いよいよ、2010GW NY旅行のトリを飾るのは『BILLY ELLIOT THE MUSICAL』。
日本ではリトル・ダンサーとして公開された映画のミュージカル版。
2005年春にロンドンで初演、2008年秋にブロードウェイで開幕した。
メガヒヨは2006年春にロンドンで観ているので今回2度目の観劇である。
しかし同一作品でもWEST ENDとB'wayでは大きく演出が変わることも多い。
『MARY POPPINS』なんかもそうだしね。
どうなることやらと思いつつ、席についた。
【あらすじ】
1984年のイギリス北部、小さな炭坑の町。
11歳のビリーは、炭鉱夫の父と兄、認知症の祖母と暮らしている。
父と兄は長期化しているストライキに参加しており、一家の収入は途絶え苦しい状態が続いている。
父はビリーに男らしさを期待し、なけなしの金でボクシング教室に通わせている。
ある日ビリーはボクシングのコーチから、練習場の鍵を次に使用するバレエ教室の講師に渡しておくよう言われる。
バレエ講師ウイルキンソン夫人は鍵を渡そうとするビリーをレッスンに巻き込んでしまう。
うやむやなままレッスンに参加してしまったビリーだが、ダンスの楽しさにいつの間にか引き込まれてしまう。
一方、夫人もビリーの隠れた才能に気付くのだった。
彼女はビリーにロイヤル・バレエスクールを受験させることを決意。
特訓をほどこし受験の朝を迎えるが、ビリーの兄がストライキの暴行行為で逮捕されてしまったことで会場に行けなくなってしまった。
同時に内緒にしていた家族にバレエのことがばれて、ビリーはその道さえ断たれる羽目に。
その年のクリスマス。
ビリーは一人踊っている。
その並々ならぬ才能を見た彼の父は考えを思い直して、ウイルキンソン夫人にもう一度受験をさせてやってほしいと頼み込むのであった。
学校は奨学金があるものの、受験にも先立つものが必要。
援助するといった夫人の申し出を断り、父ジャックは自らが先頭を取って参加してきたストライキをやめて炭鉱に戻った。
共にストライキで戦ってきたビリーの兄トニーは、父に怒りつつ抗議する。
しかし父は涙をこぼしつつ語る。
「あの子には才能がある。チャンスを与えてやりたい…。」
心打たれた炭鉱夫達は、スト参加組もスト破り組もビリー親子にカンパを施す。
ロンドンへの道が開かれたビリー。
父と一緒にロイヤル・バレエスクールの門を叩き試験を受ける。
しかしながら他の受験者といさかいを起こし、窮地に立たされてしまった。
破れかぶれで臨んだ面接。
面接官が投げかけた最後の質問へのビリーの答えは…?
メガヒヨが座った席は、オーケストラセンターD列。
上演日一週間前に放出されるプレミアムシートを定価で買ったものである。
おかげで細かい演出までよく見えた。
それにしてもロンドン版と比べてこんな感じだったっけー?と首をかしげるシーンも度々。
まずバレエガールの演出が細かい。
ロンドンはその他大勢扱いだったけど、ブロードウェイは一人ひとり丁寧に演技がつけられている。
これはいい進化だと思った。
あとブロードウェイ版は全体的に笑いをかなり重視している傾向だ。
特筆したいのは「Born to Boogie」。
ロイヤル・バレエ学校受験のための特別レッスンでのナンバー。
師弟二人が踊るのにつられて、ピアノ奏者のブレイスウエイト氏がスプリットを披露するギャグが元々ある。
今回はそのテイストがかなり拡大されている模様。
この一曲はブレイスウエイト氏が主役といって過言でないほど。
面白いっちゃ面白いんだけど、ビリーがダンスで自分を表現するのに目覚める大事なシーンなんだから、少々やりすぎなんじゃないのと正直感じた。
そして一番驚いたといえば「He Could Go and He Could Shine」。
この作品の佳境というべき、父ジャックがスト破りをして兄トニーが激しく抗議するというシーン。
確か映画やロンドン版では、トニーは炭鉱に向かう父を発見して絶叫し号泣していたはずなんだけどブロードウェイ版では違った。
父を見つけた彼は、いきなりグーで殴りかかるのである。
…こんな話だったっけ!?
