(1)繁華街の只中で静かな佇まいを見せていた、小泉八雲熊本旧居
前回の記事では、熊本中心街の書店めぐりのことに絞ってお伝えしたため触れられなかったのですが、書店めぐりの最中にもう一か所、訪ねていたところがありましたので、まず最初にそのお話を。
熊本を代表する百貨店である鶴屋百貨店の裏手、周辺の繁華な賑やかさからは異質な静けさを感じるスポットがあります。小泉八雲熊本旧居です。
『怪談』や『知られざる日本の面影』といった著書で知られ、アメリカ出身でありながら、ある意味日本人以上に日本の風土を深く理解していたのでは、と思える小泉八雲=ラフカディオ・ハーン。明治24(1891)年、英語教師として熊本に赴任してきた八雲が、その最初の1年を過ごしたのが、この住居です。
もとは別の場所に立っていたこの住居、解体の危機にさらされていた中で保存の機運が高まり、昭和36(1961)年に現在の場所に移築、保存されることになったのだとか。
本来ならば、入館料を払った上で中に入ることになっているのですが、熊本地震の影響で建物の内外に損壊した箇所が生じてしまい、当面は庭園と住居の一部のみの限定的な公開ということで、入館料は無料ということになっておりました。
入ることができたのは、玄関を上がったところにある一部屋のみ。そこには、地震による住居の被害のようすを写した写真が展示されておりました。ああ、ここもいろいろとダメージがあったんだなあ。
また、震災の前後にこの旧居を訪れた著名人の写真も掲示されておりました。現在(2016年10月)NHKで放送されているドラマ『夏目漱石の妻』で、やはり熊本ゆかりの文豪でもある夏目漱石を演じておられる俳優・長谷川博己さんや、八雲を主人公にした1984年のドラマ『日本の面影』を手がけた脚本家・山田太一さん、それに女優の坪内ミキ子さんなども。
そして、八雲の随筆「地震と国民性」の一節を抜き出した掲示も。そこには、日本の各地で起こった災害について触れたあとに、このような言葉が記されておりました。
“定期的に起こるそれぞれの災害の後に見られる日本人の素晴らしい回復力、あるいは苦難に際しての見事な忍耐力を、むしろ称賛すべきなのかもしれない。実際、回復力も忍耐力も独特なものである。そして、何千年にもわたって日本がまったく同じように苦しんできたことを考えると、そうした異常な条件が国民性に何らの影響も及ぼさなかったと考えるのは難しい。”
そう、日本人は何千年にもわたり、さまざまな自然災害に繰り返し繰り返し苦しめられながら、そこからまた繰り返し繰り返し這い上がるという歴史を積み重ねてきました。地震に苦しめられてきた熊本も、間違いなく見事な復活を成し遂げられると信じます。
次にこの八雲の旧居を訪れるときにはきちんと入館料を払って、修復を終えて元どおりとなった内部を、ゆっくりと見学したいものであります。
(2)熊本飲み歩き第2ラウンド!再び「料理天國」で霜降り馬刺しの美味さを堪能
2日目の街歩きを終えたわたしは、連泊しているホテルに戻りシャワーを浴びてさっぱりしたあと、暮れなずむ繁華街へと出陣いたしました。いよいよ熊本飲み歩き、第2ラウンドのゴングが鳴り響きました!
