読んで、観て、呑む。 ~閑古堂雑記~

宮崎の某書店に勤める閑古堂が、本と雑誌、映画やドキュメンタリー、お酒の話などを、つらつらと綴ってまいります。

『THE MAKING』を(ほぼ)コンプリートで観てみた。 【その3】第21回〜第30回

2021-12-19 23:47:00 | ドキュメンタリーのお噂
さまざまな製品が製造されていく過程を、余分な要素を排したシンプルな構成で辿っていく科学技術教育番組シリーズ『THE MAKING』。その全317回(+スペシャル版)のうち、現在見ることができるすべての回を観た上で、ごくごく簡単な見どころ紹介と感想を綴っていくという、続きもの記事の3回目であります。


シリーズの詳しいご説明などは【その1】に譲ることにして、今回は第21回から第30回までを紹介していくことにいたします。これまでと同じく、サブタイトルの部分には「サイエンスチャンネル」の公式YouTubeチャンネルにアップされている該当回へのリンクを貼っております。ご覧になる際の参考にでもなれば幸いであります。なお、配信停止やリンク切れの節はご容赦くださいませ。
(2022年6月11日追記。該当回へのリンクを、画面埋め込みの形で新たに貼り直しました)


(21)万年筆ができるまで

手先どころか指先を駆使しての、実に細かく緻密な作業を重ねて作られる万年筆とは、もはや工業製品というより工芸品の域ではないか・・・と見ていて感じました。とりわけ、ペン先の小さな球(直径が1ミリ前後という「ペンポイント」)を作るところで、原料の粉末が電気アークによる3000℃以上の高熱で一瞬のうちに溶け、表面張力によって球形となるのは驚きでしたねえ。


(22)ぬいぐるみができるまで

ミニーマウスのぬいぐるみの製造工程。生地の打ち抜きから縫い合わせや綿入れ、仕上げまでを、ほぼすべて手作業で行っているのが印象的でした。こうやって人の手によって生まれる温かみが、ぬいぐるみの命なんだなあ・・・と妙に納得した次第であります。

(23)ランドセルができるまで

こちらもまた、縫い上げから組み立てまでのすべての工程を手作業で、それも町工場のような雰囲気のもとで進められていることに感慨深いものが。ランドセルがこれだけ、人の手によって丁寧に作られていることを知っていれば、子どものときにもっと大事に使ってたかもなあ・・・と、なんだかしみじみとした気持ちになったのでありました。

(24)蛍光ランプができるまで

電極のコイルの巻き取りやリード線の挿入などの細かい部分も含め、すべての工程をこなすオートメーション機械の働きぶりに目を見張りました。開発した人たちの知恵と苦労には、並々ならぬものがあっただろうなあ。普段当たり前のように使っていながら、実はよくわかっていなかった蛍光ランプの構造や光る仕組みも理解することができ、勉強になりました。

(25)歯ブラシ・歯ミガキができるまで

歯ブラシの先端に植毛する機械の、目にも止まらぬ速い動き(1つの穴に18本の毛を、1分間に25本の歯ブラシに植毛するのだとか)には、ただただ驚きで目を見張らされました。その一方で、歯ブラシの柄(ハンドル)が箱の中に残らないよう、箱を叩いて揺すぶる機械の存在には、ちょっと笑えました。クリーム状の原料が練りあわされて歯ミガキが作られているシーンは、なんだか美味しそうに見えましたねえ。

(26)トランペットができるまで

パーツの設計にコンピュータが用いられるなど、メカの力を借りる工程がある一方で、ハサミを使って真鍮板を丁寧に切り出したり、ヘラやハンマーを使って成型したりと、人の手によって行われる工程の存在感も大きいことがわかりました。管をU字型に曲げるとき、つぶれないように中に溶けたハンダを流し込む工夫には「なるほど〜」でありました。

(27)石けんができるまで

石けんのいい香りが漂っているであろう製造工程も、そのほとんどが自動化されていて無人(調合された材料を運ぶのも、無人で動く搬送車だったりいたします)。それを制御する、大きなパネルが並んだコントロールルームには時代を感じますが、今ではもっと進化、洗練されたものになっているかもしれませんねえ。

(28)スニーカーができるまで

こちらもパーツの設計にコンピュータが活用されている一方で、縫い合わせや組み立てのかなりの部分に、丁寧な手仕事が活かされておりました。靴底のゴムを作るときに硫黄を混ぜることで、弾力のあるゴムになるというのも「なるほど〜〜」でありました。

(29)オルゴールができるまで

温かみのある音を奏でる、手づくり感を持つ品物というイメージとは裏腹に、部品の製造から組み立てまでのすべてが機械によるオートメーション。振動板製造の工程で響く音が実に独特で、ボリューム上げて爆音上映したらスゴいことになりそうな気が(笑)。

(30)ストッキングができるまで

円形に並んだ約400本もの針で、片足ごとに一気に編み上げていく、自動編み機の動きの速さはオドロキでした。仕上げをする工程で、ストッキングを履かせた足型がズラリと列をなしてラインを流れていく光景は、ちょっとシュールで面白い絵面でありました。


これまでの回は以下のとおりです。↓



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