先日、友人のお宅にご自慢のオーディオを聴かせてもらいにお邪魔しました。スピーカーは、B&Wの800Diamondで2本で300万円ほど。アンプもふたつあってそれぞれのスピーカーを鳴らしている。CDプレーヤーはアキュフェーズで、接続についてもDAコンバーターをどうのこうのと、まあよくわかりませんでしたが、窓や壁も防音になっており、もうガンガンに鳴り響きます。いやー、もう凄いのなんのって、この装置に比べると、私のはおもちゃのようですねえ。実にすごいです。
それでいろいろ日頃聴いているCDを持参しました。主にSACDですが、やはり最近の録音が一番よく、昔のアナログ録音のものはやはり情報量が少ないな、と。シングルレイヤーとバイブリッドの差もはっきりわかります。またレコードもいい音がして、これがいいという人もいるだろうな、と。まあ、至極当たり前のことを思ったのですが、これらの感想はうちの装置でもわかるんですが、それが歴然とこれほど明確になるだろうか、と確信できるくらいの音の違いを感じたのですね。ほんとにスゴい。
それで持参した一つが、最近発売されたブルーノ・ワルターの全ステレオ録音SACDハイブリッド・エディションのモーツアルトの交響曲です。これは家で聴くと、音がめちゃくちゃ改善されたなあ、と喜んでいました。それを聴かせてもらうと、非常にいい音なんですが、やはり昔の録音だなあ、と痛感される音で、その差はこれまた歴然でありました。なんだか残念な気分になったのでありました。
ということで、今回はワルターのモーツアルト。このハイブリッドは5枚組で13200円。ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナー、マーラーなども欲しいのですが、けっこう高価です。ワルターの演奏は、最近いわゆる板起こし盤でよく聴くのですが、これらは音がけっこう改善されているのです。でも、やはりこのSACDにはかなわない。もう板起こし盤は不要か、とも思ってしまいます。このセットの中から、モーツアルトの交響曲第38番二長調K.504『プラハ』であります。1959年2月2日の録音。オケはもちろんコロンビア響であります。
やはりSACDになって、音が明瞭になり、いままで聴けなかった音も聴けるようになりました。音が非常にみずみずしく生気に満ち、音楽に勢いがあるのです。これによって、大袈裟に言うなら、演奏の印象もずいぶん変わったと感じます。やはり音質改善はすごいですねえ。コロンビア響の非力なところも、かえって明確になるとも思いましたが、確かに、録音の古さも加わり、気になるところもあります。しかし、クリアになった音で新たに感じるところの方が多いと思います。低音の解像度が増したことも、全体の印象には大きいのでしょうねえ。
第1楽章。序奏の冒頭から細部まで明瞭でクリアな音で迫力満点。主部に入ると表情が一変し、明るく歌い上げる。それから表情の変化とその多彩さは、この音質改善にとってより明確になったようです。しかし、変幻自在の演奏は、聴いていて実に楽しいし、これぞワルターの凄さなんだろうと実感しますねえ。ただ、少し弦が荒く聞こえるところもあるんですかねえ。第2楽章。それぞれの楽器の響きが明瞭なので、音楽が非常に立体的になりました。それで、ややもすれば単調になる緩徐楽章にもいろんな発見を感じながら聴くことがでしるのでした。ワルターは、この楽章でも滋味あふれる演奏を聴かせてくれます。とは言え、少々オケに潤いが欲しいなとも感じますが、でもワルターがそれをうまく補っていますねえ。そして、第3楽章。いつも思うのは、メヌエットがないのが寂しいこと。しかし、ワルターは快活なテンポと強弱のバランス、実に見事な演奏で、一気に駆け抜けていく。この楽章でも解像度が増して、それがこの短い楽章ですが、より充実したものにしてくれています。
このSACD、全部で5セットで29枚。思ったのは、ワルターがコロンビア響とのステレオ録音って、もっとあったような…。でもこんなもんなんですね。それと、オリジナルジャケットを重視するのはいいのですが、35.36.38番のCDには36.39番、39.40.41番のCDには38.40番のジャケットがそれぞれ使われています。ジャケットと内容が異なるのは実にややこしい感じがしますねえ。少々高価ですが、他のセットも欲しいな、と思いました。
(SONY SICC 10279-84 2019年)
それでいろいろ日頃聴いているCDを持参しました。主にSACDですが、やはり最近の録音が一番よく、昔のアナログ録音のものはやはり情報量が少ないな、と。シングルレイヤーとバイブリッドの差もはっきりわかります。またレコードもいい音がして、これがいいという人もいるだろうな、と。まあ、至極当たり前のことを思ったのですが、これらの感想はうちの装置でもわかるんですが、それが歴然とこれほど明確になるだろうか、と確信できるくらいの音の違いを感じたのですね。ほんとにスゴい。
それで持参した一つが、最近発売されたブルーノ・ワルターの全ステレオ録音SACDハイブリッド・エディションのモーツアルトの交響曲です。これは家で聴くと、音がめちゃくちゃ改善されたなあ、と喜んでいました。それを聴かせてもらうと、非常にいい音なんですが、やはり昔の録音だなあ、と痛感される音で、その差はこれまた歴然でありました。なんだか残念な気分になったのでありました。
