‘Tis Nature's Voice~それは自然の声~Ⅱ

みらくる・あっこの気ままブログ

🌼春に向かって、シューマンの旅Ⅰ~やっぱりティルのピアノが大好き🌼

2016-02-20 15:10:30 | More Mark Padmore
2月16日
ウィーンのピアニスト、ティル・フェルナーのシューマンを巡る旅「シューマン・プロジェクト」が、トッパン・ホールで始まりました。
トッパン・ホールでは、ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全32曲や、シューベルト三大歌曲集のチクルスを行ったのですが、私がティルを知ったのは、本場のシューベルティアーデのラジオ放送で、マーク・パドモアとのシューベルト「美しき水車小屋の娘」でした。なんとマークの声と、瑞々しいピアノ演奏が、水車小屋にマッチしているのでしょう!と聴き惚れたことか。

パドモアさんは、同ホールの「リートの森シリーズ」で、日本で初のソロ・リサイタルが実現。シューベルト「冬の旅」で、それは武蔵野市民会館とも聴きに行きました。
その後、ティル・フェルナーのベートーヴェンのピアノ・ソナタ・チクルスが始まったと思います。とても興味があり聴きたかったのですが、まだ子供も成人しておらず、東京まで行く余裕はとてもありませんでした。
でもその後の、パドモアさんとの三大歌曲を一挙に演奏する(1日おきでしたが)という企画は、子供も大学生になっていたし、飛びついたのであります(*^^*)v。
ティルのピアノを生で聴いたのは、これが初めてでした。お母様を初めて日本観光も兼ねてと連れて来ていて、客席で聴いておられたことも印象に残り、とても優しい好青年のイメージを持ちました。
三大歌曲を一挙に演奏するということ自体が、声楽家として凄いことだと思いましたし、ウィーンの街で生まれ育ったピアニストとの共演が、とても楽しみでワクワクする公演で、ティル・フェルナーというピアニストも、大変印象に残った公演でありました。
ペーター版シューベルト第1巻に全部入っているので、それを1冊持っていて、自分で譜めくりをしながら黙々と弾く姿は、若いけれどプレッシャーも感じさせず、落ち着いた雰囲気は、安心感を与えてくれました。

前置きが長くなってしまいましたが、好印象を持ったピアニストだったので、1年間の演奏活動休止後の、ソロ・コンサートを聴きに行って(子供が東京に住み始めたのも理由)、その柔らかで深みのある音や、歌心に溢れた誠実感のある演奏にとても癒されて、すっかりファンになってしまいました




今回は、ティル自信がプログラムを組み立て、パドモアさんとの共演もある、二夜にわたるシューマンを中心としたもの。
「蝶々」が演奏されるので、蝶々好きの娘も聴きに来たのですが、仕事が終わるのが7時で、タクシーを飛ばして来たけれど、第1曲目で間に合いませんでした(T_T)。

プログラムが、実によく練られて構成されており、短い曲が沢山で出来ているパピヨンの、ファンタジックな世界を、美しい透明感のある音で、でもドイツ的な響きで、静かに惹きつけてから、ベリオという作曲家の、短めの現代音楽に入られました。それが見事に違和感なく、幻想という世界を一層深めていき、ファンタジーをピアノ曲に初めて取り入れたという、ベートーヴェンソナタ第13番へ。これも静かな美しいテーマから始まって、最後はヴィルトーゾ的に盛り上がるソナタで、前半からもう抜群の持っていきようです

後半はシューマンに戻り「幻想曲」作品17番。長い大変そう曲なのですが(声楽のわたしには、決して弾くことは出来ません)、とても美しく情熱的で、ロマンティシズムの頂点のような3楽章から成るソナタ。第1楽章に、ベートーヴェンの「遥かなる恋人に寄す」の6曲目の旋律が、そのままではないですが、遠くで憧憬的に響いてくる。ベートーヴェンへの賛歌と、ロマン派の新しい音楽を創り出すシューマン。
私なりの思いですが、現代音楽を入れるのは、ベートーヴェンもシューマンも、その生きた時代には、プログレッシブな音楽であったということで、革新的な試みをピアノ曲で創ってきたということですね。
シューマンのピアノ曲の世界で、大きな感動で終わりましたが、ティルの表情は第2夜へと続いて行く、まだ途中ですよという感じで、アンコール曲も軽めでした(謝肉祭より、オイゼビウス)。


家族や友人と。ちょっと大勢で来てしまいました。親子三世代でティルを応援しています


私、笹山晶子と中年の魅力も少し増して来たティル・フェルナー

  さあ、パドモアさんとの第2夜も楽しみです


この日の新幹線から観た富士山。雲が少しかかっていますが、春の嵐から一転して、晴天が続くようです。

販売されていたCDは全部持っているので、私は家から持って来ていました。昔のCDも頼んでるのですが、なかなか入ってこないのです。とてもハマってしまったのは、やはりベートーヴェンで、とてもクオリティーの高い演奏です

ケント・ナガノ指揮、モントリオール・オーケストラ、ピアノ協奏曲第4番、第5番「皇帝」 ECM 2114

チェロ・ソナタ全5曲と、変奏曲が3曲収録されています。Cello ハインリッヒ・シフ PHCP-11190/1

癒されて帰って来ましたが、体験レッスンの依頼で、急にちょっと難しめのピアノ曲を弾いてほしいとメールが入りました。
うわっ、どうしよー(゜д゜)!歌の練習も出来てないのに、付け焼刃で必至でピアノを練習しなければいけなくなりました
ピアノは出来るだけ聴く側に回りたい。ピアノを一人で人前で弾ける人って、凄い度胸があるのだと思います。とか言ってたら、ギターを弾く人が、ピアノはまだお客さんに対して、横向いてるからマシですよ、ギターなんて、舞台の上にポンと椅子だけが置いてあって、しかもそれがお客さんの方向いてるんですよー!
ヴァイオリンの人も、ピアノはあの大きな楽器に寄りかかれるじゃないですか、ヴァイオリンなんて、自分で手に持たなければいけないんですよー(T_T)。
でも昔、ピアニストとしても有名な先生に習っていた時、先生はボヤいていました。他の楽器はみんな楽譜見て弾いてるのに、なんでピアニストだけ楽譜見たらダメなのー?(ティルちゃん、ベリオは楽譜見ていましたよ(*^^*)v安心ね)と、それぞれの楽器なりの悩みがあるようですね(^-^;。
私は言いたい、管楽器意外の楽器は、風邪ひいてても楽器が鳴る、特に声楽は風邪で声出なかったら終わりですから!







コメント
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