例年にない早い梅雨明けでした。雨が降る降らないよりも、真夏の到来が梅雨明けの尺度になったのも、少々ビックリ。また、関西では関東ほどの猛暑ではないと思うのに、連日の猛暑報道には多少戸惑いますねえ。しかし、平年よりもかなり早い梅雨明けによって、毎年のような豪雨災害はないと油断したところに、これまで経験したことのないような豪雨となれば、早すぎた梅雨明けが被害を大きくした、なんてことがないように祈るばかりですねえ。
それはそれとして、今回はリッカルド・ムーティのモーツァルトです。アバドやハイティンク、アーノンクール、レヴァィンなどが逝去され、今や、ムーティはバレンボイム、メータなどと並ぶ指揮者界の長老であり、巨匠ですね。1941年のお生まれで今年80才になられる。1970年前後の気鋭の指揮者も傘寿前後になられるという、まあ時のたつのはなんとも速いものでありますねえ。昨年も、ムーティはVPOと来日され、姫路でも演奏されました。まだまだ活躍してほしいですね。
ムーティのモーツァルトの演奏、もちろんオペラもありますが、今回は交響曲。ムーティは、1990年代に、29,33,34,35,36,38,39,40,41番をVPOと録音しています(他にもあったらごめんなさい)。ムーティは、VPOと非常に相性がいいと言われていますし、この組合せでモーツァルトの交響曲の演奏は貴重ですねえ。ベーム、レヴァインに続く、VPOによるモーツァルトであります。そのモーツァルト交響曲の演奏から、第40番ト短調K.550であります。1991年10月ウィーンのムジークフェラインンでの録音。
ムーティの演奏を聴きながら、ふと思ったんですが、今やモーツァルトの演奏も古楽器によるものが主流です。その中でモダン楽器によるまとまったものとしては、20世紀最後のものであり、もっと言うなら、この演奏以降モダン楽器による演奏って、それほどないのではないか。もっと大袈裟に言うならこのムーティの後期交響曲セットは、モダン楽器最後の録音だったりして…。まあ、それほどこのムーティによる演奏は、注目すべきものでありますね。
とは言うものの、このムーティの演奏は、やはりイタリアのカンタービレなんでしょうか、非常に旋律がくっきりと、またしっかり歌われ、その点では至極わかりやすいのであります。そして、おそらくは小編成であろうVPOから、惚れ惚れするような美音を引き出しての演奏の見事さです。ムーティとVPOってほんとに相性がいいんですねえ。ベームやレヴァインとはまったく異なったVPOの明るく明快、そしてそれぞれの楽器に美音がとてもいい。古楽器の演奏ではあまり耳にしないであろう豪快かつドライブの効いた合奏。弱音から強音まで、実に一片の曇りもないところもこれも心地よいこと限りなしです。VPOの力量が遺憾なく発揮されております。
第1楽章、聴き慣れたテーマが実に豪華絢爛に歌われます。曲が進む中、細微に至るまで明瞭かつ堂々とした迫力と力強さも加わり、聴く方を圧倒するようなモーツァルトであります。それでいてこの曲の美しい旋律もくっきりと聴かせてくれます。第2楽章、ここでのVPOの各楽器の巧さや美しさは、実に見事ですねえ。ただし寂寥感などとは無縁。それでもムーティのダイナミックな表現と多様な表情には、ほぼ不満なく耳を奪われますね。第三楽章メヌエット。舞曲というより堂々とした行進曲風。中間部の美しさも加えて威厳に満ち満ちた力強い演奏はたのどんな演奏よりも好感が持てそう。そして終楽章。前楽章に続き、たいそう豪快であり、また威厳すら感じられる演奏。ここでも、VPOは実に美しい。また丁寧な演奏には感服いたしますよねえ。全体的に、前への推進力と豪快さが心地よいモーツァルトでありました。
