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ヤンソンスによる交響曲第5番

2017年06月04日 16時57分33秒 | チャイコフスキー
私は、田舎道を通って毎日通勤しているのですが、対向車のライトが眩しいのです。最近上向きにしている車が多い。特に田舎道なので、通行量も少ないので、余計に上向きにしているんです
。それはそれでいいのですが、すれ違うときには、下向きにして欲しい。でないと、眩しくてまわりが全く見えなくなり、けっこうどきっ、とすることがけっこうあるんですね。上向きのままにしている車には、こっちも上向きにして、知らしめることもするんですがねえ。頼みますよ。

ということで、今回はチャイコフスキー。交響曲第5番ホ短調作品64です。演奏はマりス・ヤンソンス指揮バイエルン放響。2009年10月9日、ミュンヘンのガスタイクでのライブ録音です。先日、東京のディスクユニオンの新宿店で見つけました。SACDで1000円くらいだったので、買ってしまいました。2009年11月15日サントリーホールでのこのコンビでの来日公演でこの曲を演奏し、たいそうな熱演だったそうです。この公演に間に合わせるために、来日公演の直前の演奏をCDに編集して発売されたのが、このCDということです。

ヤンソンズは、バイエルン放響の音楽監督を2003年以来務めています。そしてこのCDは、バイエルン放送が立ち上げたレーベルのBR KLASSIKからのもの。一方でヤンソンスは、2015年までRCOの音楽監督も務めており、このRCOからもRCO Liveという自主レーベルが設立されています。ヤンソンスは、このふたつのレーベルからけっこうたくさんのCDが出ており、もしかすると近年もっとも多くのCDを出している現役の指揮者かもしれません。加えて、このふたつのレーベルからのCDは、ほとんどがSACDというのも、なかなかいいですねえ、ということです。
まあ、ヤンソンスは、現役の指揮者のトップと言ってもいい存在でしょうねえ。年齢的にも、ポスト的にもねえ。私的にはティーレマン、ブロムシュテットと並んで、生で聴きたい指揮者ですよね。No1だったスクロヴァチェフスキは亡くなりましたからねえ。残念でした。

ということで、チャイコフスキーですが、まずSACDの音の魅力がなんともであります。やはり音が良いですねえ。楽器のまろやかで艶のある音色がいい。やはりCDとはものが違うなという実感があります。CDの層で聴いても、普通のCDよりはいいなと思うのは、すり込まれているからでしょうか。いやいや、やはりSACDはいい。加えて、バイエルン放響からヤンソンスは、本当にスキの無い、演奏を引き出しています。余分な感情もなく、無色透明で、無国籍風のであるあたりに、多少の物足りなさも感じるが、純粋にチャイコフスキーを楽しむといった風情であります。まあ、それはそれで…。

この曲は、聴くたびにいいなあ、と思うのです。少々飽きがくるようなところもありますが、全体的に非常に良く出来た曲です。チャイコの中でも、悲愴以上に好ましいのです。第1楽章、それほどの暗さもなく、進んでいく。非常に曲の作りが明快で、見通しもたいそういいので、聴いていて、心穏やかな気持ちになる。次第に曲が高揚してくる中で、気持ちも高ぶってきます。第2楽章、ホルンの独奏がいいですね。派手ではなく、押さえ気味に渋い音色が心に染みる。そのあとのオーボエもいい。実演で聴いたら、涙が出そうですね。第2楽章いいですねえ。第3楽章スケルツォ、押さえ気味ではあるが、それぞれの木管が気持ちよく演奏しており、聴きながら明快な表情でいいです。第4楽章、終楽章はある程度の盛り上がりを期待します。最初はゆったりと押さえ気味の演奏、次第に熱を帯びてきて、運命の動機が高らかに歌い上げられます。ここもお決まりのコースなんですが、オケの演奏もしっかりしており、たいそうな安定感でこれも心地よい。そして、聴いていく中で、音が小さくなっていくところがいくつかあって、うん、と思うのでありました。
                                           しかし、5月の後半は、暑かったですね。6月は、このまま暑いなんてことがないでしょうね。夏へまっしぐらってところでしょうか。
(BR KLASSIK 900104 2010年 輸入盤)                         

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3 コメント

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SACD (mikotomochi58)
2017-06-10 21:24:20
ヒロノミンV 様、ハイブリッドのSACDのCD層、そうですよね。確かにいい音がしますよね。やはりSACD恐るべしであります(笑)。
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Re:倉敷で聴きました (mikotomochi58)
2017-06-09 19:04:27
ヒロノミンV 様、コメントありがとうございます。ヤンソンスは実演の評判は頗るいいですね。ただ、CDとなると、それほどでもない、実演は良かったが、と言う声を聞きます。ですので、ぜひ一度聴きたいのですが。なかなかであります。とはいえ、このチャイコもいいとは思います。ただ、それ以上となれば…。倉敷でいろいろ聴けるようなので、アンテナを高くして、また行きたいです。また、ご教示ください。
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倉敷で聴きました (ヒロノミンV)
2017-06-08 21:42:05
 こんばんは。
 BRSOとヤンソンスの2009年の来日公演、倉敷市民会館で聴きました。
 完璧、すごい、どんな賛辞の言葉も無力になってしまうほどの感銘を受けたコンサートでした。最終4楽章のラストが圧巻で、いったん物凄いプレストをかけたかと思ったら急ブレーキで締めくくる、それも一糸乱れずに、あれには鳥肌が立ちました。CDではそれほど歌劇ではなかったので、ライブならではの「遊び」だったのでしょう。
 あれ以降、チャイコフスキーの5番をライブで聴く気になれず、出来るだけこの曲を避けてコンサートを選んでいます。
 SACDのCD層の音の良さは、僕も実感しています。カーオーディオでCD層を聞いていますが、CDの弱点だった金属音的な冷たさが無くなっているような・・・錯覚・・・とは思えないんですよね。
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