ちなみに兄トニーを演じているのはWILL CHACE。
ブロードウェイでは何かと仕事が途切れない俳優さんである。
メガヒヨは前にもこの方を見てるけど、「こんな話だったっけ?」と思わせたのは今回だけではない。
『MISS SAIGON』でのクリス役のときもそうだった。
芝居の一つ一つがとても大きくて、独特のテイストを持っているよね。
しかしこの方ももう40位のはず。ビリーと並べるとどう見ても親子に見えちゃう
そういえば。
アンサンブルの中に懐かしい名前を見つけた。
2001年オープンのプロデューサーズで麗しいテナーを響かせていた俳優さんが、炭鉱夫の一員として参加されているのである。
金髪で目を奪われるようなハンサムだったから、きっとトニー役のアンダーに入ってたりするのね、とメガヒヨは思っていた。
しかしその期待は儚く泡と消えた。
なんか…とってもふくよかに変身されていたのである。
というか2倍くらいに膨れ上がっちゃったという感じ。
2005年位にはまだまだそんなことは無かったので、この5年間に何かがあったのね。
少々信じられなかったメガヒヨは、往生際わるくも彼のサイトにアクセスしてみた。
そうしたらメタモルフォーゼの途中経過写真が載っていた。現在における最終形態はさすがに無かったけど。
ということは今のは仮の姿で、いつかは痩せてくれる気でいるんだよね?
太るということは決して全否定することでは無いのだけど、ショービズ界においては致命的なほど仕事の幅に制限を受けるのは言うまでもない。
好きな俳優さんたちには体型維持に努めてほしいなぁと、しみじみ思ったのであった。
そうそう。肝心なこと!
今回のBILLY役はJACOB CLEMENTE君。
ダンスは発展途上に見えたものの、とてもキュートで旅疲れのメガヒヨもだいぶ癒された。
BILLY役の子によって振付が違うという「Electricity」はクラシックバージョン。
ロンドン・オリジナルキャストのLIAM MOWER君と同じである。
こちらの方がコンテンポラリーより好きだから嬉しかったな。
さてこのミュージカル版『BILLY ELLIOT』。
映画版を観たコンポーザーELTON JOHN氏が感動のあまり腰が抜けてしばらく立ち上がれなかったあの日から10年。
上演の輪は広がり、この2010年秋にオープン予定の韓国を始めアジアにも波が押し寄せている。
なんと日本でも2011年夏に上演とのこと。(2010年1月の情報)
…やっぱ春夏秋冬劇団でやるのかなぁ?
最近子役登用の演目が多いものね。
なんやかんや言って、オープンしたら観に行ってしまうんだろうなぁ。
しかしながら日本は子役の就業を夜8時までに制限している悪法がある。
それまでに法律が改正されればいいなぁとメガヒヨは思うのであった。
日本ではリトル・ダンサーとして公開された映画のミュージカル版。
2005年春にロンドンで初演、2008年秋にブロードウェイで開幕した。
メガヒヨは2006年春にロンドンで観ているので今回2度目の観劇である。
しかし同一作品でもWEST ENDとB'wayでは大きく演出が変わることも多い。
『MARY POPPINS』なんかもそうだしね。
どうなることやらと思いつつ、席についた。
【あらすじ】
1984年のイギリス北部、小さな炭坑の町。
11歳のビリーは、炭鉱夫の父と兄、認知症の祖母と暮らしている。
父と兄は長期化しているストライキに参加しており、一家の収入は途絶え苦しい状態が続いている。
父はビリーに男らしさを期待し、なけなしの金でボクシング教室に通わせている。
ある日ビリーはボクシングのコーチから、練習場の鍵を次に使用するバレエ教室の講師に渡しておくよう言われる。
バレエ講師ウイルキンソン夫人は鍵を渡そうとするビリーをレッスンに巻き込んでしまう。
うやむやなままレッスンに参加してしまったビリーだが、ダンスの楽しさにいつの間にか引き込まれてしまう。
一方、夫人もビリーの隠れた才能に気付くのだった。
彼女はビリーにロイヤル・バレエスクールを受験させることを決意。
特訓をほどこし受験の朝を迎えるが、ビリーの兄がストライキの暴行行為で逮捕されてしまったことで会場に行けなくなってしまった。
同時に内緒にしていた家族にバレエのことがばれて、ビリーはその道さえ断たれる羽目に。
その年のクリスマス。
ビリーは一人踊っている。
その並々ならぬ才能を見た彼の父は考えを思い直して、ウイルキンソン夫人にもう一度受験をさせてやってほしいと頼み込むのであった。
学校は奨学金があるものの、受験にも先立つものが必要。
援助するといった夫人の申し出を断り、父ジャックは自らが先頭を取って参加してきたストライキをやめて炭鉱に戻った。
共にストライキで戦ってきたビリーの兄トニーは、父に怒りつつ抗議する。
しかし父は涙をこぼしつつ語る。
「あの子には才能がある。チャンスを与えてやりたい…。」
心打たれた炭鉱夫達は、スト参加組もスト破り組もビリー親子にカンパを施す。
ロンドンへの道が開かれたビリー。
父と一緒にロイヤル・バレエスクールの門を叩き試験を受ける。
しかしながら他の受験者といさかいを起こし、窮地に立たされてしまった。
破れかぶれで臨んだ面接。
面接官が投げかけた最後の質問へのビリーの答えは…?