ということで、今回はワルターのモーツアルト。このハイブリッドは5枚組で13200円。ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナー、マーラーなども欲しいのですが、けっこう高価です。ワルターの演奏は、最近いわゆる板起こし盤でよく聴くのですが、これらは音がけっこう改善されているのです。でも、やはりこのSACDにはかなわない。もう板起こし盤は不要か、とも思ってしまいます。このセットの中から、モーツアルトの交響曲第38番二長調K.504『プラハ』であります。1959年2月2日の録音。オケはもちろんコロンビア響であります。
やはりSACDになって、音が明瞭になり、いままで聴けなかった音も聴けるようになりました。音が非常にみずみずしく生気に満ち、音楽に勢いがあるのです。これによって、大袈裟に言うなら、演奏の印象もずいぶん変わったと感じます。やはり音質改善はすごいですねえ。コロンビア響の非力なところも、かえって明確になるとも思いましたが、確かに、録音の古さも加わり、気になるところもあります。しかし、クリアになった音で新たに感じるところの方が多いと思います。低音の解像度が増したことも、全体の印象には大きいのでしょうねえ。
第1楽章。序奏の冒頭から細部まで明瞭でクリアな音で迫力満点。主部に入ると表情が一変し、明るく歌い上げる。それから表情の変化とその多彩さは、この音質改善にとってより明確になったようです。しかし、変幻自在の演奏は、聴いていて実に楽しいし、これぞワルターの凄さなんだろうと実感しますねえ。ただ、少し弦が荒く聞こえるところもあるんですかねえ。第2楽章。それぞれの楽器の響きが明瞭なので、音楽が非常に立体的になりました。それで、ややもすれば単調になる緩徐楽章にもいろんな発見を感じながら聴くことがでしるのでした。ワルターは、この楽章でも滋味あふれる演奏を聴かせてくれます。とは言え、少々オケに潤いが欲しいなとも感じますが、でもワルターがそれをうまく補っていますねえ。そして、第3楽章。いつも思うのは、メヌエットがないのが寂しいこと。しかし、ワルターは快活なテンポと強弱のバランス、実に見事な演奏で、一気に駆け抜けていく。この楽章でも解像度が増して、それがこの短い楽章ですが、より充実したものにしてくれています。
このSACD、全部で5セットで29枚。思ったのは、ワルターがコロンビア響とのステレオ録音って、もっとあったような…。でもこんなもんなんですね。それと、オリジナルジャケットを重視するのはいいのですが、35.36.38番のCDには36.39番、39.40.41番のCDには38.40番のジャケットがそれぞれ使われています。ジャケットと内容が異なるのは実にややこしい感じがしますねえ。少々高価ですが、他のセットも欲しいな、と思いました。
(SONY SICC 10279-84 2019年)
さて、ワルターの「プラハ」ですが、昨日、私も、CDを聴いてみました。熱心なワルターフアンではありませんが、モーツァルトの、後期交響曲は、所有しています。この曲、メヌエット楽章がありませんが、第2楽章が、6/8拍子で、アダージョとメヌエットが、合体したような楽章になっており、全体として、全く、不足感は、ありません。後期の曲の中でも、好きな交響曲です。ワルターの演奏ですが、オーケストラの響きが、やや薄い感はありますが、さすがワルター、きちんと、コントロールしていますね。この演奏を聴くと、フルトヴェングラーが、もう少し長生きをしてくれれば、ステレオ録音を、残せたのになあと、思ってしまいます。
ところで、友人のところで、凄い音響を、聴かせてもらったようですね。私も、たまに、友人のところで、超弩級装置の音を聞いたことがありますが、音響を聴くことはあっても、音楽を聴いたことは、ありません。やはり、自分の装置で聴かなければ、本当の音楽の良さは、味わえないと、思いました。SACDでもCDでも、ある程度以上、ヴォリュームを上げると、良い音に聞こえます。大きな音で、聴きたいですね。
やはり、ご指摘のとおり自分の装置が一番ですかねえ。大きな音で聴きたいですが、なかなか住宅事情kら無理となれば、いいヘッドホンというなんだか寂しい発想になりそうです。ど迫力のスゴイ音も疲れることもあります。でも、過日の友人の装置はすごかったですねえ。
ワルターの演奏、いつも思うのはオケのことですかねえ。うーん、音が良くなればなるほど気になるのも事実であります。プラハは、フルトヴェングラーの演奏、聴いてみたいですね。39番と40番が聴けるのみですが、41番もあわせて聴けたらと思います。またご教示ください。
中でも一番楽しんで聞いているのは、4枚目のアイネクライネと歌劇序曲集です。この音で全曲を聞きたい!なんて無い物ねだりしてしまいます。アイネクライネもワルターのこの演奏しか味わいのある演奏は知りません。
ワルターはいわばクラシックとポップスの境目の無い時代の指揮者であり、ポップスのテイストに満ちた演奏をしていると思います。だからこそ未だに人気があるのでしょう。モーツァルトは過去の偉大な芸術家ではなく、18世紀のビートルズであり、今でも古くならない偉大なポップアーティストであります!当にワルターはそんなポップスの名曲を、現代に生きる私達に幸せを与えてくれます。
また、ウィーンフィルとのライブ3枚組もSACD化が大成功しています。