5月も下旬になって芦別岳(1,726m)のユーフレ川本谷を登る計画を立てました。
この時期の本谷は、残雪と枝沢からの雪崩などが沢を埋めているために最短距離で山頂へ行くことが出来ます。
ただし、ネックがありまして中流部に深いゴルジュがあります。
このゴルジュの雪が融け沢が顔を出していると高巻きに1時間以上を要するだけでなく高巻く個所が岩場ですので相応の危険もあります。
そんなわけで、この本谷を登るには枝沢からの雪崩が落ち着き尚かつゴルジュがタップリの雪で埋まっている5月のゴールデンウィーク明け辺りから中旬がベストとされています。
そういった意味では今回の25日という日程は少し遅いのですが、昨年は5月30日に同じコースを歩いており、ゴルジュの雪がまだまだタップリあったのに味をしめての計画となってます。
昨年もこの本谷を登ったのですが、三つ股からコースを外れ右股を登ってしまったため本谷を最後まで詰めるためといつも一緒に行くO氏がこの本谷を登ったことがないというので計画しました。
(昨年の本谷山行は、あらためてブログにアップしたいと思います。)
S氏は自宅の屋根と壁の塗装作業があり同行できません。
替わってO氏が所属している山の会の会員であるK氏が一緒に行くことになりました。
5月24日、
仕事が終わってから市内某所に集合し一路芦別岳の登山口となる富良野市山部にある「太陽の里キャンプ場」を目指します。
札幌から2時間半ほどでキャンプ場に着きました。
あいにく降りだした雨の中でテントを立てて寝てしまいます。
この雨は天気予報では夜半で止むということです。
明日の天気は回復し曇りのち晴れです。
安心して雨音を聞きながら寝てしまいます。
5月25日、
4時に目を覚まし早速朝食(いつもの餅入りラーメン)を食べて登山準備をします。
テントを畳むと5時45分出発です。
空模様は曇りですがところどころ明るいところもある空です。
天気予報通り回復傾向にあるようです。
登山道はユーフレ川の左岸に沿って登ります。
何カ所かの高巻きがあり結構な時間が掛かります。
最初の難関に到着です。
三段の滝下を渡渉しなければなりません。
写真のように倒木が1本丸木橋のようにありますが、この木は沢水などで
濡れており滑りそうです。
結局、丸木橋の上部をエイ、ヤット気合いで飛んで渡ります。
この時期は、いつもこの渡渉で緊張させられます。
この渡渉を終えるともう少しでユーフレ小屋です。
7時30分、ユーフレ小屋に到着です。

最近は、このユーフレ小屋を使う人が少ないようです。
随分古い小屋ですので老朽化していることに加え窓が小さいので薄暗く
暗い印象の小屋のせいでしょうか。
ここで休憩を取ったのですが、小屋の回りを見ると昨年夜大分雪が少ないようです。
昨年は、この小屋の前にも雪がありました。
ちょっと嫌な感じがします。
小屋を立ち、いよいよ本谷の遡上が始まります。
案の定、沢が開きゴーゴーと水音がしており沢を埋める雪の姿が見えてきません。
ドンドンゴルジュに近づいていきます。
ゴルジュの手前で雪が姿を見せてきましたが、その前に渡渉をしなければなりません。
予想外のことですが、左岸から右岸への渡渉が必要です。

この渡渉も際どいところで1メートルほどの岩を飛んで何とか渡ることが出来ました。
さらに進みますが所々沢が口を開けて行く手を阻みます。

左岸の岩をへツリ何とか先へ進みます。
やっとゴルジュが見えてきました。

何ということでしょう。
ゴルジュの手前の雪が融けてぱっくりと口を開けています。
でも、よく見ると左岸を何とかへツリその先にある雪の上に出られそうです。
慎重に歩を進め何とかクリアします。

ゴルジュを抜けたところです。
でも、さらにその先に沢が口を開けているのです。

ここも左岸の岩を慎重にヘツリます。

ここから先はどうやら雪の上を歩けそうです。
8:20分、緊張続きでゴルジュを何とか越えて、ホット一息です。
ここでアイゼンを付けることにします。

ここ川は沢を埋めた雪の上を快調に登ります。

でも油断は禁物です。
左右の岩壁の上から落石があるかもしれません。
上と左右に気を配り耳を澄まし五感を働かせながら登ります。

こんな岩崩れが沢を埋めたり

雪崩れた雪が沢を埋めています。
時々上空の雲が切れると山頂部に続く稜線が顔を見せてくれます。

9:25分、三ツ股の直ぐ下まで登ってきました。
ここで休憩してじっくりと沢筋を確認します。
昨年はここでコースを間違えて右股へ入ってしまいました。

右股から雪庇が崩れたのか背丈以上ある大きなブロックがドーンと沢の上にあります。

こんな大きなブロックが崩れたのに遭遇してしまったら逃げようがありませんね。
今回はこの三ツ股から慎重にコースを選び本沢を詰めます。
しかし、この三ツ股からは一層斜度がきつくなり辛抱の登りが続きます。

