井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

いよいよ槍ヶ岳(3,180m)へ ・ 08’9月

2008-09-27 22:43:10 | 北アルプスの山
南岳小屋でゆっくり休んだのですが、
暑さのため身体が思うように動かなくなってきているようです。
それでも何とか3時間で槍ヶ岳山荘へ着くように頑張ります。

13:20分、南岳の山頂です。
  
  ここは素通りします。

 天狗原への分岐を過ぎて次のピークへ20分ほどで着きます。
ここも素通りして中岳を目指します。
   
   中岳、大喰岳の向こうに槍の穂先が見えます。
  しかし、なかなかこの距離が縮まりません。
  ただひたすら穂先を目標に足を動かします。

左手、飛騨側から雲が湧き上がってきます。
槍の穂先が隠れそうになってきます。
このまま雲が流れてくると、せっかく槍ヶ岳についても
眺望が台無しになってしまいます。
   

14:35分、やっと中岳に到着です。
雲の方は槍の穂先を隠すことなく、上空で消えていきます。
強い日差しが雲に遮られて少し歩きやすくなっています。
しかし、小さな登り返しがあるので一つ越え、
その先の登りを見る度にため息が出てきます。

15:25分、大喰い岳に着きます。
  
  飛騨乗越の向こうに槍ヶ岳山荘が見えています。

 いよいよ、この下りが最後の下りです。
岩場の急な下りです。
慎重に降ります。
   
15:50分、飛騨乗越です。
あと15分ほど頑張れば槍ヶ岳山荘です。

最後の登りですので、給水をして一息いれます。
テントサイトが見えてきます。
その先に山荘の赤い屋根が見えてきます。
16:10分、やっと、槍ヶ岳山荘に到着です。

 目の前には槍の穂先が落ちかけの日差しの中で輝いています。
   
   槍ヶ岳山荘で宿泊の申し込みを済ませると、
  夕食は5時からといわれましたが、山頂に向かうことを告げると
  多少は遅くなっても構わないと言われる。
  ザックを玄関脇において中からサブザックを取り出し、
  水と非常食を入れて山頂を目指します。

  山頂へは、小屋の右手を詰めます。
  いきなり岩場になり鎖と梯子が続きます。

 長い梯子の2本目を慎重に登るとそこが山頂でした。
細長い山頂の北側の奥に小さな祠が見えます。
16:37分、とうとう槍ヶ岳の山頂に来ることが出来ました。
  
  まずは、祠に手を合わせここまで無事に着くことが出来た
 感謝の祈りを捧げます。
 そして、記念写真を撮ります。
 後ろには立山が黒く見えます。

 ウーン、言葉が出てきません。
この1か月ほど、この山頂に立つことを夢見ながら計画を立て、
航空券などの予約をしてきましたが、これほど天気に恵まれた
登山が出来るとは正直思っていませんでした。
そのことを思うと、言葉が出てこないのです。

 初めての本州の山、それもあこがれの穂高連峰から槍ヶ岳!
こんなに素敵な登山をプレゼントしてくれた神に感謝です。
本当に幸運としか言いようがありません。
 
前方には穂高連峰が見えるはずなのですが飛騨側から湧いている
雲に隠されて見ることが出来ません。

左手を見ると大天井岳の山腹に槍の穂先が大きな三角形の
影を落としています。
  
  今いる場所がこの三角形の陰の一番先端にいるのだと思うと
 嬉しくなります。

 山頂は風もなく飛騨側の雲が静かに山腹を湧き上がってきます。
しかし、長野側に流れることなく、天空へ消えていきます。
  

それを、ジーッと見ていると、少しずつ長野側から風が吹き出し
岐阜側の雲を押しのけていきます。
穂高連峰の山頂部が少しずつ顔を出してくれます。

 もう少し、もう少しと願っていると奥穂高岳から北穂高岳などの
姿が見えてきます。
とうとう穂高連峰が顔を出してくれました。
   
   前穂高岳からジャンダルムも見えています。
  雲が晴れて穂高連峰の姿も見ることが出来るという幸運にも
 恵まれたので、満足して山を下ります。

20分ほどで槍ヶ岳山荘へ戻ってきます。
長かった今日一日の登山もこれで終わりです。

 部屋に荷物を移し食堂へ急ぎます。
食堂は閑散としておりほとんどに人が食事を終えています。
入り口近くのテーブルに用意された食事を食べます。

盛岡のおじさんがワインを買ってきて振る舞ってくれます。
3人で登頂記念の乾杯をします。
今日一日の辛さが吹き飛ぶような山頂でした。

話に花が咲き、ついつい話し込んでしまいました。
小屋の人からそろそろ片づけてもいいですかと言われ
テーブルから腰を上げます。

ワインの酔いもあり、とても幸せな気分で一杯です。