メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

メガヒヨ in NY 13 《A LITTLE NIGHT MUSIC編》

2010年06月06日 | NEWYORK
土曜ソワレはチケット代が高いのと、キャスト変更の可能性が低い分、話題作を観ることにしている。
メガヒヨがこの枠に選んだのはSTEPHEN SONDHEIMの『A LITTLE NIGHT MUSIC』。

映画『CHICAGO』のヴェルマ役でオスカーを勝ち取ったCATHERINE ZETA-JONESが主役を張り、その母親役で芸歴60年以上を誇るANGELA LANSBURYが出演している。
この作品は名作の誉れ高い割に、B'wayでの上演は初演以来30数年振り。
大変貴重な機会である。

そんな訳なのでチケット取りにも気合が入る。
いつもミュージカル関連でお世話になっているクワストさんからアドバイスをいただき、取れた席はなんと3列目ど真ん中!!
ありがたや…と劇場内に足を踏み入れた。

案内係さんにプレイビルをいただき、はたと開く。
その瞬間、足がすくんだ。
何とひらひらと4枚もの代役案内の紙が、そこから落ちたのである。



有名人見たさで来た観光客メガネヒヨコにこの仕打ち、どうしてくれよう…。
はっきり言って今日はCZJの顔と、現役中のLANSBURY先生を観に来たようなものなのに…。

と一瞬、上記のことが頭をよぎったが、本日の休演はマルコム伯爵とフリッド、他アンサンブルの方々のものであった。
公演目玉キャストの二人はそろってご出演だった。
ああ、良かった。



【あらすじ】
弁護士のフレドリックは18歳の幼な妻アンと結婚して11か月になるのに、いまだに夫婦関係を結べないでいる。
一方、彼の先妻との息子19歳のヘンデリックはアンのことを女性として意識しているようだ。
若い思いのたけをメイドのペトラにぶつけている。

フレドリックは昔の恋人で女優のデジレを忘れられずにおり、寝言で彼女の名前をつぶやく始末。
その心をアンに悟られ、悲しませてしまう。
そんな若い妻のすきを見てフレドリックはデジレと密会…
して…

なんかひどい話だよねー。書いててメガヒヨは嫌になってきた。
というかこんな話でいいんだよね…??
英語分からないから自信ないや。

頑張って話について行こうとはしたんだけど、フレドリックの寝言のシーン
「むにゃむにゃ…デジレ…ぶちゅ~」
ってあたりでさーっと作品から気持ちが引いちゃった感じ。

まぁ話についていけないことなんて良くあるので、メガヒヨは作品のパーツ買いみたいな感じで舞台を楽しむこととした。

まず、CZJの美貌を堪能した。
まつ毛なんてバサバサで、目ヂカラがすごかった。
前評判で厳しい話を聞いていたので、演技や歌の面では期待していなかったのだけど、
それなりに楽しむことが出来た。

LANSBURY先生は80歳を過ぎていらっしゃるので、どうだろうかと正直心配していた。
しかし実際に拝見すると、歌もセリフも現役をそのまま続行されていた。
舞台に上がった姿を見せるだけの日本の「大物女優」とはケタ違いだ。



ストーリーは二幕に渡り、落ち着くべき場所への長い遠回りを登場人物が歌いながら駆け抜ける。

終盤、ヘンデリックとアンが駆け落ちする姿をフレデリックがよろよろと追う所では場内爆笑。
あんたにはデジレがいるでしょうに

最初っからこうすれば良かったじゃん…と思うと実もフタも無いわけだけど、全て丸く収まりハッピーエンド。
みんなの行く末を見届けたアームフェルド夫人がぽっくり逝って幕となった。

色々歯に衣着せずに書いてしまった訳なのだけど、細かいところとかが分かっていたら作品への印象もまた違うかも知れない。
曲のひとつひとつは繊細に作られていて白夜の光景そのままで、本当に綺麗だったからね。
日本語上演があったら観てみたいなぁ。

でも日本でやるとしたら、ほぼ100%宮本亜門さんの演出になるしねぇ。
亜門フィルターがかかると全く別の作品になっちゃうから、それもどうかなぁ。
デジレをどの女優さんが演じるかでもだいぶ違うしね。
メガヒヨは安蘭けいさんがいいなぁと思うのだけど、なかなか理想通りにはいかないものだからね。

もしくは映画版(字幕付き)のDVD化がされればいいなぁと思っている。