過日、阿波徳島に行って来ました。数年前から四国に行くこと4度。今回ですべての県を回りました。大歩危小歩危から祖谷、箸蔵寺から脇町。そして阿波国分寺周辺、徳島城、丈六寺、大麻比古神社などに行きました。眉山に登れなかったのが残念でした。八十八ヶ所霊場もいくつか参拝したのですが、今回も観音寺で歩き遍路の青年に会いました。最近、私も歩いてすべて回ってみたいなと思っています。おそらくは無理でしょうが、チャレンジしてみたいのでありました。
そんなことで、今回はJSバッハのインヴェンションとシンフォニアBWV772-801であります。演奏は、グレン・グールド。1964年3月18,19日、ニューヨークでの録音であります。言わずと知れたグールドによる一連のバッハの鍵盤曲の一枚であります。この曲、まあ地味ですよね。バッハの曲の中でもそれほど聴かれる曲ではないのではないか。私も、断然平均律やゴールドベルクなどの方をよく聴くのでありました。普通はそうでしょうねえ。
先日、たまたま中古やさんで、グールドのバッハのSACDを見つけました。それで平均律を買って帰りました。それで聴いてみると、CDとは比べものにならない音で聴くことができました。これはすごいと思いました。ピアノの音色がまったく違うのです。CDのは潤いのないカスカスのピアノ。SACDになると非常にみずみずしく迫力のがあるのでありました。いやー、びっくりしました。やはりSACD、まったく違いますね。さすがであります。
それで、それから一週間後にその中古やさんに行くことがあり、そのときにイギリス組曲、フランス組曲、パルティータを買ってしまいました(行く前はイギリス組曲だけを買おう、と思っていました。実際にものを見ると、他の曲もかってしまったのでした)。そのときに、インヴェンションとシンフォニアもおまけのように最後にかごに入れました。1710円ということで、お値段も安かったのでした。そして、やはり音も違いますねえ。
このインヴェンションとシンフォニア、二声と三声の曲が15曲ずつから構成されています。ピアノを学ぶ人のための教材としても知られています。ピアノを習う人の多くがある程度進むと、この曲を弾くようになるそうですね。平均律もそんなふうに用いられているようですが、インヴェンションの方がやさしいんですかね。右左違う動きをするなんて、素人にはまったくできないですが、ピアニストの人はこれをごく普通のようにされているのは、驚きでありますね。
そんなことはさておき、グールドのピアノ、この曲ではそれほど躍動感やアグレッシヴな表現は聴くことができません。最初にこの演奏を聴いたときは、あまりの静けさと落ち着いた風情に、違和感を感じたほどでした。グールドの考え抜かれた表現には驚かされますねえ。また、長調の曲などにはグールドらしいリズム感と活発な表現が健在でありますが、曲の性格にもよるのかもしれませんが、おとなしめな感じです。ですので、曲にじっくり聴き入ることができるのでありました。意外性や曲の本質を理解させてくれる表情などは、実におもしろく、また楽しめるのでした。グールドの凄味を、他の演奏以上に感じさせてくれましたね。
全30の曲の中、私は短調のシンフォニアが好きです。ハ短調、ト短調、ロ短調、イ短調、ニ短調へ短調の6曲、中でも3分前後の長さのハ短調、ト短調、イ短調、へ短調はどれも絶品ですね。ヘ短調の音量が徐々に大きくなり、そしてまた小さくなっていく表現には圧倒されます。ト短調は幾度となく繰り返される同じフレーズがまったく別のもののように、秘やかな音色で永遠に続いていくようなところに惹かれます。イ短調では、美しい旋律がフーガで幾度となく繰り返される様は、表情の豊かなグールドのピアノによって、心に染み込むのでありました。改めて聴いてみると、この曲の素晴らしさを実感できますねえ。それもSACDの威力でしょうか。
しかし、四国遍路ですが、まとまった休みがある、学生か定年後でしかできませんよね。定年後になると体力が持つかどうか…。車などで回るのが手っ取り早いのでしょうが、やはりここは歩き遍路が絶対にいいよなあ、と思うのでありました。
