前回モーツァルトについて述べましたが、今回もモーツァルトです。前回指摘した中野雄氏の『モーツァルト 天才の秘密』がかなり興味深く、指摘された父親の影響。旅の影響などや、モーツァルトの音楽が、晩年のウィーンで人気がなくなっていった理由を、階級的な問題に求める指摘などは、たいへん興味深いものでした。そして、映画の『アマデウス』を久しぶりに見たりして、モーツァルトへの今日的関心は、いよいよ高まっていったのでした。モーツァルトについては、けっこう以前から聞いてきました。その中で、特に意識していたのがメヌエットです。メヌエットとは、四分の三拍子の優雅な舞曲です。若い頃、「モーツァルトの本領はメヌエットにある!」と豪語していたのでした。で、中野氏の言われるK.136のあたりの曲で、以前からよく聞くのが、K.131のディヴェルティメント二長調です。この中にもメヌエットは二曲あります。特に、第2楽章のアダージョから第三楽章のメヌエットがなんとも優雅であります。もう、数え切れない(といったら大げさですが)モーツァルトのメヌエットの中の白眉では、と密かに思っています。その昔、知人に言ったら彼は、交響曲34番のメヌエットの方がいい!って言ってましたが…。それで、このディヴェルティメントは、マリナーとアカデミーのCDを愛聽してきました。大分前にマリナーはモーツァルトのセレナードやディヴェルティメントをたくさん録音してました。何枚か買いました。演奏も端正で、一昔前のウィーン風のゆっくりとした優雅さが目立つほどでもなく、といった感じで好んで聞いてました。これが一番好きです。これに対して、中野さんは、シャンドール・ヴェーグの演奏を取り上げておられました。最近10枚セットで機会音楽を集めたものが出てます。昨年の夏に、なんばのタワーさんで、2990円という破格の値段(なぜが異様に安かった。他では4000~5000円する)でしたので買っちゃいました。これにもK.131は入ってます。ヴェーグの演奏は、切れ味抜群でメリハリのきいたはっきりとした演奏です。これはこれで素晴らしいものなのですが、もう少しおとなしいマリナーの方が好ましく思っています。
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