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朝比奈さんのベートーヴェン

2011年09月16日 22時49分15秒 | ベートーヴェン
久々に野球ネタです。8月からマリーンズ、どん底最下位であります。何がダメか。打つ方が全くダメです。このところ平均して2点も取れない。投手はケガ人が多い中、頑張っていると思いたいが、如何せん打てない。勝負所で凡打ばかり。全く点が取れる気がしない。どうしてこんなことになったのか。まずはシーズン中のケガ人の多さ。そして、フロントの人件費節減のためかの最悪のチーム編成方針。加えて、首脳陣の無策、ではないか。今の状態では、よほど性根を入れて補強をしないことには、長期最下位チームになりかねない危機感があります。そんな補強は無理だろうし、現有戦力での成長はそれほど期待できない。つまりお先真っ暗であります。

そんなことで、気持ちは暗いのですが、元気を出しましょう。今回は、朝比奈隆指揮のベートーヴェンであります。朝比奈さんのベートーヴェンと言えば、全集の世界最多の録音回数を誇る、ということでかの有名な演奏であります。この7とも8とも言われる回数、詳細は知らないのですが、この中にセッション録音はあるのでしょうか。まあそれは置いといて、近年朝比奈さんの録音、けっこう入手し難いような感じ。ベートーヴェンの全集にしても、二種類ほどしか入手できないようですね。

そんな中、8月の下旬、大阪の日本橋の中古やさんで全集を見つけ、ほうほう、と買っちゃいました。朝比奈さんが1988年から1989年にかけて東京サントリーホールでのライブ録音。新日本フィルハーモニー管弦楽団による演奏です。ちょうど平成となったころ。昭和天皇の崩御もあって特に『英雄』は生涯最高の演奏といったことでも知られています。また手兵の大阪フィルとの演奏ではない唯一のベートーヴェン全集です。そして、演奏自体も非常に評価が高いものであります。実際、聴いてみまして、どの曲も非常に充実しいる、ということで、朝比奈さんについての印象が非常によくなった、そんな演奏であります。今回は、交響曲第1番ハ長調作品21を取り上げるということです。

朝比奈さんの演奏、ひとことでいうなら、鈍牛。けっして悪い意味で用いているのではありません。テンポは非常にゆっくり。そして変えることなく、脇目もふらず前へ前へと進んでいきます。そして、ここぞというときには渾身の力を込めての演奏を聴くことができるのです。テンポがゆっくりで、それに全力が加わるということで、たいそうな迫力と一気呵成の力強さが満ち満ちてています。そして、このように指揮して欲しい、こんな演奏をしてほしい、というところでは、不思議とこちらの気持ちにぴったりあうように演奏してくれるのです。そこんとこが朝比奈さんの演奏が支持される理由なのでしょうか。そして新日フィル、これも決して万全とは言えないが、朝比奈さんの指揮に従い全力で演奏しています。派手でもなく、それほどの個性があるわけでもありません。また非常にまとまった演奏を聴かせてくれる、ということでもないのですが、このオケの音色は悪くはありません。第1楽章、ゆったりとしたテンポで、悠然のと曲が進む。ゆったりとしたテンポが実にいい。そしてゆっくりのテンポが気づいたときには、渾身の力を込めた演奏である。そして、力一杯の迫力がゆったりとしたテンポによく合っています。そして第2楽章、旋律の流れが心地よい。気持ちもこもっており心に染み込むよう。第3楽章メヌエット。ここでも激しく迫力のある演奏が十二分に聴けます。第2楽章に続いてこの第3楽章も力のこもった演奏が、ベートーヴェンの初期の曲によく合っていますね。そして第4楽章。テンポが早くなり、迫力満点の演奏が展開されます。なかなかここまでの演奏はそうそう聴けません。曲が進んでいく中で、どんどん力が入って強靱で、非常に熱のこもった演奏になっています。そして、最後は圧倒されますね。

朝比奈さんのベートーヴェン、他にも最晩年の大フィルとの全集があります。これもまだ聴いたことがないので、聴いてみたいものです。また、今回の全集は、SACD化されて再発売されています。音も良くなったんでしょうねえ。
(Fontec FOCD9001/7)

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