今年は、ゴジラ生誕60年だそうで…。米国映画にも再度Godzillaが登場するらしいです。それは全く興味がないのですが、わが家のお子様おふたり、特に娘は、大のゴジラファンで、特集しているゴジラ映画を録画して、毎晩のように見ておられます。この暑い夜に、ゴジラの雄叫びが家中に鳴り響き、伊福部さんのマーチが流れる、それはなんとも私にとっては、暑さを倍増させることでありました。でも1970年前後の映画はなかなかつらいですが、わが家ではどうでもなさそうです。とほほ。
暑い中ですが、あまり涼しいとは思えない、ブルックナーであります。初期の交響曲から。交響曲第3番ニ短調です。ワーグナーに献呈されたことから、「ワーグナー」と言われるものであります。この曲は、ブルックナーの中でも、そんなに聴く曲でもないし、あまり興味をそそるものではないのですが、今回はけっこう気に入って聴いておりました。すると、えらいもので、第1楽章から第4楽章まで、実にいいなと思ってきて…。まあいい加減なものでありました。しかし、例えば、第4番と比較しても、どうなんでしょうか。第2楽書なんてまったく3番の勝ちでしょうし、後半のふたつの楽章もけっこう充実していますよねえ。まあ、この3番は1889年に第3稿が完成し、晩年の円熟した手法が加わっていることにもよるのでしょうか。
そして、手元には、この曲けっこうなCDの枚数がありまして、今回聴いたのは、チェリビダッケ、ヴァント、クナッパーツブッシュ、スクロヴァチェフスキ、カラヤン、朝比奈と、まあけっこう聴きました。以前に取り上げたザンデルリンクは聴きませんでした。はやり、この中で一番良く聴けたのは、スクロヴァチェフスキでありました。まあ、もともとこの人の演奏はお気に入りですし、ブルックナーも、日本での演奏のライブも含めていいですよねえ。このひとのブルックナーはザールブリュッケン放送交響楽団(2007年9月にカイザースラウテルンSWR放送管弦楽団と合併し、現在は ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団という実に長い名のオケになっております)との全集ですが、これは1991~2001年の録音で、00番、0番を含む11曲とト長調の序曲と弦楽五重奏のアダージョを12枚組です。もう10年以上も前に出たものですが、その時期に比べれば安かったのでありました。交響曲第3番は、1995年6月13-18日の録音です。
しかし、スクロヴァチェフスキの演奏は、至極普通の演奏であります。迫力満点とか奇を衒った、まあそんな一聴してこれはなかなかですね、ということでもまったくない。至極、オーソドックスであり、至って自然。 そして、すべてが最適な表現と表情、最適なバランス、細部にわたってのきめ細やかな心配りなど、最上の演奏になっております。オケも派手さはないが、これも驚くほどの堅実な演奏で、指揮者の演奏をバックアップしおります。素直に音楽が染み込んでいます。
第1楽章、冒頭からのトランペットの主題、大きすぎず派手すぎずであり、その後の展開の中で、オケの演奏がいい。この楽章がこの曲のポイントとなる。ほどよい緊張感の中、音楽のながれも非常にいいです。第2楽章このアダージョはいいですねえ。力強く、旋律を切々と歌い上げています。ゆったりとした音楽に身を浸すような風情があります。このアダージョのよさがよく現れています。第3楽章スケルツォ。やはりブルックナーの演奏でスケルツォをどう演奏するかは、なかなか大きい要素ですね。中間部のリズミカルな演奏は思わす聴き入ってします。両端部も歯切れがよく、鋭角な表情なのでこれもスケールも大きく、退屈しません。そして第4楽章、ここでも終楽章にふさわしい雄大な展開がほんとうに気持ちいい。表情も豊かで、オケも充実しています。後半の二つの楽章も、気持ちよく聴けるのでありました。
私は、スクロヴァチェフスキのブルックナー、読売日本響のライブもいいです。それから10年ほど前のこの全集も実にいいです。ヨッフムやヴァントと並んで、素晴しいブルックナーであります。
(Oehms OC207 2003年 輸入盤)
暑い中ですが、あまり涼しいとは思えない、ブルックナーであります。初期の交響曲から。交響曲第3番ニ短調です。ワーグナーに献呈されたことから、「ワーグナー」と言われるものであります。この曲は、ブルックナーの中でも、そんなに聴く曲でもないし、あまり興味をそそるものではないのですが、今回はけっこう気に入って聴いておりました。すると、えらいもので、第1楽章から第4楽章まで、実にいいなと思ってきて…。まあいい加減なものでありました。しかし、例えば、第4番と比較しても、どうなんでしょうか。第2楽書なんてまったく3番の勝ちでしょうし、後半のふたつの楽章もけっこう充実していますよねえ。まあ、この3番は1889年に第3稿が完成し、晩年の円熟した手法が加わっていることにもよるのでしょうか。
そして、手元には、この曲けっこうなCDの枚数がありまして、今回聴いたのは、チェリビダッケ、ヴァント、クナッパーツブッシュ、スクロヴァチェフスキ、カラヤン、朝比奈と、まあけっこう聴きました。以前に取り上げたザンデルリンクは聴きませんでした。はやり、この中で一番良く聴けたのは、スクロヴァチェフスキでありました。まあ、もともとこの人の演奏はお気に入りですし、ブルックナーも、日本での演奏のライブも含めていいですよねえ。このひとのブルックナーはザールブリュッケン放送交響楽団(2007年9月にカイザースラウテルンSWR放送管弦楽団と合併し、現在は ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団という実に長い名のオケになっております)との全集ですが、これは1991~2001年の録音で、00番、0番を含む11曲とト長調の序曲と弦楽五重奏のアダージョを12枚組です。もう10年以上も前に出たものですが、その時期に比べれば安かったのでありました。交響曲第3番は、1995年6月13-18日の録音です。
しかし、スクロヴァチェフスキの演奏は、至極普通の演奏であります。迫力満点とか奇を衒った、まあそんな一聴してこれはなかなかですね、ということでもまったくない。至極、オーソドックスであり、至って自然。 そして、すべてが最適な表現と表情、最適なバランス、細部にわたってのきめ細やかな心配りなど、最上の演奏になっております。オケも派手さはないが、これも驚くほどの堅実な演奏で、指揮者の演奏をバックアップしおります。素直に音楽が染み込んでいます。
第1楽章、冒頭からのトランペットの主題、大きすぎず派手すぎずであり、その後の展開の中で、オケの演奏がいい。この楽章がこの曲のポイントとなる。ほどよい緊張感の中、音楽のながれも非常にいいです。第2楽章このアダージョはいいですねえ。力強く、旋律を切々と歌い上げています。ゆったりとした音楽に身を浸すような風情があります。このアダージョのよさがよく現れています。第3楽章スケルツォ。やはりブルックナーの演奏でスケルツォをどう演奏するかは、なかなか大きい要素ですね。中間部のリズミカルな演奏は思わす聴き入ってします。両端部も歯切れがよく、鋭角な表情なのでこれもスケールも大きく、退屈しません。そして第4楽章、ここでも終楽章にふさわしい雄大な展開がほんとうに気持ちいい。表情も豊かで、オケも充実しています。後半の二つの楽章も、気持ちよく聴けるのでありました。
私は、スクロヴァチェフスキのブルックナー、読売日本響のライブもいいです。それから10年ほど前のこの全集も実にいいです。ヨッフムやヴァントと並んで、素晴しいブルックナーであります。
(Oehms OC207 2003年 輸入盤)
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