山頂下でやっと雪とお別れです。
ここからは夏道が顔を出しています。
アイゼンを脱いで一息つきます。
私は、いつもミルクティーをテルモスに詰めて持っていくのですが、この一杯のミルクティーが力をくれます。
11:50分、山頂に到着です。
ここまで約6時間、みんな頑張りました。

左が今回初めて一緒に登ったK氏、右は本谷を初めて登ったO氏です。
今回の本谷はゴルジュが開いているという最悪の条件でしたが、3人が力を合わせて何とか山頂まで登ってくることが出来ました。
山頂は雲に覆われていましたが、時折雲が薄くなり辺りの景色を見せてくれます。

下山路となる雲峰山の姿です。
当初の計画では、本谷を遡上し本谷を下降するつもりでしたが、ゴルジュが開いていることもあり手軽で確実な新道を下ることにしました。
山頂下でゆっくり休んだにもかかわらず、離れがたい山頂で再度休憩を取り軽く昼食を食べます。
雲の切れ間から姿を見せる旧道の尾根などを見ながら至福の時間を楽しみます。
12:15分、 山頂を後にします。
途中の雲峰山で本谷から旧道の尾根が姿を見せたのでコースの確認をします。
(昨年登った右股をあらためて確認しましたが、なかなか凄いところを登っていました。)

夫婦岩に刻まれているXルンゼの姿もハッキリと確認できます。

後は半面山(13:15分)から鶯谷(14:00)へと退屈な下降が続きます。
鶯谷の辺りは昨年より雪が残っているように感じました。
そしてようやく新道の登山口です。
そこには登山口に不釣り合いな金網のゲートが作られていました。
15:30分、ゲートから出てやっと本日の登山の終了です。
しかし、このゲートは何のために作られたものなのでしょうか?
今回歩いたルートのログを地形図に落としました。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
芦別岳は北海道には珍しい岩稜を持っている山です。
旧道から見た山頂は槍が岳のように尖った岩峰です。
しかし、旧道は距離が長く登り返しも多いのでタフなコースです。
そのため、新道から登る人が圧倒的に多いのです。
私は、旧道からしか登ったことがありません。
圧倒的な迫力で迫る夫婦岩の岩肌は畏怖感を抱かせるものです。
ぜひ一度は歩いていただきたいコースです。
この時期の本谷は、残雪と枝沢からの雪崩などが沢を埋めているために最短距離で山頂へ行くことが出来ます。
ただし、ネックがありまして中流部に深いゴルジュがあります。
このゴルジュの雪が融け沢が顔を出していると高巻きに1時間以上を要するだけでなく高巻く個所が岩場ですので相応の危険もあります。
そんなわけで、この本谷を登るには枝沢からの雪崩が落ち着き尚かつゴルジュがタップリの雪で埋まっている5月のゴールデンウィーク明け辺りから中旬がベストとされています。
そういった意味では今回の25日という日程は少し遅いのですが、昨年は5月30日に同じコースを歩いており、ゴルジュの雪がまだまだタップリあったのに味をしめての計画となってます。
昨年もこの本谷を登ったのですが、三つ股からコースを外れ右股を登ってしまったため本谷を最後まで詰めるためといつも一緒に行くO氏がこの本谷を登ったことがないというので計画しました。
(昨年の本谷山行は、あらためてブログにアップしたいと思います。)
S氏は自宅の屋根と壁の塗装作業があり同行できません。
替わってO氏が所属している山の会の会員であるK氏が一緒に行くことになりました。
5月24日、
仕事が終わってから市内某所に集合し一路芦別岳の登山口となる富良野市山部にある「太陽の里キャンプ場」を目指します。
札幌から2時間半ほどでキャンプ場に着きました。
あいにく降りだした雨の中でテントを立てて寝てしまいます。
この雨は天気予報では夜半で止むということです。
明日の天気は回復し曇りのち晴れです。
安心して雨音を聞きながら寝てしまいます。
5月25日、
4時に目を覚まし早速朝食(いつもの餅入りラーメン)を食べて登山準備をします。
テントを畳むと5時45分出発です。
空模様は曇りですがところどころ明るいところもある空です。
天気予報通り回復傾向にあるようです。
登山道はユーフレ川の左岸に沿って登ります。
何カ所かの高巻きがあり結構な時間が掛かります。
最初の難関に到着です。
三段の滝下を渡渉しなければなりません。

写真のように倒木が1本丸木橋のようにありますが、この木は沢水などで
濡れており滑りそうです。
結局、丸木橋の上部をエイ、ヤット気合いで飛んで渡ります。
この時期は、いつもこの渡渉で緊張させられます。
この渡渉を終えるともう少しでユーフレ小屋です。
7時30分、ユーフレ小屋に到着です。