メガヒヨが座った席は、オーケストラセンターD列。
上演日一週間前に放出されるプレミアムシートを定価で買ったものである。
おかげで細かい演出までよく見えた。
それにしてもロンドン版と比べてこんな感じだったっけー?と首をかしげるシーンも度々。
まずバレエガールの演出が細かい。
ロンドンはその他大勢扱いだったけど、ブロードウェイは一人ひとり丁寧に演技がつけられている。
これはいい進化だと思った。
あとブロードウェイ版は全体的に笑いをかなり重視している傾向だ。
特筆したいのは「Born to Boogie」。
ロイヤル・バレエ学校受験のための特別レッスンでのナンバー。
師弟二人が踊るのにつられて、ピアノ奏者のブレイスウエイト氏がスプリットを披露するギャグが元々ある。
今回はそのテイストがかなり拡大されている模様。
この一曲はブレイスウエイト氏が主役といって過言でないほど。
面白いっちゃ面白いんだけど、ビリーがダンスで自分を表現するのに目覚める大事なシーンなんだから、少々やりすぎなんじゃないのと正直感じた。
そして一番驚いたといえば「He Could Go and He Could Shine」。
この作品の佳境というべき、父ジャックがスト破りをして兄トニーが激しく抗議するというシーン。
確か映画やロンドン版では、トニーは炭鉱に向かう父を発見して絶叫し号泣していたはずなんだけどブロードウェイ版では違った。
父を見つけた彼は、いきなりグーで殴りかかるのである。
…こんな話だったっけ!?
ちなみに兄トニーを演じているのはWILL CHACE。
ブロードウェイでは何かと仕事が途切れない俳優さんである。
メガヒヨは前にもこの方を見てるけど、「こんな話だったっけ?」と思わせたのは今回だけではない。
『MISS SAIGON』でのクリス役のときもそうだった。
芝居の一つ一つがとても大きくて、独特のテイストを持っているよね。
しかしこの方ももう40位のはず。ビリーと並べるとどう見ても親子に見えちゃう
そういえば。
アンサンブルの中に懐かしい名前を見つけた。
2001年オープンのプロデューサーズで麗しいテナーを響かせていた俳優さんが、炭鉱夫の一員として参加されているのである。
金髪で目を奪われるようなハンサムだったから、きっとトニー役のアンダーに入ってたりするのね、とメガヒヨは思っていた。
しかしその期待は儚く泡と消えた。
なんか…とってもふくよかに変身されていたのである。
というか2倍くらいに膨れ上がっちゃったという感じ。
2005年位にはまだまだそんなことは無かったので、この5年間に何かがあったのね。
少々信じられなかったメガヒヨは、往生際わるくも彼のサイトにアクセスしてみた。
そうしたらメタモルフォーゼの途中経過写真が載っていた。現在における最終形態はさすがに無かったけど。
ということは今のは仮の姿で、いつかは痩せてくれる気でいるんだよね?
太るということは決して全否定することでは無いのだけど、ショービズ界においては致命的なほど仕事の幅に制限を受けるのは言うまでもない。
好きな俳優さんたちには体型維持に努めてほしいなぁと、しみじみ思ったのであった。
そうそう。肝心なこと!
今回のBILLY役はJACOB CLEMENTE君。
ダンスは発展途上に見えたものの、とてもキュートで旅疲れのメガヒヨもだいぶ癒された。
BILLY役の子によって振付が違うという「Electricity」はクラシックバージョン。
ロンドン・オリジナルキャストのLIAM MOWER君と同じである。
こちらの方がコンテンポラリーより好きだから嬉しかったな。
さてこのミュージカル版『BILLY ELLIOT』。
映画版を観たコンポーザーELTON JOHN氏が感動のあまり腰が抜けてしばらく立ち上がれなかったあの日から10年。
上演の輪は広がり、この2010年秋にオープン予定の韓国を始めアジアにも波が押し寄せている。
なんと日本でも2011年夏に上演とのこと。(2010年1月の情報)
…やっぱ春夏秋冬劇団でやるのかなぁ?
最近子役登用の演目が多いものね。
なんやかんや言って、オープンしたら観に行ってしまうんだろうなぁ。
しかしながら日本は子役の就業を夜8時までに制限している悪法がある。
それまでに法律が改正されればいいなぁとメガヒヨは思うのであった。