90代夫婦を撮り続ける娘は

昨日、東京の桜が開花して春分の日、島岡美延です。近所でも咲き始めました。子ども、大人、誰にとっても、今年の桜は今年の春の記憶。

映画『ぼけますから、よろしくお願いします。～おかえりお母さん～（25日公開）』をご紹介します。動員20万人超えの大ヒット、信友直子監督の『ぼけますから、よろしくお願いします。（2018）』の続編。

広島県呉市。アルツハイマー型認知症の母の病状が進むにつれ、父は95歳にして人生で初めて家事を覚えて妻を支えた、という前作。その後、母は脳梗塞で入院。手押し車を押して毎日1時間かけて面会に行き、母を励ます父。98歳で筋トレを始めたのは「いつか自宅に戻る妻の介護」のため。しかし、2020年、新型コロナの猛威で面会もままならず・・・。

東京で働くひとり娘の「私」が監督・撮影・語り。「人生の最終章は悲しいだけではない」みたい。両親に何か起きるたび、はるばる飛んでいく娘。90代夫婦だけで自宅で暮らすからこそ、見えた愛おしい景色。