最近は、このユーフレ小屋を使う人が少ないようです。
随分古い小屋ですので老朽化していることに加え窓が小さいので薄暗く
暗い印象の小屋のせいでしょうか。
ここで休憩を取ったのですが、小屋の回りを見ると昨年夜大分雪が少ないようです。
昨年は、この小屋の前にも雪がありました。
ちょっと嫌な感じがします。
小屋を立ち、いよいよ本谷の遡上が始まります。
案の定、沢が開きゴーゴーと水音がしており沢を埋める雪の姿が見えてきません。
ドンドンゴルジュに近づいていきます。
ゴルジュの手前で雪が姿を見せてきましたが、その前に渡渉をしなければなりません。
予想外のことですが、左岸から右岸への渡渉が必要です。

この渡渉も際どいところで1メートルほどの岩を飛んで何とか渡ることが出来ました。
さらに進みますが所々沢が口を開けて行く手を阻みます。

左岸の岩をへツリ何とか先へ進みます。
やっとゴルジュが見えてきました。

何ということでしょう。
ゴルジュの手前の雪が融けてぱっくりと口を開けています。
でも、よく見ると左岸を何とかへツリその先にある雪の上に出られそうです。
慎重に歩を進め何とかクリアします。

ゴルジュを抜けたところです。
でも、さらにその先に沢が口を開けているのです。

ここも左岸の岩を慎重にヘツリます。

ここから先はどうやら雪の上を歩けそうです。
8:20分、緊張続きでゴルジュを何とか越えて、ホット一息です。
ここでアイゼンを付けることにします。

ここ川は沢を埋めた雪の上を快調に登ります。

でも油断は禁物です。
左右の岩壁の上から落石があるかもしれません。
上と左右に気を配り耳を澄まし五感を働かせながら登ります。

こんな岩崩れが沢を埋めたり

雪崩れた雪が沢を埋めています。
時々上空の雲が切れると山頂部に続く稜線が顔を見せてくれます。

9:25分、三ツ股の直ぐ下まで登ってきました。
ここで休憩してじっくりと沢筋を確認します。
昨年はここでコースを間違えて右股へ入ってしまいました。

右股から雪庇が崩れたのか背丈以上ある大きなブロックがドーンと沢の上にあります。

こんな大きなブロックが崩れたのに遭遇してしまったら逃げようがありませんね。
今回はこの三ツ股から慎重にコースを選び本沢を詰めます。
しかし、この三ツ股からは一層斜度がきつくなり辛抱の登りが続きます。

山頂下でやっと雪とお別れです。
ここからは夏道が顔を出しています。
アイゼンを脱いで一息つきます。
私は、いつもミルクティーをテルモスに詰めて持っていくのですが、この一杯のミルクティーが力をくれます。
11:50分、山頂に到着です。
ここまで約6時間、みんな頑張りました。

左が今回初めて一緒に登ったK氏、右は本谷を初めて登ったO氏です。
今回の本谷はゴルジュが開いているという最悪の条件でしたが、3人が力を合わせて何とか山頂まで登ってくることが出来ました。
山頂は雲に覆われていましたが、時折雲が薄くなり辺りの景色を見せてくれます。

下山路となる雲峰山の姿です。
当初の計画では、本谷を遡上し本谷を下降するつもりでしたが、ゴルジュが開いていることもあり手軽で確実な新道を下ることにしました。
山頂下でゆっくり休んだにもかかわらず、離れがたい山頂で再度休憩を取り軽く昼食を食べます。
雲の切れ間から姿を見せる旧道の尾根などを見ながら至福の時間を楽しみます。
12:15分、 山頂を後にします。
途中の雲峰山で本谷から旧道の尾根が姿を見せたのでコースの確認をします。
(昨年登った右股をあらためて確認しましたが、なかなか凄いところを登っていました。)

夫婦岩に刻まれているXルンゼの姿もハッキリと確認できます。

後は半面山(13:15分)から鶯谷(14:00)へと退屈な下降が続きます。
鶯谷の辺りは昨年より雪が残っているように感じました。
そしてようやく新道の登山口です。
そこには登山口に不釣り合いな金網のゲートが作られていました。
15:30分、ゲートから出てやっと本日の登山の終了です。
しかし、このゲートは何のために作られたものなのでしょうか?
今回歩いたルートのログを地形図に落としました。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
芦別岳は北海道には珍しい岩稜を持っている山です。
旧道から見た山頂は槍が岳のように尖った岩峰です。
しかし、旧道は距離が長く登り返しも多いのでタフなコースです。
そのため、新道から登る人が圧倒的に多いのです。
私は、旧道からしか登ったことがありません。
圧倒的な迫力で迫る夫婦岩の岩肌は畏怖感を抱かせるものです。
ぜひ一度は歩いていただきたいコースです。