実際はかなり広範囲の時代、しかも現代までわたっているようだ。
週刊新潮・2018年7月26日号より転記する。
xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
誰が「国宝を流出させたか」
ボストン美術館の
「平治物語絵巻」は、フェノロサが道具商から言い値の倍で買った。
「吉備大臣入唐絵巻」は昭和8年、ボストン美術館の東洋部長富田幸次郎が購入し、ボストンに持ち帰った。
明治15年から8年間日本に滞在した医師ビゲローは41.000点の美術品を同館に寄贈した。ボストン美術館の浮世絵の8割以上がビゲローが蒐集したもの。
ワシントンDCにあるフリーア美術館
実業家フリーアが蒐集した日本の美術品を基礎に大正12年にオープンした。
蒐集したコレクションは1万点。宗達や尾形光琳の作品多数。
川崎美術館
川崎造船所を一代で築いた川崎正蔵は、同郷松方正義との関係で、日本美術の名品を蒐集し川崎美術館を開館した。
「予が美術品を蒐集するは海外に流出を防止せんがため也」
開館から15年後、昭和2年金融恐慌が起こり、川崎家では損失補償のため美術品を売りに出さざるを得なくなった。
宝楼閣曼荼羅図はフリーア美術館の所有になる。
建築家ライト
ライトはボストンの実業家スポルディングに現在価値20億円もの金を委託され、すべて使い切って浮世絵を買いあさった。
のちに6.000点の浮世絵をボストン美術館に寄贈する。