前回、ビデオテープの廃棄を述べましたが、オペラや音楽関係は、VHSからDVDにダビングしたことを踏まえて、今度はLDもDVDにダビングすることをやり始めました。以前私のLDプレーヤーの故障に言及しましたが、その後先輩からプレーヤーを頂戴しまして、それを使って再生していましが、先日プレーヤーのトレイが出てこない故障発生。泣く泣くLDダビングは中止。この手の故障は多いみたいですね。LDの修理なんでできないですねえ。困った困ったでありました。
まあ、そんなことで今回は、カラヤンの初期の録音から。もう十年以上前に、カラヤン生誕100年ということで、EMIへの録音を集大成した器楽と声楽の2つのBOXが発売されましたね。以前に何回かここに収められた演奏を取り上げたことがあります。この手のBOXって買ったときはけっこう聴くのですが、しばらくするとご無沙汰になります。先日、ご無沙汰やなあと取り出してきまして、聴こう!ということでありました。
そして、カラヤンがフィルハーモニアと録音したものから。1950年代にカラヤンはワルター・レッグと、POに多くの録音を残していることは周知のことです。カラヤンの40才台、BPOの音楽監督になる以前の演奏です。これらの演奏はけっこうCDとして発売されており、安く入手できるのですが、のちのBPOとの膨大な録音があるので、なかなか手が、いや耳がまわらないのでありました。私も実にご無沙汰でした。
と言っても、POとどんな録音をしたか、あまり把握していません。ベートーヴェンの交響曲は有名ですが、ああこんなんもあったか、という程度。いくつか聴いてみる中で、ブラームスの交響曲に着目しました。実は一番聴きたかったのは3番だったんですが、なぜかPOとは3番は録音していないんですねえ。そんなわけで、今回はブラームスの交響曲第2番二長調作品73であります。1955年5月ロンドンのKingsway Hallでの録音。最も早い時期のステレオ録音であります。
それでこのブラームス、たいそうな名演だと思います。まず、POが素晴らしい。非常に瑞々しくしなやかな響き。当時のPOはこんなにもレベルの高かったのかとびっくりします。弦は柔らかく、金管もホルン(デニス・ブレインかも)を筆頭にふくよか。木管も生気みなぎる。こんなPOで、ゆったりとしたテンポで、スケールの大きな演奏を展開。のちのカラヤンよりも、演奏の集中力や凝縮力には優れ、元気さや活気にはあふれ、清新な息吹も感じられるのでありました。のちの、BPOとの三つの演奏に比べても、何ら遜色ないし、むしろこっちの方が好感がもてるのでした。
全曲を通しての印象は、カラヤンの巧さでありました。テンポ強弱など心憎いばかりの配慮。ブラームスの曲に素晴らしさが実によく浮かんでくる。楽器の特徴を最大限に発揮して、曲を巧く表現しているのであります。第1楽章冒頭からのゆったとしたテンポで、ホルンの包みこむような音色弦と木管が絡み、弦による主題が浮かぶ。この鮮明な演奏には、最初から惹きつけられて夢中になります。第2楽章、引き締まった弦が心地よい緊張感が醸しだし、情熱的な熱ささえ感じます。元気一杯。第3楽章、ゆったりと木管に歌わせ、ゆったりしたテンポ。輪郭が大きく、それに包み込まれるよう。鮮明な響きもいいです。そして、第4楽章。強弱やテンポの動きみも効果的で、最後の盛り上がりもオケが常に緻密な演奏を継続できるかのように、多少は抑え気味。その分オケの音色は切れ味よく、最後までしっかりと歌い上げる。そんな多少の物足りなさも感じなくもないが、オケの鮮度でそれをカバーしているかのようでありました。若いころのカラヤン、こっちに方も優れた演奏でありました。
このBOX、今となってはそれほど珍しいものではないです。久しぶりに取り出してみると、聞きたくなるような演奏がいっぱいありますねしっかり聴かねばいけませんねえ。仕事がお休みのときは、感染防止のためにも不要な外出はせず、おうちでCD三昧。これが楽しい。
(ENI 5120382 2011年 輸入盤))