先週の木・金・土と神戸もかなり暑くなりました。今日は天気も悪く、涼しい一日。月曜からは台風4号が列島横断しそうな気配。怖いのは豪雨でしょうね。深刻な被害はでないことを願いつつ、であります。
(DECCA 4805737 2012年 輸入盤)
それはそれとして、今回はリッカルド・ムーティのモーツァルトです。アバドやハイティンク、アーノンクール、レヴァィンなどが逝去され、今や、ムーティはバレンボイム、メータなどと並ぶ指揮者界の長老であり、巨匠ですね。1941年のお生まれで今年80才になられる。1970年前後の気鋭の指揮者も傘寿前後になられるという、まあ時のたつのはなんとも速いものでありますねえ。昨年も、ムーティはVPOと来日され、姫路でも演奏されました。まだまだ活躍してほしいですね。
ムーティのモーツァルトの演奏、もちろんオペラもありますが、今回は交響曲。ムーティは、1990年代に、29,33,34,35,36,38,39,40,41番をVPOと録音しています(他にもあったらごめんなさい)。ムーティは、VPOと非常に相性がいいと言われていますし、この組合せでモーツァルトの交響曲の演奏は貴重ですねえ。ベーム、レヴァインに続く、VPOによるモーツァルトであります。そのモーツァルト交響曲の演奏から、第40番ト短調K.550であります。1991年10月ウィーンのムジークフェラインンでの録音。
ムーティの演奏を聴きながら、ふと思ったんですが、今やモーツァルトの演奏も古楽器によるものが主流です。その中でモダン楽器によるまとまったものとしては、20世紀最後のものであり、もっと言うなら、この演奏以降モダン楽器による演奏って、それほどないのではないか。もっと大袈裟に言うならこのムーティの後期交響曲セットは、モダン楽器最後の録音だったりして…。まあ、それほどこのムーティによる演奏は、注目すべきものでありますね。
とは言うものの、このムーティの演奏は、やはりイタリアのカンタービレなんでしょうか、非常に旋律がくっきりと、またしっかり歌われ、その点では至極わかりやすいのであります。そして、おそらくは小編成であろうVPOから、惚れ惚れするような美音を引き出しての演奏の見事さです。ムーティとVPOってほんとに相性がいいんですねえ。ベームやレヴァインとはまったく異なったVPOの明るく明快、そしてそれぞれの楽器に美音がとてもいい。古楽器の演奏ではあまり耳にしないであろう豪快かつドライブの効いた合奏。弱音から強音まで、実に一片の曇りもないところもこれも心地よいこと限りなしです。VPOの力量が遺憾なく発揮されております。
第1楽章、聴き慣れたテーマが実に豪華絢爛に歌われます。曲が進む中、細微に至るまで明瞭かつ堂々とした迫力と力強さも加わり、聴く方を圧倒するようなモーツァルトであります。それでいてこの曲の美しい旋律もくっきりと聴かせてくれます。第2楽章、ここでのVPOの各楽器の巧さや美しさは、実に見事ですねえ。ただし寂寥感などとは無縁。それでもムーティのダイナミックな表現と多様な表情には、ほぼ不満なく耳を奪われますね。第三楽章メヌエット。舞曲というより堂々とした行進曲風。中間部の美しさも加えて威厳に満ち満ちた力強い演奏はたのどんな演奏よりも好感が持てそう。そして終楽章。前楽章に続き、たいそう豪快であり、また威厳すら感じられる演奏。ここでも、VPOは実に美しい。また丁寧な演奏には感服いたしますよねえ。全体的に、前への推進力と豪快さが心地よいモーツァルトでありました。
先週の木・金・土と神戸もかなり暑くなりました。今日は天気も悪く、涼しい一日。月曜からは台風4号が列島横断しそうな気配。怖いのは豪雨でしょうね。深刻な被害はでないことを願いつつ、であります。
(DECCA 4805737 2012年 輸入盤)
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