しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

とんど(福山市)

2023年01月26日 | 民謡


小学生の時、春休みの楽しみは福山の「とんど」を見に行くことだった。
福山の「とんど」は「桜祭り」を兼ねていた。
福山駅におりたら、まず福山城に行って桜を見て、それから街を歩いた。

大相撲「福山場所」があり、通り町の商店に力士は分散して泊っていた。
”ふんどし担ぎ”と呼ばれる幕下以下のお相撲さんが、商店街を闊歩していた。
たいていサーカスも興行してた。
屋根はなく、青天でのサーカスだったような気がするが、記憶違いかもしれない。

映画館に入ってチャンバラ映画を見て、帰るのが「とんど」見物のパターンだった。

 

・・・

 

「広島県の民謡」 中国放送  第一法規出版 昭和46年発行

とんど  福山市

「とんど」というのは左義長、つまり正月に用いた七五三縄(しめなわ)の類を燃やす行事である。
福山では、今から三百三十年ほど前、水野侯が城主となった時、
七五三縄の意味を拡充して、竹類などを集め寄せて燃やしたのが、この福山の「とんど」の起源である。
その後、燃焼物が大規模となり、ついに台輪の上に四本の竹を立て、脚を広げて尖端の部分を結び合わせたものへ、いろいろな飾りをつけ、
頂上に鶴亀とか花車とかの作り物を飾り、この巨大な「俵」を町内を引いて練り歩いて、
最後に燃やしたそうである。
現在は正月に行わず、毎年四月になって「とんど」を行う。

 

 

〇三味線のはいらない「とんど」


とんどとんどと吉津のとんど ハヨイヨイ
上は鶴亀 チョイト 五葉の松
ソラ ヨーイヨーイヨーイヤナ
ハラ リヤリヤ  コラ リヤリヤ ハー ヨーイヤナ

見たか 見てきたか 福山の城を
前はお堀でボラが住む

備後福山十万石よ
丸に鷹の羽の紋どころ

本庄土手から長者町見れば
裸馬かやくらがない

立ちよた立ちよたで昔は立ちよた
お上お仲間槍立ちよた

 

〇三味線のはいる「とんど」

行こか戻ろか戻ろか行こか ハヨイヨイ
ここら思案のチョイト木綿橋
ソラ ヨーイヨーイヨーイヤナ
ハラ リヤリヤ  コラ リヤリヤ ハー ヨーイヤナ

ここはどこどこ船頭衆に問えば
ここは箕島竹が鼻

場所じゃ場所じゃと船橋場所じゃ
出船入船宝船

四国屋島や壇ノ浦のいくさ
今にあるよな絵にかいて

色でしくじる紺屋の手間衆
浅黄染めよとて紺染めた

お前独りか連れ衆はないか
連れ衆あとから駕籠でくる

 

 

撮影日・2023.1.9

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