井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

南日高・神威岳からペテガリ岳を歩く・その2

2015-06-05 19:26:25 | 日高山系の山
 ニシュオマナイ山の山頂にあるテントサイトは快適でした。
西風が完全にブロックされているため谷から吹き上がる風が吹いてもテントはソヨともしないのです。
こんなことでゆっくり休むこととが出来ました。

 朝3時半頃になると小鳥が鳴き出します。
その声を聞きながら4時まで寝袋の中でウトウトしています。
私は、この時間が一番好きです。


   5月25日

 4時起床、さあ、ここから新しい1日が始まります。
テキパキと朝食を済ませてパッキングの準備をします。
今日も良い天気ですので外でパッキングをします。
   
   快適なテントサイトでした。 

 5;30分、まずはニシュオマナイ山の山頂めざして笹藪を登ります。
直ぐ雪の上に出ます。
ここからは、この先歩く中ノ岳までの稜線が一望できます。
稜線を見てがっかりしました。
稜線近くを歩けそうな残雪が見あたらないのです。
おまけに昨日のように細い稜線が続いています。
   
   右手前のピークが中ノ岳で、その奥のピークがペテガリ岳です。
   中央のコブが1,839m峰です。

 ニシュオマナイ山の山頂から急な降りが続きます。
残雪がありますが、この時間の雪は表面が堅くなっておりキックステップしても跳ね返されてしまいます。
横にある木の枝に掴まりながら慎重に降ります。
   
   それでも、雪の上を歩くのは藪を歩くより速いです。

 やがて、稜線が一気に細くなってきます。
   
   緊張はするものの昨日も同じ様な稜線を歩いていますので恐怖心は薄らいできました。

   
   昨日と同じように狭いところでは50cmほどしかない稜線の上を歩きます。
左側は切り立った崖です。
落ちる訳にはいきません。

 細い稜線に神経を使い、ちょっと広くなった場所は鹿道を利用します。
この辺りのコツはいかに鹿道を見つけて利用するかで歩くスピードが変わってきます。
   
   細い稜線ももう少しで終わります。
目の先に草付きの斜面が見えています。
そこまで歩けば少しは楽に歩けると思い頑張ります。

   
   やっと細い流線を歩き終えました。
後ろに見えるコブ山も稜線通しにあるいて来ました。
路のない稜線ですが、歩けば歩けるものです。
人間の能力も捨てたものではありません。

   
   振り返ればニシュオマナイ山からその奥に神威岳が見えています。
累々と重なる山並み、このすべてを歩いてきたのです。
見ているとウルウルしてきます。

 しかし、中ノ岳の山頂はまだ先なのです。
気持ちを入れ替えて草付きの斜面を登ります。
やっとコブ山に到着しました。
ここから中ノ岳の山頂まではハイ松が覆い被さってます。
慎重にルートを選んでいくと、何と、ハイ松の中に踏分路が付いてるではありませんか。
これはラッキーでした。

 10:00分、中ノ岳に着きました。
   
   この山頂には立派な標識がありました。
しかし、この山頂に立てる者がいったい何人いるでしょうか。
南日高でも最奥部の山で登山道はありません。
この山に登る最短のルートは沢から登ることですが、その沢も険悪な沢が多いのです。
この山頂に立てたのは本当に幸運なことだと思います。

    
   目の前にはペテガリ岳がドーンと大きな山容を見せてくれます。
この山頂にたどり着けば夏道があるのです。

 さあ、ここから先の稜線を見ると十勝側に雪が残っている所があります。
少しは楽が出来そうです。
20分ほど休んで稜線へ踏み出します。
しかし、ここの降りもしびれるほど急な斜面なのです。

 その斜面もゆっくり、1歩、1歩づつと心に言い聞かせながら降ります。
またしても細い稜線を歩きますが、十勝側にある残雪が少し楽をさせてくれます。
   
   この残雪はとても助かりました。
藪漕ぎの3倍は歩けると思います。
でも、雪の反射もあり気温が一気に上がります。

 1,469mのコブ山を目指して登っていましたが、とうとう力が尽きました。
残雪の中にいい場所があったので今日は雪の上をテントサイトにします。
1,469mのコブ山から200mほど南の尾根上でしょうか。
目の前には中の岳と歩いてきた稜線が目の前に見える絶好のポイントでした。

 14:30分、ザックを下ろして雪を削ります。
   

 まだまだ早い時間なのですが、毎日8時間は歩いています。
早めに行動を終えるのは疲れを翌日に残さない方法として最適だと思います。

 この際奥部の稜線でも携帯の電波は飛んでいました。
緊急用に携帯は必携ですね。






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