大寒を過ぎましたが、寒い毎日です。東の方では雪がかなり降っています。神戸では雪はほとんど降らないのですが、たまに降って積もると、その対処の仕方が整っていません。昨日も夜に急に雪が降り出しました。もし積もってしまったら、ノーマルタイヤの車ですので、出勤が困ります。そんなときは電車で行けばいいのですが、そうすると1時間半ほど。まあ知れてますが、それなりに億劫です。と、まあその程度の悩みですので、大したことはないのであります(笑)。
というわけで、今回はブルックナー。一昨年、ロリン・マゼール指揮のバイエルン放送交響楽団の演奏で交響曲全集が、急に発売されました。考え見れば、ブルックナーの全集は、マーラーに比べると、あまりないのであります。ヨッフム、カラヤン、バレンボイム、スクロヴァチェフスキ、インバル、ヴァント、ショルティ、ハイティンク、テイントナー、そして朝比奈さん、とめぼしいところはそれくらいでしょうか。マーラーと異なり、独墺圏以外ではそれほど演奏されない、ということを聴きますので、まあそんなものなのかも知れません。ということと、11枚組で3500円ほどで買えましたので、まあ買っちゃえ!ということで…。
この全集の中から、交響曲第9番ニ短調であります。1999年1~3月のミュンヘンのフィルハーモニーでの録音。以前にバイエルン放送響自主制作の限定盤として出されたもの。マゼールのブルックナーといえば、1988~89年にBPOと録音した7番と8番がありました。先頃タワーさんから再発売されました。特に7番は評価が高い演奏でありました。ちょうどBPOのカラヤン亡き後の音楽監督をめぐって一悶着あったことですね。それから10年後、バイエルン放響との録音ということでこれもこの演奏の魅力ですねえ。ちょうど、マゼールは、1993年から2003年まで首席指揮者を勤めたときのものです。ライフ録音。
さて、この9番の演奏ですが、まずその遅さに驚きます。全曲で70:40。例えばアーノンクールで59分、朝比奈さんで約63分、ヴァントで62分、比較的遅いジュリーニでも68分。とまあかなり遅いのです。全体的に遅いのですが、特に第1楽章、約31分かかっています。他の2楽章はそれほどでもないので、第1楽章のみが異様に遅いのであります。マゼールさん、こんな風にたまにこんな演奏をしはりますねえ。ほんとにびっくり。ときたま音楽が止まるかのような遅さ。でも遅いのは嫌いではありません。早いのよりは絶対いいです。ライブということで、多少のキズ、オケの外れた音などあります。しかし、バイエルン放響の演奏は明快な管や弦がいたるところで聞こえ、このオケの実力が知られます。このオケだからこそ、異様な遅さも表現できる、と思います。そして、マゼールの指揮ですが、輪郭が大きく、その中で、緻密さと安定感を兼ね備えています。音の幅は広いし、素直な音色でのブルックナーです。ということは、無色透明でスケールが大きく、明るいのであります。
第1楽章、さすがに31分とは長いです。もう少し暗さが、とも思う。しかし、ゆったりをした流れが、曲の構造を明確に示してくれています。といってもさすがにゆっくり。明るく希望に満ちたようなブルックナー。第2楽章、ここでは他の演奏とそれほど時間が変わらない。ライブ独特の強力な演演奏となっています。オケに多少の粗さを感じますが、中間部はなだらかな美しさを感じます。弦が明るく木管もチャーミングです。そして、第3楽章、深い表情の楽章であるが、あまり重さを感じません。曲の造りは非常にしっかりしており、聴いていくとこの世界にしっかり止まっています。テンポは動き、それも効果的。そして、ブルックナーの美しさはよく表現されていますよねえ。こんなブルックナーも興味深いです。
この全集、買ってすぐにH○Vでは、「限定盤完売」となり、入手できなくなったみたいです。早く買っていて良かった、ということで…。
(BR KLASSIK 900711 2010年 輸入盤)
というわけで、今回はブルックナー。一昨年、ロリン・マゼール指揮のバイエルン放送交響楽団の演奏で交響曲全集が、急に発売されました。考え見れば、ブルックナーの全集は、マーラーに比べると、あまりないのであります。ヨッフム、カラヤン、バレンボイム、スクロヴァチェフスキ、インバル、ヴァント、ショルティ、ハイティンク、テイントナー、そして朝比奈さん、とめぼしいところはそれくらいでしょうか。マーラーと異なり、独墺圏以外ではそれほど演奏されない、ということを聴きますので、まあそんなものなのかも知れません。ということと、11枚組で3500円ほどで買えましたので、まあ買っちゃえ!ということで…。
この全集の中から、交響曲第9番ニ短調であります。1999年1~3月のミュンヘンのフィルハーモニーでの録音。以前にバイエルン放送響自主制作の限定盤として出されたもの。マゼールのブルックナーといえば、1988~89年にBPOと録音した7番と8番がありました。先頃タワーさんから再発売されました。特に7番は評価が高い演奏でありました。ちょうどBPOのカラヤン亡き後の音楽監督をめぐって一悶着あったことですね。それから10年後、バイエルン放響との録音ということでこれもこの演奏の魅力ですねえ。ちょうど、マゼールは、1993年から2003年まで首席指揮者を勤めたときのものです。ライフ録音。
さて、この9番の演奏ですが、まずその遅さに驚きます。全曲で70:40。例えばアーノンクールで59分、朝比奈さんで約63分、ヴァントで62分、比較的遅いジュリーニでも68分。とまあかなり遅いのです。全体的に遅いのですが、特に第1楽章、約31分かかっています。他の2楽章はそれほどでもないので、第1楽章のみが異様に遅いのであります。マゼールさん、こんな風にたまにこんな演奏をしはりますねえ。ほんとにびっくり。ときたま音楽が止まるかのような遅さ。でも遅いのは嫌いではありません。早いのよりは絶対いいです。ライブということで、多少のキズ、オケの外れた音などあります。しかし、バイエルン放響の演奏は明快な管や弦がいたるところで聞こえ、このオケの実力が知られます。このオケだからこそ、異様な遅さも表現できる、と思います。そして、マゼールの指揮ですが、輪郭が大きく、その中で、緻密さと安定感を兼ね備えています。音の幅は広いし、素直な音色でのブルックナーです。ということは、無色透明でスケールが大きく、明るいのであります。
第1楽章、さすがに31分とは長いです。もう少し暗さが、とも思う。しかし、ゆったりをした流れが、曲の構造を明確に示してくれています。といってもさすがにゆっくり。明るく希望に満ちたようなブルックナー。第2楽章、ここでは他の演奏とそれほど時間が変わらない。ライブ独特の強力な演演奏となっています。オケに多少の粗さを感じますが、中間部はなだらかな美しさを感じます。弦が明るく木管もチャーミングです。そして、第3楽章、深い表情の楽章であるが、あまり重さを感じません。曲の造りは非常にしっかりしており、聴いていくとこの世界にしっかり止まっています。テンポは動き、それも効果的。そして、ブルックナーの美しさはよく表現されていますよねえ。こんなブルックナーも興味深いです。
この全集、買ってすぐにH○Vでは、「限定盤完売」となり、入手できなくなったみたいです。早く買っていて良かった、ということで…。
(BR KLASSIK 900711 2010年 輸入盤)
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