ついさきほどまで、藤崎八旛宮に戻る秋季例大祭の神幸行列が練り歩いていた下通界隈の呑み屋街では、まだまだ気勢を上げているお兄ちゃんお姉ちゃんの一団がいたりもして、明るいうちからニギヤカでありました。
出かける前の下調べで、行ってみたい気になるお店もいくつかあったのですが・・・2日間の街歩きで、もうだいぶ足が痛くなってきつつあったわたしは、もうそんなに歩き回らず、お気に入りとなったお店でゆったりまったり、お酒と料理を楽しむことにしようということにいたしました。・・・呑み歩き第2ラウンドのゴングが!などと申しておきながら、なんとも頼りないことではございましたが。
ということで、宿泊しているホテルからもさほど離れていない、お気に入りとなったお店に行くことにいたしました。そう、居酒屋「料理天國」であります。まだまだいっぱい、味わってみたい料理もありましたからねえ。
こんばんは、また来ちゃいました〜〜、と言いつつ入ってきたわたしを、前夜も親しく接してくださった料理人さんが、カウンターから笑顔で出迎えてくださいました。前夜初めてお店に入ったときには、いささか緊張していたわたしでありましたが、このときはお店に入るなり、なんだかホッとするのを感じたのであります。
いやあ、きょうは一日中賑やかでいいもんでしたねえ、というわたしに料理人さんは「いやー、結局はなんだかんだいっても、騒ぎたいだけのヒトたちが騒いでるだけじゃないですかねえ」などと、ちょっとつれないことをおっしゃるのであります。前夜、まだまだお祭りどころじゃないんだから開催は早いのではないか、ということを、料理人さんとお客さんがお話になっていたことを思い出しました。熊本の皆さんにも、やはりそれぞれの思いや考えがあるということなのでありましょう。
何はともあれ、今宵も美味しい料理とお酒をたっぷり楽しまなければと、まずは生ビールで喉を潤しつつ最初の注文をいたしました。前夜来たときにタタキで食べて、その濃厚な美味さにノックアウトされた地鶏「天草大王」の串焼きであります。
焼いて食べてもなお、肉に閉じ込められた旨味が口いっぱいにじわじわ広がってきて、もうたまりませんでしたねえ。早くも生ビールがグイグイと進んで、思わず2杯目をおかわりしてしまいました。
次に食べようと思ったのは揚げもの。揚げものにもいろいろと食べてみたいものが並ぶ中、揚げカニシューマイを注文いたしました。
1つの粒がでっかくて食べ応えがあり、これまたビールが進んで2杯目を飲み干し、ここで球磨焼酎に切り替えました。
さあ、こうなったらちょいとゼイタクして、熊本に来たらぜひ食べてみたかったアレを注文することにいたしました。
ジャジャーン!霜降り馬刺し、でございますよ。けっこう手頃な値段のメニューが並ぶ「料理天國」でも、コレはさすがにちょっと値が張ったのでありますが、もうコレを食べずに熊本を立ち去るわけにはいきませんからねえ。
口に入れて噛みしめると、豊潤でとろけるような甘みと馬味・・・もとい、旨味が広がり、生きててよかった〜〜、と心から思えたのでありました。いやー、堪能いたしましたよ。
考えてみれば、きちんとした馬刺しを食べたのも、かなり久しぶりのことでありました。馬肉の持つ馬さ、もとい、美味さを、あらためて実感させられたのでした。
球磨焼酎も2杯3杯と重なっていき、けっこういい気分になってまいりました。料理人さんは、「良かったらコレ、酔い覚ましにどうぞ」と、お味噌汁をサービスしてくださいました。いやはや、嬉しいことでありました。このお味噌汁もしみじみ、美味しゅうございました。
二夜連続で訪れた「料理天國」。もうすっかりわたしにとって、心から寛げる憩いの場所となっておりました。
開業してから35年、長きにわたってたくさんのお客様に愛されながら、今日まで続いてきているお店だからこそ、実に居心地のいい雰囲気を醸し出しているのでしょうね。やはり、来て良かったと心から思います。
これから熊本に出かけるたびに、必ず立ち寄るお店となりそうであります。
(3)噂の「くまBAR」で、熊本の多様な酒文化に溺れて・・・
「料理天國」でけっこう、いい気分になったわたしでしたが、ここでもう一軒、気になっていたアノお店に酔って、もとい、寄ってみなければ!ということで、下通アーケードの中にある「くまBAR」に入ることにいたしました。
「くまもとの酒文化発信処」を標榜しているこのバー、球磨焼酎はもちろんのこと、日本酒、ワイン、熊本の特産品を使用したカクテルなど、熊本のさまざまなお酒を一堂のもとに楽しむことができるという、もう酒好きにとって見過ごすことができないお店なのであります。
そして、もう一つ見過ごせないのは、店内に熊本を代表している、あのお方がいらっしゃるということ。
そう、くまモン様でございます。グラス片手に、しっかりとカウンターに陣取っておられます。
さらにフロアのほうにも、微笑みを浮かべて立っておられるくまモン様が。・・・まあ、どちらも残念ながら動いてはくれないのでありますが、酒好きに加えてくまモン好きというわたしにとっては、もう夢のような空間なのであります。