(SONY SICC 10168 2012年)
そんなことで、今回はJSバッハのインヴェンションとシンフォニアBWV772-801であります。演奏は、グレン・グールド。1964年3月18,19日、ニューヨークでの録音であります。言わずと知れたグールドによる一連のバッハの鍵盤曲の一枚であります。この曲、まあ地味ですよね。バッハの曲の中でもそれほど聴かれる曲ではないのではないか。私も、断然平均律やゴールドベルクなどの方をよく聴くのでありました。普通はそうでしょうねえ。
先日、たまたま中古やさんで、グールドのバッハのSACDを見つけました。それで平均律を買って帰りました。それで聴いてみると、CDとは比べものにならない音で聴くことができました。これはすごいと思いました。ピアノの音色がまったく違うのです。CDのは潤いのないカスカスのピアノ。SACDになると非常にみずみずしく迫力のがあるのでありました。いやー、びっくりしました。やはりSACD、まったく違いますね。さすがであります。
それで、それから一週間後にその中古やさんに行くことがあり、そのときにイギリス組曲、フランス組曲、パルティータを買ってしまいました(行く前はイギリス組曲だけを買おう、と思っていました。実際にものを見ると、他の曲もかってしまったのでした)。そのときに、インヴェンションとシンフォニアもおまけのように最後にかごに入れました。1710円ということで、お値段も安かったのでした。そして、やはり音も違いますねえ。
このインヴェンションとシンフォニア、二声と三声の曲が15曲ずつから構成されています。ピアノを学ぶ人のための教材としても知られています。ピアノを習う人の多くがある程度進むと、この曲を弾くようになるそうですね。平均律もそんなふうに用いられているようですが、インヴェンションの方がやさしいんですかね。右左違う動きをするなんて、素人にはまったくできないですが、ピアニストの人はこれをごく普通のようにされているのは、驚きでありますね。
そんなことはさておき、グールドのピアノ、この曲ではそれほど躍動感やアグレッシヴな表現は聴くことができません。最初にこの演奏を聴いたときは、あまりの静けさと落ち着いた風情に、違和感を感じたほどでした。グールドの考え抜かれた表現には驚かされますねえ。また、長調の曲などにはグールドらしいリズム感と活発な表現が健在でありますが、曲の性格にもよるのかもしれませんが、おとなしめな感じです。ですので、曲にじっくり聴き入ることができるのでありました。意外性や曲の本質を理解させてくれる表情などは、実におもしろく、また楽しめるのでした。グールドの凄味を、他の演奏以上に感じさせてくれましたね。
全30の曲の中、私は短調のシンフォニアが好きです。ハ短調、ト短調、ロ短調、イ短調、ニ短調へ短調の6曲、中でも3分前後の長さのハ短調、ト短調、イ短調、へ短調はどれも絶品ですね。ヘ短調の音量が徐々に大きくなり、そしてまた小さくなっていく表現には圧倒されます。ト短調は幾度となく繰り返される同じフレーズがまったく別のもののように、秘やかな音色で永遠に続いていくようなところに惹かれます。イ短調では、美しい旋律がフーガで幾度となく繰り返される様は、表情の豊かなグールドのピアノによって、心に染み込むのでありました。改めて聴いてみると、この曲の素晴らしさを実感できますねえ。それもSACDの威力でしょうか。
しかし、四国遍路ですが、まとまった休みがある、学生か定年後でしかできませんよね。定年後になると体力が持つかどうか…。車などで回るのが手っ取り早いのでしょうが、やはりここは歩き遍路が絶対にいいよなあ、と思うのでありました。
(SONY SICC 10168 2012年)
SACDはそんなによいですか。私の持っているSACDは新録音ばかりで、CDとの比較をしていませんでした。ワルター、グールドなど古い録音の方がSACDのメリットは大きいかもしれませんね。勉強になりました。