先週お休みのなかったことが、けっこうこたえてまして、加えて今週は月火と出張で、その分仕事が貯まってヒーヒーゆうてます。体力的にしんどいというよりも、家でゆっくりできなかったという気持ち的なところがつらいですかねえ。プロ野球もソフトバンクが優勝し、秋風とともにどうも気分的にパッとしませんねえ。まあ、週末からの三連休を楽しみにしながら、今週を乗りきらなければいけません。あと一日です。
そんな気分の中、今回は明るい曲を、ということで、メンデルスゾーン。交響曲第4番イ長調作品90「イタリア」であります。取り立てて、この曲を聴く経緯などは、あるわけではありません。でも、そんなに聴くことのない作曲家で、ふとピアノソナタでも聴こう可と思って聴くと、まあよく言われる、幸せな悩みのない音楽が流れまして、その延長線上で、『イタリア』を取り出しました。
この曲は、1830年のメンデルスゾーンのイタリア旅行のときに作曲され、1833年にロンドン・フィルハーモニック協会で初演されました。その後メンデルスゾーンによって改訂が行われたこともあって、本来なら3番となるところが4番となったそうです。メンデルスゾーンはハンブルクで生まれベルリンで育ったそうですが、南の国イタリアには憧れがあったらしく、そんな気持ちが曲にも反映されていると言われています。
『イタリア』は、中学生のときに、当時気鋭の指揮者だったアバドとロンドン響との演奏のLPを買ってよく聴いていました。アバドは後にDGにも同響と録音しますが、これは1967年の録音でデッカから出ていたものです。ローマの遺跡のジャケットで、きれいなのでけっこう気に入っていました。しかし、このLPは押入の奥深くに眠っています。それで、今回は名盤の誉れ高い、オットー・クレンペラー指揮のPOの演奏。1960年2月の録音であります。
クレンペラーのCDは、3番『スコットランド』と一緒に収められており、こちらのほうが不朽の名演といわれ評価がたかいのです。中には全録音史上5本の指の入るというすごい評価まであります。しかし、一方の『イタリア』も同じく屈指の名演と思うのです。この演奏には軽快さとか曲の躍動性、メンデルスゾーンがイタリアに赴いたときの愉悦感などといたものは、まったく感じられません。あくまで音は重厚で分厚く、低音の充実ぶりが耳を引きます。そして、テンポはゆったりで、威風堂々とした演奏なのであります。まあ、クレンペラーらしいといえば、そうなんですね。たまに重厚なんですが、内容に乏しいことがありますが、このイタリアではそんなクレンペラーの意図がうまく行ったと思います。POも端から端まで気持ちが伝わった演奏で応えています。第1楽章、少々ゆったりめの出だしですが、音楽は実に堂々として、安定がよく、分厚い音に終始しています。メロディも迫力に満ちており、弦は明晰な音に終始し、歯切れのよさも心地よいです。第2楽章、宗教的な気持ちのこもったような主題が流れる。暗くはなく、やはりこの作曲家の個性でしょうか、ベートーヴェンばりの苦悩は見ることはありません。リズムは軽快で、低弦は充実し他の弦も安定しています。第3楽章、イタイアの輝く太陽を思い起こさせる。ここでも腰の座った堂々とした音楽は進む。少々飽きてくるような曲想が玉に瑕でしょうか。でも、POはほんとにいい音に終始しています。そして第4楽章、次第に熱を帯びてくる中でもPOは一糸乱れ演奏は鮮やかです。恰幅がよく堂々とした『イタリア』でした。
メンデルスゾーンは、最近それほどききくわけではないので、反省しましょう。
(EMI TOCE13346 2006年 決定盤1300)
そんな気分の中、今回は明るい曲を、ということで、メンデルスゾーン。交響曲第4番イ長調作品90「イタリア」であります。取り立てて、この曲を聴く経緯などは、あるわけではありません。でも、そんなに聴くことのない作曲家で、ふとピアノソナタでも聴こう可と思って聴くと、まあよく言われる、幸せな悩みのない音楽が流れまして、その延長線上で、『イタリア』を取り出しました。
この曲は、1830年のメンデルスゾーンのイタリア旅行のときに作曲され、1833年にロンドン・フィルハーモニック協会で初演されました。その後メンデルスゾーンによって改訂が行われたこともあって、本来なら3番となるところが4番となったそうです。メンデルスゾーンはハンブルクで生まれベルリンで育ったそうですが、南の国イタリアには憧れがあったらしく、そんな気持ちが曲にも反映されていると言われています。
『イタリア』は、中学生のときに、当時気鋭の指揮者だったアバドとロンドン響との演奏のLPを買ってよく聴いていました。アバドは後にDGにも同響と録音しますが、これは1967年の録音でデッカから出ていたものです。ローマの遺跡のジャケットで、きれいなのでけっこう気に入っていました。しかし、このLPは押入の奥深くに眠っています。それで、今回は名盤の誉れ高い、オットー・クレンペラー指揮のPOの演奏。1960年2月の録音であります。
クレンペラーのCDは、3番『スコットランド』と一緒に収められており、こちらのほうが不朽の名演といわれ評価がたかいのです。中には全録音史上5本の指の入るというすごい評価まであります。しかし、一方の『イタリア』も同じく屈指の名演と思うのです。この演奏には軽快さとか曲の躍動性、メンデルスゾーンがイタリアに赴いたときの愉悦感などといたものは、まったく感じられません。あくまで音は重厚で分厚く、低音の充実ぶりが耳を引きます。そして、テンポはゆったりで、威風堂々とした演奏なのであります。まあ、クレンペラーらしいといえば、そうなんですね。たまに重厚なんですが、内容に乏しいことがありますが、このイタリアではそんなクレンペラーの意図がうまく行ったと思います。POも端から端まで気持ちが伝わった演奏で応えています。第1楽章、少々ゆったりめの出だしですが、音楽は実に堂々として、安定がよく、分厚い音に終始しています。メロディも迫力に満ちており、弦は明晰な音に終始し、歯切れのよさも心地よいです。第2楽章、宗教的な気持ちのこもったような主題が流れる。暗くはなく、やはりこの作曲家の個性でしょうか、ベートーヴェンばりの苦悩は見ることはありません。リズムは軽快で、低弦は充実し他の弦も安定しています。第3楽章、イタイアの輝く太陽を思い起こさせる。ここでも腰の座った堂々とした音楽は進む。少々飽きてくるような曲想が玉に瑕でしょうか。でも、POはほんとにいい音に終始しています。そして第4楽章、次第に熱を帯びてくる中でもPOは一糸乱れ演奏は鮮やかです。恰幅がよく堂々とした『イタリア』でした。
メンデルスゾーンは、最近それほどききくわけではないので、反省しましょう。
(EMI TOCE13346 2006年 決定盤1300)
クレンペラー盤は持っていませんけれど、例によってどっしりとした演奏なんでしょう。アバドとは対照的な演奏なんでしょうから、これはこれで非常に興味があります。
この曲。我が群響定期で、3年ほど前、前監督だり学究肌の高関健さんが取り上げました。彼らしく、普通の版ではなく、第2稿をとりあげました。第2楽章などは、かなり変更されtれて、私は面白く聴きました。
第3稿まであるらしいので、是非全部聴いてみたいものです。