カウンターに腰かけてメニューを拝見すると、確かにけっこうお酒だけでも種類が豊富に揃っていて、何を注文しようかしばし、迷ってしまいましたねえ。しかも、ワインなど一部のお酒を除き、ほとんどがグラス1杯500円というのも嬉しいところであります。
辛子蓮根、馬肉の燻製、豆腐味噌漬けの3品をセットにした、熊本名物プレートとともに最初に注文したのは、球磨焼酎の本場人吉市の、その名も「武者がえし」という銘柄の焼酎であります。米焼酎らしいスッキリさとまろやかな味わいで、まことに飲みやすかったですね。
次に注文したのは日本酒。これまた、何にしようかと迷った末、阿蘇郡高森町の「れいざん粋撰」にしました。口に含むと、豊かなコクが口いっぱいに広がってくる、美(うま)し酒でありました。
・・・今から思えば、ここまで呑んだ時点でだいぶ、酔いが回っていたようではありましたが、それでももう1杯、なにかカクテル系のを呑んでおきたいと、熊本特産の柑橘類「デコポン」の果汁を使ったサワーを呑みました。甘酸っぱいデコポンの風味と香りが生きていて、実に爽快な呑み心地。一気にクイクイ呑んでしまいました。
ほかにもいろいろ、呑んでみたいお酒はありましたが、もうここまでにしておこうということでお会計を済ませ、「くまBAR」をあとにいたしました。ここも、立ち寄って正解だったなあと思いました。
しかしながら、このあとが少々、タイヘンでございました。ホテルに戻る前に締めのラーメンを、と思いホテルのそばにあったラーメン店に立ち寄ったものの、食べている途中できつくなってきてリタイア。ホテルに戻るなり、着替えもせずにバタンキューとベッドに横たわり、そのまま寝てしまいました。
・・・そして翌朝。わたしはしっかり、二日酔い状態となっておりました。知らず知らずのうちにけっこう呑んでいたようですし、やはりビールに焼酎、さらに日本酒にサワーと、あれこれのお酒をちゃんぽんに呑んでいたのがいけなかったのでありましょうか。ううう。
熊本の美酒の連続攻撃に、わたしはすっかり、轟沈してしまったのでありました。・・・まあ、「攻撃」っつっても、自分から調子に乗ってどんどん注文して呑んでただけなんだけどな。とほほだわ。
(最終回に続く)
前回の記事では、熊本中心街の書店めぐりのことに絞ってお伝えしたため触れられなかったのですが、書店めぐりの最中にもう一か所、訪ねていたところがありましたので、まず最初にそのお話を。
熊本を代表する百貨店である鶴屋百貨店の裏手、周辺の繁華な賑やかさからは異質な静けさを感じるスポットがあります。小泉八雲熊本旧居です。
『怪談』や『知られざる日本の面影』といった著書で知られ、アメリカ出身でありながら、ある意味日本人以上に日本の風土を深く理解していたのでは、と思える小泉八雲=ラフカディオ・ハーン。明治24(1891)年、英語教師として熊本に赴任してきた八雲が、その最初の1年を過ごしたのが、この住居です。
もとは別の場所に立っていたこの住居、解体の危機にさらされていた中で保存の機運が高まり、昭和36(1961)年に現在の場所に移築、保存されることになったのだとか。
本来ならば、入館料を払った上で中に入ることになっているのですが、熊本地震の影響で建物の内外に損壊した箇所が生じてしまい、当面は庭園と住居の一部のみの限定的な公開ということで、入館料は無料ということになっておりました。
入ることができたのは、玄関を上がったところにある一部屋のみ。そこには、地震による住居の被害のようすを写した写真が展示されておりました。ああ、ここもいろいろとダメージがあったんだなあ。
また、震災の前後にこの旧居を訪れた著名人の写真も掲示されておりました。現在(2016年10月)NHKで放送されているドラマ『夏目漱石の妻』で、やはり熊本ゆかりの文豪でもある夏目漱石を演じておられる俳優・長谷川博己さんや、八雲を主人公にした1984年のドラマ『日本の面影』を手がけた脚本家・山田太一さん、それに女優の坪内ミキ子さんなども。
そして、八雲の随筆「地震と国民性」の一節を抜き出した掲示も。そこには、日本の各地で起こった災害について触れたあとに、このような言葉が記されておりました。
“定期的に起こるそれぞれの災害の後に見られる日本人の素晴らしい回復力、あるいは苦難に際しての見事な忍耐力を、むしろ称賛すべきなのかもしれない。実際、回復力も忍耐力も独特なものである。そして、何千年にもわたって日本がまったく同じように苦しんできたことを考えると、そうした異常な条件が国民性に何らの影響も及ぼさなかったと考えるのは難しい。”
そう、日本人は何千年にもわたり、さまざまな自然災害に繰り返し繰り返し苦しめられながら、そこからまた繰り返し繰り返し這い上がるという歴史を積み重ねてきました。地震に苦しめられてきた熊本も、間違いなく見事な復活を成し遂げられると信じます。
次にこの八雲の旧居を訪れるときにはきちんと入館料を払って、修復を終えて元どおりとなった内部を、ゆっくりと見学したいものであります。
(2)熊本飲み歩き第2ラウンド!再び「料理天國」で霜降り馬刺しの美味さを堪能
2日目の街歩きを終えたわたしは、連泊しているホテルに戻りシャワーを浴びてさっぱりしたあと、暮れなずむ繁華街へと出陣いたしました。いよいよ熊本飲み歩き、第2ラウンドのゴングが鳴り響きました!
