大変ありがたい作品であった。

もちろんトム・クルーズの実行力と、しわも美しいビル・ナイを見るだけでも、この映画は充分な価値があると思う。

映画『チェンジリング』

2009年03月07日 | 国外・舶来エンタメ
公開から2週間すぎてやっと観ることが出来た。

話題作なだけに、今日まで結末を知らずに過ごすのは大変だった。
ネタばらしを仕掛けた同僚を「シャーっっ」と威嚇して黙らせ、
大好きなブロガーさんの記事は、涙を飲んで読むのをガマンした。

この映画の舞台は1928年のロサンゼルス。
シングルマザーのクリスティンは行方不明になった9歳の息子ウォルターの捜索願を出すが、警察の対応は鈍く、時間だけが過ぎ去ってしまう。
数ヶ月経ったある日、彼が発見されたとの知らせを受ける。
ところがその子供はウォルターとは全くの別人だった…。

立ち会った警部に「彼は私の子供ではありません。」と訴えるが、その場をとりなされて偽の子供を連れ帰る破目になってしまう。
しかし引き渡された子供の身体的特徴から、彼はウォルターではないことを確信するのだった。

教会の助けを得て警察を告発するクリスティンだけど、ふたたび陰謀で精神病院に強制入院させられてしまう。
その病院は、彼女と同じく警察に反抗した女性が数多く収容させられていた…。


あらすじだけ読んでもすごい話だなと思ったのだけど、更にそれが実話だと聞いてびっくり。
すさまじい人権軽視だけど、この事件から今日まで100年も経っていない訳だから二度驚いた。

アンジェリーナの強い母性を感じさせる演技は涙を誘う。
誘拐されたばかりの時の焦燥感、警察に対する絶望、わずかでも希望をつなごうとする気持ちが伝わってきた。

先日の『ベンジャミン・バトン』といい、ご夫婦そろっていい仕事をされていますな。

ところでこの『チェンジリング』はPG-12指定が付いている分、映像に過激な箇所があった。
病院のシーンはかなり残虐。
とにかくアンジェリーナの演じ方が上手い分、観ているこちらも寒気に襲われた。


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それにしても、裁判のシーンで懲役2年と言われたのには一瞬驚いた!!
劇中の被告に本気で怒りを感じていたから(^-^;、血圧上がっちゃったよ。
結局2年の後に死刑だったのね。

しかし犯人は全く反省していないね。あんなに重い罪をかさねたら地獄行きって確定なのに。
懺悔すれば罪って許されるの?
許されると思うこと自体、本気で反省していない証拠だと思うけどね…。

さらに簡単に子供を何人も殺しておいて、自分が死刑になるときは往生際が悪い。
でも冷静に刑に応じるより、死にたくない~と言いながら命を絶たれる方が死刑の意味はあるか。

ラストで、同じ時にさらわれた別の子供が生きて発見されたけれど、
クリスティンは息子の生きた証に触れられただけでもよかったかもね…。

ただそのことできっかけで、事件のことから吹っ切れて新しい人生を歩みかけていた彼女が、
再び生涯をかけて息子を探し続けることになるのだけれど。

諦めて新たな可能性を探る人生と、わずかな希望をもちつつ継続を保つ人生。
どちらが良かったのだろうか。

でも彼女は自分自身で選択をしている訳だし、後者が最善だったのだろう。
劇中の神父さんのセリフで、
「いつか行き着く所で子供と再会できたときに、彼は自分の母親が探し続けてくれたことを知るだろう。」というのがあった。

子供を探し続けて一生を終えたとき、この言葉が救いになったかも…
そう思って映画館を後にした。


警察の権力濫用、犯人の非道さなど、実話なのでショックは大きかった。
でも主人公のクリスティンの意思の強さに心を打たれたので、観に行ってよかったと思う。

映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』

2009年02月11日 | 国外・舶来エンタメ
ブラピ主演の話題作。
しかも本日は祝日の上に映画レディースデイと来た!
いつもは閑古鳥の、地元のシネコンも満席だった。

80代の老人の姿で生まれた男が、人生の時間のうちにだんだん若返っていくという話。
時代も、第一次大戦からハリケーン・カトリーナ上陸の夜までが背景となっている。


メガヒヨはケイト・ブランシェットが好きなので、ヒロインのデイジーに感情移入をして観ていた。

まず少女時代、老人姿のベンジャミンを対等なお友達として認識した事に、すごいなぁと思った。(ダコタ・ファニングの妹、エルが好演)

その後に23歳のダンサー時代は、若返ったとはいえ外見が中年のベンジャミンをおざなりにしてしまう。
一見冷たく見えるけれど若さもあるし、これは仕方がないと思う。

さらに初めて結ばれた時シーン。
30歳を過ぎて、年を取って行く自分と若返っていく彼を比べて複雑な気分になる心境はとても共感できた。

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中途、ベンジャミンはこのまま若返り続ける自分の身がデイジーの足手まといになることを憂い身を引くのだけど、メガヒヨはこれを「正解だな…」と思って観ていた。
別れから11年後に、50代の彼女の前にティーンエイジャーの姿で現れたシーンでは、正直「残酷…」と感じた。
彼女が再婚していなかったら、どうするつもりだったのだろうね。
彼らは生活を共にせず、最終的に物語通り、ベンジャミンが認知症という形で再会出来たのが良かったのかも。
じゃなかったら絶対破綻していたはず。
自分が年齢を重ねていくのに、パートナーだけ美しく若返っていくのを見る事は大変酷なことだと思うので。



