吉良吉影は静かに暮らしたい

植物の心のような人生を・・・・、そんな平穏な生活こそ、わたしの目標なのです。

篠田真由美『黒き堕天使の城(イヴルズ・ゲート)』角川ホラー文庫/平成28年12月25日初版発行

2018-02-03 19:03:34 | 紙の本を読みなよ 槙島聖護
 篠田真由美先生『イヴルズ・ゲート』シリーズの第二巻です。



 特定の場所に異界への門『イヴルズ・ゲート』が開き、邪悪なモノたちがこの世界への侵入を試みる・・・というクトゥルー神話体系を思わせるシリーズですが、今回は『腐れ縁コンビの一人であるルカ・ローゼンスタインが調査に訪れたクリスタルベルク城で監禁され、それをコンビのもう一人である御子柴夜刀が(ルカの勤務先である博物館の依頼により)捜査する』という筋立てで、腐れ縁が無理なく繋がってます。前回気になった日本が壊滅しているという設定もストーリーに係り、何となく違和感がなくなってきました。巻が進むにつれ、だんだんと説明されていく、そんな構造なのでしょう。

 御子柴夜刀の躯に異界の存在アデルハイトが宿る描写がイイです。これは今までに無かった感覚で、楽しめます。

 前回『睡蓮のまどろむ館』ではルカ・ローゼンスタインの驚くべき能力が描写されましたが、今回のストーリーで『ルカもまた異界の存在ではないか?』との疑問が提示され謎はますます深まった、という感じです。次回はぜひ腐れ縁コンビの始まりについて描いて欲しいものです。

 ところでルカって名前はやっぱりルシファーの略なんでしょうか?
 ルシファーは天使で白く輝く12枚の羽を持っているそうですが・・・。

註)気になる点(書かずにいられない)
 私にはルカの姓の『ローゼンスタイン』がとても気になるのです。何とかシュタインってほとんどがユダヤ人じゃないですか。
 アインシュタイン, ゴールドシュタイン, シルバーシュタイン・・・etc. 
 ああ、バーグもそうですゴールドバーグ(ゴールドベルグ), シルバーバーグ・・・etc.
 特にゴールドやシルバーが付くと確実にユダヤ人です。
 で、ローゼンスタイン。
 あー・・・前に色が付く有名な例がある。ユダヤ人の金貸しロスチャイルド!
 ロスチャイルドをドイツ語読みするとロートシルトで赤い盾ですからね~。ローゼンスタインって聞いたらとってもユダヤ人っぽい。
 系図上はルカの(もちろん義理の)祖父にあたる『オットーがナチの高官だった』という記述には『そりゃムリじゃないかい』って思ってしまいました(まだしもローゼンクロイツなら良かったのに・・・)。



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