ついさきほどまで、藤崎八旛宮に戻る秋季例大祭の神幸行列が練り歩いていた下通界隈の呑み屋街では、まだまだ気勢を上げているお兄ちゃんお姉ちゃんの一団がいたりもして、明るいうちからニギヤカでありました。
出かける前の下調べで、行ってみたい気になるお店もいくつかあったのですが・・・2日間の街歩きで、もうだいぶ足が痛くなってきつつあったわたしは、もうそんなに歩き回らず、お気に入りとなったお店でゆったりまったり、お酒と料理を楽しむことにしようということにいたしました。・・・呑み歩き第2ラウンドのゴングが!などと申しておきながら、なんとも頼りないことではございましたが。
ということで、宿泊しているホテルからもさほど離れていない、お気に入りとなったお店に行くことにいたしました。そう、居酒屋「料理天國」であります。まだまだいっぱい、味わってみたい料理もありましたからねえ。
こんばんは、また来ちゃいました〜〜、と言いつつ入ってきたわたしを、前夜も親しく接してくださった料理人さんが、カウンターから笑顔で出迎えてくださいました。前夜初めてお店に入ったときには、いささか緊張していたわたしでありましたが、このときはお店に入るなり、なんだかホッとするのを感じたのであります。
いやあ、きょうは一日中賑やかでいいもんでしたねえ、というわたしに料理人さんは「いやー、結局はなんだかんだいっても、騒ぎたいだけのヒトたちが騒いでるだけじゃないですかねえ」などと、ちょっとつれないことをおっしゃるのであります。前夜、まだまだお祭りどころじゃないんだから開催は早いのではないか、ということを、料理人さんとお客さんがお話になっていたことを思い出しました。熊本の皆さんにも、やはりそれぞれの思いや考えがあるということなのでありましょう。
何はともあれ、今宵も美味しい料理とお酒をたっぷり楽しまなければと、まずは生ビールで喉を潤しつつ最初の注文をいたしました。前夜来たときにタタキで食べて、その濃厚な美味さにノックアウトされた地鶏「天草大王」の串焼きであります。
焼いて食べてもなお、肉に閉じ込められた旨味が口いっぱいにじわじわ広がってきて、もうたまりませんでしたねえ。早くも生ビールがグイグイと進んで、思わず2杯目をおかわりしてしまいました。
次に食べようと思ったのは揚げもの。揚げものにもいろいろと食べてみたいものが並ぶ中、揚げカニシューマイを注文いたしました。
1つの粒がでっかくて食べ応えがあり、これまたビールが進んで2杯目を飲み干し、ここで球磨焼酎に切り替えました。
さあ、こうなったらちょいとゼイタクして、熊本に来たらぜひ食べてみたかったアレを注文することにいたしました。
ジャジャーン!霜降り馬刺し、でございますよ。けっこう手頃な値段のメニューが並ぶ「料理天國」でも、コレはさすがにちょっと値が張ったのでありますが、もうコレを食べずに熊本を立ち去るわけにはいきませんからねえ。
口に入れて噛みしめると、豊潤でとろけるような甘みと馬味・・・もとい、旨味が広がり、生きててよかった〜〜、と心から思えたのでありました。いやー、堪能いたしましたよ。
考えてみれば、きちんとした馬刺しを食べたのも、かなり久しぶりのことでありました。馬肉の持つ馬さ、もとい、美味さを、あらためて実感させられたのでした。
球磨焼酎も2杯3杯と重なっていき、けっこういい気分になってまいりました。料理人さんは、「良かったらコレ、酔い覚ましにどうぞ」と、お味噌汁をサービスしてくださいました。いやはや、嬉しいことでありました。このお味噌汁もしみじみ、美味しゅうございました。
二夜連続で訪れた「料理天國」。もうすっかりわたしにとって、心から寛げる憩いの場所となっておりました。
