今日は成人の日。うちの息子も成人式に出かけました。うちの二人のこどもも、二人とも成人ということで、まあ喜ばしいことでありますが、その分、自分も年取ったということですね。その昔、自分の成人式には欠席しました。公権力によるお仕着せの成人式なんて不要だ、自分の成人は自分で勝ち取るんだ!、なんての当時流行っていたような、自己主張があったわけではなく、当時大阪にいたので、岡山の成人式に、わざわざ帰るのが邪魔くさかったことと、大学のレポートに追われていたからだったように思います。しかし、堺に住む友人が誘ってくれまして、三重と群馬の友人と連れだって、誰でも参加できた堺市の成人式に、おまけで参加することになりました。式のことは何にも憶えておらす、式が終わって、堺東駅の近所で麻雀をしました。ともあれ成人式でした。
さてさて、今回はモーツァルトであります。弦楽五重奏曲です。弦楽五重奏曲第3番ハ長調K.515と第4番ト短調K.516。数あるモーツァルトの室内楽の曲の中で、6曲しか残されていないにが弦楽五重奏曲です。モーツァルトの場合は、弦楽四重奏にヴィオラが加わる形ですが、たしかに弦楽四重奏に比べ、バランスが少々異なり難しくなるみたいです。しかし、四重奏に優るとも劣らない名曲であり、私的には低音の充実しているこっちの方が魅力的に感じるのであります。特に、この3番・4番は極上の美しさをたたえていますねえ。ハ長調とト短調という、モーツァルトにとってもいわくつきの調性であることも興味深いものです。
そして、この演奏ですが、以前にレコードでスメタナSQとスークのものを持ってました。DENONのPCM録音ということで、たしかにいい音がしたレコードで愛聴しておりました。その後、CDではブタペストSQのものなども買いましたが、1989年あたりでしたが、アルバン・ベルク四重奏団とマルクス・ヴォルフによるものがEMIから出ました。このSQの全盛期でしょうか、出てすぐに飛びつきました。期待に違わず、素晴らしい演奏でした。録音も実に見事。そのときは当然、全集になるものと思っていましたが、今に至るまでこの2曲のみでした。それはなんとも残念なことでした。
このアルバン・ベルクSQ、ギュンター・ビヒラーの第1Vnの演奏に他の三人が食らいついていくような優れた推進力あふれる展開は、いつ聴いても素晴らしいです。それぞれのたいそうピュアな音色と、重なっても立体感ある演奏は、ほんとにいいです。この曲の演奏については、完璧とも言える、音楽の緻密さと表現力をいつも感じます。例えば、彼らによるバイドンセットも素晴らしい演奏なんですが、それに比べてもここではヴィオラが加わったことでの重低音の充実による安定感がなんとも心地よいのです。
まず、第3番の第1楽章の出だしのチェロとそれを受けるヴァイオリンの音が飛び抜けていいのです。この凄さには最初から驚きました。ビヒラーのヴァイオリンは光ってますね。そして、第2楽章は、飛びきりの美しさ。ヴァイオリンとヴィオラの絡みが見事。陶酔するような美しさです。そして、第4楽章では5つの楽器の対位法的な演奏は、さすがのアルバン・ベルクですねえ。続いての第4番ですが、ト短調というモーツァルトの宿命の調性的なイメージは表面的には感じないが、そこにはただならぬ美しさを感じます。第1楽章から、ビヒラーのヴァイオリン快調です。そして第2楽章メヌエット。安定した鋭い和音が悲壮感を表すところが印象的。そして、第3楽章、弱音器をつけた柔らかな響きが、短調的な飛びきりの美しさを漂わせる。弱音でも実に上手い演奏を聴かせてくれます。ヴィオラがここでも味のある演奏を展開して、これも美しさの極み。モーツァルトの書く音楽は何と美しいのかを実感できる演奏です。第4楽章、悲しい序奏から一転華やかな主題。以前に来日公演かなにかでの映像を見た友人が、ここの転換のときに見せたビヒラーの顔つきの変化がいい、と言ってました。まさにその顔の変化が音楽にもなってあらわれる。短調の中での明るさが満喫できる演奏であります。
