井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

トレッキング・11日目・カグベニ(2,800m)→マルハ(2,670m)

2010-01-04 20:23:55 | アンナプルナ・サーキット
昨夜は暖かいのでよく寝られた。
暖かいので下着姿で寝袋を毛布のように開いて掛けていた。

窓からニルギリ(7,061m)が見えており朝日が当たり出す。
        
      広く広がるカリ・ガンダキの流れを見下ろすように左岸に輝いている。この辺りは本当に川原が広い。雨期にはこの幅一杯に流れるということなのか?
      

 そして右岸にはすっかり見慣れたダウラギリが白く輝いている。
      
     ダウラギリは幾ら見ていても見あきない山です。
     

 7:40分、カグベニを出発する。
ビビさんが、カリ・ガンダキは昼から強い風が吹くので早く出発した方がいいというので、いつものように8時を目処に準備していた。

道は、カリ・ガンダキの左岸にあり、まったく陽が当たらない。
車道となっているので時折車が走ってくる。
そうするとモウモウと土煙が上がり息が出来ないほどだ。
こんな道がトレッキングルートならば歩く人がドンドンいなくなってしまうのではないかと思う。

前方に一人で歩いている人がいる。
追い抜くときに挨拶をして顔を見るとあの白人の老女だった。
右手に長い竹を杖として持ち大きなザックを担いでいる。
ガイドも連れずに一人で歩いている。

30分ほどでエクレバッテイの町を過ぎ、ほとんど傾斜のない道をドンドン歩いていく。
左岸に大きな谷が見えてくる。
ルプラという町のある谷のようだ。

1時間ほど歩くと前方に大きな建物がある町が見えてくる。
ジョムソンの町だ。
ジョムソンはムスタンの首都として栄えた町だという。
この周辺では一番大きな町で飛行場や大学もある。

町の中に入ってくると確かに大きな町で建物の数が違う。
大学だといわれた建物は大きく、でも、小学生らしい子供達が大勢敷地の中で遊んでいる。大学の敷地に小学校も併設されているらしい。

ジョムソンの町の中をカリ・ガンダキが流れている。
     
    橋を渡り、今度はカリ・ガンダキの右岸を歩く。

向こうから小学校へ通学してくる沢山の子供達が歩いてくる。
ナマステ~、と挨拶すると元気な声でナマステ!と返ってくる。

9:50分、ジョムソンにあるチェックポイントに着く。
この辺りは宿が数軒あり、その中の1軒にビビさんが入っていく。
宿の奥にあるソファーに座り、休憩する。

ジョムソンからは、やっと、陽が当たりだし歩いていても暖かくなる。
川原が広いので右岸の山の下に付けられた車道ではなくて川原にある細い道を歩いていく。
直ぐ横に川の流れを見ながら歩くので、なかなか気持ちよく歩ける。

1時間ほど歩いていくと右岸の山際にゴンパが見えてくる。
マルハの町のようだ。
マルハの町を通らずに川岸を歩いていくと果樹園が見えてくる。
リンゴの木なのだろう。
このマルハがリンゴ栽培の中心地だという。

マルハの町外れにある宿についた。
何でこんな町外れの宿をと不思議に思ったが、きっと、ビビさん行きつけの宿なのだろう。
しかし、宿の入り口に鍵がかかって誰もいない。
仕方がないので町の中へ戻る。

11:45分、町の中にある宿に着く。
この宿は中庭があり、色とりどりの花が咲いて綺麗だった。
マルハの町は、壁が白く塗られており通りが明るく綺麗だ。
     

マルハの町にはぜひ行ってみたいところがありました。
それは、川口慧海が修行をした家です。
川口慧海は日本の僧侶でチベットが外国人の入国を認めない時代にチベットへ潜入しチベット仏教を勉強した人なのです。
カイラス山の巡礼も行っています。
そんなことで、ぜひ、マルハに行ったら川口慧海の家を見てみたいと思っていました。

その家は宿から直ぐ近い所にありました。
      
     看板には「慧海川口ハウス」と書かれています。
入り口の扉を開けて中へ入りましたが、誰もいません。
扉の中は中庭になっておりいろいろなものが雑然と置かれ、記念館といった造りにはなっていません。
声を掛けましたが誰もでてこないので仕方なく建物の入り口の写真を撮って帰ります。    
    
宿の向かいにあるお店で水を売っていましたので買います。
セイフ・ドリンキングウォーター1リットルが35ルピーと随分安くなっています。
やはり水が豊富な場所では売っている水も安くなります。

夕食の時間に食堂へ行くとあの白人老女が静かに本を読んでいます。
そして熱心に書き物をしています。
この女性には何か惹かれるものを感じます。
たった一人で歩いている姿は巡礼者のようです。
トレッキングといった遊びではない、何か思うものがあってこの道を歩いているように見えます。
それが何かは分かりません。
私の語学力ではそれを聞き出すことは叶いません。

今回のトレッキングで一番心に残る女性だったのです。


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    今日の行動
      7:40分 カグベニの宿を出発
      9:50分 ジョムソン着
     11:45分 マルハ着