ところで、特殊な人生を歩む男性と、彼の人生にすれ違いつつ関わる女性を描いた話と言えば某作品を思い出す。
そう!「フォレスト・ガンプ」!!
フレームがそっくりだった。
キャラも被っている人たちも多い。船長と軍曹とか…
もちろん枠が似ているだけで、伝わってくるものは違ったけどね。

「フォレスト・ガンプ」はあまりヒロインに同調できなくて、「ガンプ、お前はいい奴だ…。」と思っただけだった。
だけど今回の「ベンジャミン・バトン」は、ベンジャミン、デイジー両者が愛をそれぞれの形で貫く姿が心に響いた。

ラブストーリーっていいなと、このメガヒヨが柄にも無く思えてしまった作品。

映画『MAMMA MIA!』

2009年02月08日 | 国外・舶来エンタメ
ミュージカル「MAMMA MIA!」は1999年4月にロンドンで初日を迎えた。
以降この作品を機として、特定のアーティストのヒットソングで構成されたミュージカルが多く作られることとなる。
そんな元祖「ジュークボックス ミュージカル」が映画化された。

ストーリーは舞台と変わらず。
若い頃に親友達と3人組で歌手活動をしていたドナは、現在ギリシャでホテル(民宿)を経営している。
女手ひとつで育てた娘ソフィが今度結婚することになった。
ソフィは母親の若い頃の日記から探り当てた、自分の父親かも知れない3人の男性に結婚式への招待状を送る。
その事を知らないドナは、いきなり島に現れた過去の男性3人との再会に驚くのであった…

主役のドナは、自身が20歳の時に出産した20歳になる娘を持つ40歳。
なのでメリル・ストリープが映画版の主演と聞いて少々驚いた。
プリンシパル男女6名はコリン・ファースを除いて全員50代。
20年前の80年代後半にハメを外していた世代というには、正直無理がある

ドナが男性陣3名と再会するシーンはそれぞれの若い頃の姿が錯覚として現れていた。
しかしながら20年前のスタイルをしていたのはピアース・ブロスナンだけで、あとの二人はヒッピー風だったりと、時代設定があやふやだった。
まぁ細かいことを突っ込んでいたらキリがない(笑)

歌については、サム役のピアース・ブロスナンを除いて普通に良かったのでは、と言ったところ。
映画オリジナルのサントラを新しく買いたいと思うほどではないものの、ABBAの歌のカタログを楽しむことが出来た。

映像は、地中海キクラデス諸島の光景が美しかった。
崖と碧い海を見ていると、旅心を刺激される。
このミュージカルの功績は、ABBAの歌とギリシャの島をマリアージュさせたことかも。

一方ミュージカルシーンは20年前のPVの様な印象。
というか、わざとそういう風に演出したのかも。
「MONEY MONEY」なんかは露骨にそうだものね。
タイタニックのパロディもあるし。でも結構面白かった。嫌いじゃない

メガヒヨがこの舞台版を初めて観たのは、2002年春のブロードウェイ版だった。
英語のヒアリング能力が足りなくて、父親探しの決着が分からずに悶々として劇場を後にしたのを思い出す(笑)
その後の四季版でやっとオチが分かったのだけどね。
父親がだれかずっと気になっていたので、あの結末に拍子抜けした。
まぁ、こういう根から明るい話はやっぱり映画向きだなと思う。

ブロードウェイの劇場では、開幕から数年たった現在も客足が好調とのこと。
この作品も名作とは言われずとも、スタンダードに愛される作品として残っていくのではないかな。

ダ・ヴィンチコード続編「天使と悪魔」公開日決定!!

2008年11月10日 | 国外・舶来エンタメ
メガヒヨが楽しみにしている映画「天使と悪魔」の公開日が決まった。
来年の5月15日だって。楽しみ~♪

実は原作でのラングドン先生のイメージってトム・ハンクスではないのだけど、
まぁ小説は小説、映画は映画かな。
ヴィットリア役が美しい大人の女優さんでよかった。
今度是非「ミュンヘン」を観てみよう。
前作より、ヒロインとラングドン先生の絡みはあるよね?

カルロ役がユアン・マクレガーなのは、可も無く、不可も無く。
ちょっと健康的なイメージが過ぎるけど、役者さんだからきっと化けるものね。
メガヒヨは、小説を読んだときにはジュード・ロウでイメージしていた。

それにしてもこの作品ってディテールは面白いけど、おおまかな筋はダ・ヴィンチコードとそっくり。
いや、小説だと「天使と悪魔」の方が先だけど。
謎の暗殺者に社会的地位のある人が殺されて、その被害者の身内の知的美女が
ラングドン先生と一緒に事件解決しちゃうって、共通のパターンだものね。
きっとこの先も同じようにして、寅さんの様にシリーズ化しそう(笑)

そうそう。昨年メガヒヨは、ローマで「天使と悪魔」ツアーを敢行してきた。
「よくあの場所で殺人が出来たな~」とジェラートにかぶりつきながら
感心したのを、昨日の様に思い出す。
ローマ法王も代わって間もなかったので、関連絵葉書を買ってしまった。(写真)
近々その旅行記を4travelでupするので、よかったら見にいらしてね。