このCD、今はハイドンセットなどの弦楽四重奏の14~23番などと合わせて7枚組で出てます。HMVでは、3080円。その昔、このCDは一枚で3300円しました。いつも値段のことばかり気になる、誠に小市民でありました。
(EMI CE33-5291 1989年)
さてさて、今回はモーツァルトであります。弦楽五重奏曲です。弦楽五重奏曲第3番ハ長調K.515と第4番ト短調K.516。数あるモーツァルトの室内楽の曲の中で、6曲しか残されていないにが弦楽五重奏曲です。モーツァルトの場合は、弦楽四重奏にヴィオラが加わる形ですが、たしかに弦楽四重奏に比べ、バランスが少々異なり難しくなるみたいです。しかし、四重奏に優るとも劣らない名曲であり、私的には低音の充実しているこっちの方が魅力的に感じるのであります。特に、この3番・4番は極上の美しさをたたえていますねえ。ハ長調とト短調という、モーツァルトにとってもいわくつきの調性であることも興味深いものです。
そして、この演奏ですが、以前にレコードでスメタナSQとスークのものを持ってました。DENONのPCM録音ということで、たしかにいい音がしたレコードで愛聴しておりました。その後、CDではブタペストSQのものなども買いましたが、1989年あたりでしたが、アルバン・ベルク四重奏団とマルクス・ヴォルフによるものがEMIから出ました。このSQの全盛期でしょうか、出てすぐに飛びつきました。期待に違わず、素晴らしい演奏でした。録音も実に見事。そのときは当然、全集になるものと思っていましたが、今に至るまでこの2曲のみでした。それはなんとも残念なことでした。
このアルバン・ベルクSQ、ギュンター・ビヒラーの第1Vnの演奏に他の三人が食らいついていくような優れた推進力あふれる展開は、いつ聴いても素晴らしいです。それぞれのたいそうピュアな音色と、重なっても立体感ある演奏は、ほんとにいいです。この曲の演奏については、完璧とも言える、音楽の緻密さと表現力をいつも感じます。例えば、彼らによるバイドンセットも素晴らしい演奏なんですが、それに比べてもここではヴィオラが加わったことでの重低音の充実による安定感がなんとも心地よいのです。
まず、第3番の第1楽章の出だしのチェロとそれを受けるヴァイオリンの音が飛び抜けていいのです。この凄さには最初から驚きました。ビヒラーのヴァイオリンは光ってますね。そして、第2楽章は、飛びきりの美しさ。ヴァイオリンとヴィオラの絡みが見事。陶酔するような美しさです。そして、第4楽章では5つの楽器の対位法的な演奏は、さすがのアルバン・ベルクですねえ。続いての第4番ですが、ト短調というモーツァルトの宿命の調性的なイメージは表面的には感じないが、そこにはただならぬ美しさを感じます。第1楽章から、ビヒラーのヴァイオリン快調です。そして第2楽章メヌエット。安定した鋭い和音が悲壮感を表すところが印象的。そして、第3楽章、弱音器をつけた柔らかな響きが、短調的な飛びきりの美しさを漂わせる。弱音でも実に上手い演奏を聴かせてくれます。ヴィオラがここでも味のある演奏を展開して、これも美しさの極み。モーツァルトの書く音楽は何と美しいのかを実感できる演奏です。第4楽章、悲しい序奏から一転華やかな主題。以前に来日公演かなにかでの映像を見た友人が、ここの転換のときに見せたビヒラーの顔つきの変化がいい、と言ってました。まさにその顔の変化が音楽にもなってあらわれる。短調の中での明るさが満喫できる演奏であります。
このCD、今はハイドンセットなどの弦楽四重奏の14~23番などと合わせて7枚組で出てます。HMVでは、3080円。その昔、このCDは一枚で3300円しました。いつも値段のことばかり気になる、誠に小市民でありました。
(EMI CE33-5291 1989年)
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