まあ、そんなことで今回は、カラヤンの初期の録音から。もう十年以上前に、カラヤン生誕100年ということで、EMIへの録音を集大成した器楽と声楽の2つのBOXが発売されましたね。以前に何回かここに収められた演奏を取り上げたことがあります。この手のBOXって買ったときはけっこう聴くのですが、しばらくするとご無沙汰になります。先日、ご無沙汰やなあと取り出してきまして、聴こう!ということでありました。
そして、カラヤンがフィルハーモニアと録音したものから。1950年代にカラヤンはワルター・レッグと、POに多くの録音を残していることは周知のことです。カラヤンの40才台、BPOの音楽監督になる以前の演奏です。これらの演奏はけっこうCDとして発売されており、安く入手できるのですが、のちのBPOとの膨大な録音があるので、なかなか手が、いや耳がまわらないのでありました。私も実にご無沙汰でした。
と言っても、POとどんな録音をしたか、あまり把握していません。ベートーヴェンの交響曲は有名ですが、ああこんなんもあったか、という程度。いくつか聴いてみる中で、ブラームスの交響曲に着目しました。実は一番聴きたかったのは3番だったんですが、なぜかPOとは3番は録音していないんですねえ。そんなわけで、今回はブラームスの交響曲第2番二長調作品73であります。1955年5月ロンドンのKingsway Hallでの録音。最も早い時期のステレオ録音であります。
それでこのブラームス、たいそうな名演だと思います。まず、POが素晴らしい。非常に瑞々しくしなやかな響き。当時のPOはこんなにもレベルの高かったのかとびっくりします。弦は柔らかく、金管もホルン(デニス・ブレインかも)を筆頭にふくよか。木管も生気みなぎる。こんなPOで、ゆったりとしたテンポで、スケールの大きな演奏を展開。のちのカラヤンよりも、演奏の集中力や凝縮力には優れ、元気さや活気にはあふれ、清新な息吹も感じられるのでありました。のちの、BPOとの三つの演奏に比べても、何ら遜色ないし、むしろこっちの方が好感がもてるのでした。
全曲を通しての印象は、カラヤンの巧さでありました。テンポ強弱など心憎いばかりの配慮。ブラームスの曲に素晴らしさが実によく浮かんでくる。楽器の特徴を最大限に発揮して、曲を巧く表現しているのであります。第1楽章冒頭からのゆったとしたテンポで、ホルンの包みこむような音色弦と木管が絡み、弦による主題が浮かぶ。この鮮明な演奏には、最初から惹きつけられて夢中になります。第2楽章、引き締まった弦が心地よい緊張感が醸しだし、情熱的な熱ささえ感じます。元気一杯。第3楽章、ゆったりと木管に歌わせ、ゆったりしたテンポ。輪郭が大きく、それに包み込まれるよう。鮮明な響きもいいです。そして、第4楽章。強弱やテンポの動きみも効果的で、最後の盛り上がりもオケが常に緻密な演奏を継続できるかのように、多少は抑え気味。その分オケの音色は切れ味よく、最後までしっかりと歌い上げる。そんな多少の物足りなさも感じなくもないが、オケの鮮度でそれをカバーしているかのようでありました。若いころのカラヤン、こっちに方も優れた演奏でありました。
このBOX、今となってはそれほど珍しいものではないです。久しぶりに取り出してみると、聞きたくなるような演奏がいっぱいありますねしっかり聴かねばいけませんねえ。仕事がお休みのときは、感染防止のためにも不要な外出はせず、おうちでCD三昧。これが楽しい。
(ENI 5120382 2011年 輸入盤))
カラヤンは響きの軽さ・薄さを嘆いていたと聞きますが、そうして、当時のカラヤンの指揮のスタイルとマッチして佳演も多いように思います。
ブラームスは聴き逃していました。今度ストリーミングででも聴いてみます。
さて、コロナも、収束しているのでしょうか?暑くなると、マスクもつけていられません。まあ、大流行にはならないのでしょうが、これが、一応、収束(終息ではない)なのでしょうね。ニュースで、ウィーン・フィルが、演奏会を始めた、と、ありました。バレンボイムの指揮でしたが、象徴的ですね。
カラヤンのPOとの演奏、モノラルが少々残念ですが、それも致し方ありませんね。のちのBPOとの膨大な録音があるので、なかなか着目しませんが、EMIからは、けっこうCDが発売されていましたし、聴きやすい環境ですね。もっと評価されてもいいかな、と思います。またご教示ください。