開業してから35年、長きにわたってたくさんのお客様に愛されながら、今日まで続いてきているお店だからこそ、実に居心地のいい雰囲気を醸し出しているのでしょうね。やはり、来て良かったと心から思います。
これから熊本に出かけるたびに、必ず立ち寄るお店となりそうであります。
(3)噂の「くまBAR」で、熊本の多様な酒文化に溺れて・・・
「料理天國」でけっこう、いい気分になったわたしでしたが、ここでもう一軒、気になっていたアノお店に酔って、もとい、寄ってみなければ!ということで、下通アーケードの中にある「くまBAR」に入ることにいたしました。
「くまもとの酒文化発信処」を標榜しているこのバー、球磨焼酎はもちろんのこと、日本酒、ワイン、熊本の特産品を使用したカクテルなど、熊本のさまざまなお酒を一堂のもとに楽しむことができるという、もう酒好きにとって見過ごすことができないお店なのであります。
そして、もう一つ見過ごせないのは、店内に熊本を代表している、あのお方がいらっしゃるということ。
そう、くまモン様でございます。グラス片手に、しっかりとカウンターに陣取っておられます。
さらにフロアのほうにも、微笑みを浮かべて立っておられるくまモン様が。・・・まあ、どちらも残念ながら動いてはくれないのでありますが、酒好きに加えてくまモン好きというわたしにとっては、もう夢のような空間なのであります。
カウンターに腰かけてメニューを拝見すると、確かにけっこうお酒だけでも種類が豊富に揃っていて、何を注文しようかしばし、迷ってしまいましたねえ。しかも、ワインなど一部のお酒を除き、ほとんどがグラス1杯500円というのも嬉しいところであります。
辛子蓮根、馬肉の燻製、豆腐味噌漬けの3品をセットにした、熊本名物プレートとともに最初に注文したのは、球磨焼酎の本場人吉市の、その名も「武者がえし」という銘柄の焼酎であります。米焼酎らしいスッキリさとまろやかな味わいで、まことに飲みやすかったですね。
次に注文したのは日本酒。これまた、何にしようかと迷った末、阿蘇郡高森町の「れいざん粋撰」にしました。口に含むと、豊かなコクが口いっぱいに広がってくる、美(うま)し酒でありました。
・・・今から思えば、ここまで呑んだ時点でだいぶ、酔いが回っていたようではありましたが、それでももう1杯、なにかカクテル系のを呑んでおきたいと、熊本特産の柑橘類「デコポン」の果汁を使ったサワーを呑みました。甘酸っぱいデコポンの風味と香りが生きていて、実に爽快な呑み心地。一気にクイクイ呑んでしまいました。
ほかにもいろいろ、呑んでみたいお酒はありましたが、もうここまでにしておこうということでお会計を済ませ、「くまBAR」をあとにいたしました。ここも、立ち寄って正解だったなあと思いました。
しかしながら、このあとが少々、タイヘンでございました。ホテルに戻る前に締めのラーメンを、と思いホテルのそばにあったラーメン店に立ち寄ったものの、食べている途中できつくなってきてリタイア。ホテルに戻るなり、着替えもせずにバタンキューとベッドに横たわり、そのまま寝てしまいました。
・・・そして翌朝。わたしはしっかり、二日酔い状態となっておりました。知らず知らずのうちにけっこう呑んでいたようですし、やはりビールに焼酎、さらに日本酒にサワーと、あれこれのお酒をちゃんぽんに呑んでいたのがいけなかったのでありましょうか。ううう。
熊本の美酒の連続攻撃に、わたしはすっかり、轟沈してしまったのでありました。・・・まあ、「攻撃」っつっても、自分から調子に乗ってどんどん注文して呑んでただけなんだけどな。とほほだわ。
(最終回に続く)
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