井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

藪漕ぎに耐えて繋いだ神威岳からソエマツ岳・その2

2014-06-05 20:35:53 | 日高山系の山
 昨夜は風が強かったのですが、このテン場は風の影響を受けず最高でした。
遠くでゴーッと風が唸りをあげているのですが、その唸りが近くへ来ると消えていくのです。
気温も高いので寒くはありません。
そんなことで最高の睡眠が得られるはずなのですが・・・
最近、山に来てもなぜが熟睡できないのです。
まあ、寝不足かもしれませんが、身体は横になっているだけで疲れが取れるといいます。
夜の8時には横になっているので朝4時起きでも8時間は寝ていることになります。

   
    朝日は、靴幅山の右手から上がりました。

5月29日(木曜日)

 5:30分、いよいよソエマツ岳に向かって出発します。
まずは、靴幅山へ向かいます。
靴幅山というのは、地図上でいうと1,468mのコブ山を指します。
なぜ靴幅山などいう名前が付いているかというと靴幅しかないナイフリッジがあることから付けられたようです。
そのナイフリッジに向かって進みます。

 20分ほど進むとそのナイフリッジが目の前に見えてきました。
なるほど、右側がスパッと切れ落ちた岩肌です。
左側には白樺などが生えているとはいえこちらも切れ落ちた急斜面なのです。
リッジの上は幅が約1mほどありますが、そのリッジにはハイ松が生えており、その枝に掴まりながら歩きます。
   
   このリッジを残雪期に歩くのはどんな気分でしょうか?

 冷や汗をかきながらリッジをわたり終えると一息で靴幅山の山頂でした。
6:00分、テントサイトから30分で靴幅山に到着です。
この山頂部には2人用テントなら1張り張れるくらいの広さがありました。

   
   ソエマツ岳が一層近くなってきました。
   写真右側の横に伸びた残雪をテン場にしました。

 ここからは急な降りとなります。
幸いなことにハイ松の横は草原となっており鹿道があります。
その鹿道を利用してドンドン降ります。

 そしてコルからは残雪のある稜線目指して登ります。
この登りも鹿道があるところはそれを利用して登ります。
しかし、鹿道が尾根の天頂部を外れるようなら藪漕ぎをしてでも天頂部を外さないようにします。
そうしてがんばり続け、1,380mの残雪のある稜線に着きました。
 
 7:15分、テン場に到着です。
   
   この残雪は雪庇が残ったものです。
横幅も十分にあります。
ここをテン場として、テントに寝袋など必要のない荷物をデポします。
しかし、万が一のため食料やガスコンロにツェルトトなどを持ってビバークに備えます。

 幾分軽くなったザックを背負って1,550mの肩を目指して登ります。
この登りがきつかったです。
藪を漕ぎ、1歩、1歩、笹を掴み、ハイ松を漕いで登ります。

 9:20分、やっと肩に到着です。
   
   この肩にはいいテン場がありました。
ここまで来て、やっと、ソエマツ岳の本峰を目にすることが出来ました。
写真の左が本峰です。

 今日は気温が高いためシャツ1枚になって登っています。
おまけに強い日差しを受けているので汗だくです。
水の消費も進みます。

 ここからは、西峰に向かってハイ松の中を歩かなければなりません。
   
   ハイ松の丈も幾分低くなってきたので強引に歩きます。

 やっと西峰にたどり着くと、また降らなければなりません。
しかし、その先にはソエマツ岳の本峰が間近に見えています。
見たところ1時間は掛かるかなと思いましたが、距離にすると300mあるかないかです。
すでに、Sz氏が降っているので後を追いかけます。

 10:25分、ソエマツ岳の本峰に到着です。
西峰から20分と思ったほど時間は掛かりませんでした。

 さて、これで今回の目標だった神威岳からソエマツ岳の稜線歩きを達成したことになります。
これで、南日高は十勝岳から神威岳までの稜線を繋いだことになります。
遙か彼方にはピリカヌプリが見えています。
昨年、この目の下の稜線からピリカヌプリまで歩きましたが、その時はガスに覆われ見ることが出来ませんでした。
その稜線を今日ははっきりと見ることが出来ます。
   
   この稜線を歩き、ピリカヌプリの山頂の少し右側から沢を降りました。

 ここで30分ほど休憩を取ります。
私はハイ松の陰に入って身体を冷やします。
今日の気温だと熱中症の恐れがあるからです。
10分ほど目を瞑って寝ていると息が落ち着いてきます。

 11:00分、さあ、テン場に向かって帰ることにします。
   

     
   西峰に向かって降ります。

 ハイ松の稜線下りですが、断然、登りよりは楽です。

13:25分、テン場に戻ってきました。
   
   今日の宿も無事に決まって、ホッと一息です。

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