こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

聖フローリアンのブルックナー

2006年12月15日 23時35分45秒 | ブルックナー
ブルックナーの7番。朝比奈隆さんは「ブルックナーの最も優美な言葉」と言われてますが、ブルックナーの傑作でしょうね。この曲、いろんなCDが出てますが、やはりベストは、1975年10月12日オーストリア・リンツの聖フローリアン寺院マリモアザールでの朝比奈隆指揮大阪フィルのライブ録音でしょうか。
私は、これまで朝比奈さんと大フィルの演奏会に3度行ったことがあります。元来が出不精なもので、演奏会もあまり足を運ばないのですが、大阪フェスに行きました。マーラーの交響曲3番と6番、それにブルックナーの9番が演奏品目でした。その感想とてはあまりいい印象を持ってません。大フィルの粗が目立ち、また特にマーラーの2曲はそれなりに楽しめたのですが、その演奏会以降は、なぜかほとんどその曲を聴かなくなってしまったという思い出があります。特に3番はほんとに聴いてないですね。なんででしょうか。そんなわけで、それほど朝比奈さんの演奏はCDでは持ってません。有名なブルックナーの演奏も、2枚ほどしか持っていません。これから買おうかとも思いますが。
大フィルの演奏は、どうしても粗いところを聴いてしまうのですが、この聖フローリアン教会のライブは、教会特有の残響のお陰で、それほど目立たなくなっています。そして、その残響が遅めのテンポの演奏を、ほどよい芳醇なブレンド仕立てにしているのですね。それがこの演奏の絵にも言えない陶酔感や高揚感を生み出しているんですよ。それは時には荘厳な空間を築き上げています。第二楽章はワーグナーの死を意識して書いたと言われてますが、ヒトラーが自殺したとき、ラジオ放送でも流されたそうです。荘厳で深遠な曲ですね。ゆっくめにずんずん進んでいき、終わりがくるのを拒みたくなるような世界が描かれています。第二楽章が終わって、鐘楼からの鐘の音が聞こえてくるといいますが、それほど大きくないので、聞き逃してしまうんですね。それが終わって、第三楽章が始まります。後半の二楽章は、前半に比べて、印象が薄いといわれますが、どうしてどうして。この演奏ではしっかり聴かせてくれます。ここでもゆったりめにのびのびとした旋律がうたわれ、高揚感を持って終わった第二楽章に続く心地よい音楽が展開されます。そして第四楽章も金管が精一杯、安定した音を響かせ、幸福な気持ちあふれて、最後の大団円が築かれていきます。終わった後、もう一度聴きたくります。そんな演奏になってますね。いいCDでした。

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