しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

食事②調味料・野菜  (吉永町史)

2020年08月31日 | 市町村史
「吉永町史」 吉永町史刊行委員会編 吉永町  昭和59年発行
食事・記述は、昭和35年ごろまでの食事である。


調味料

味噌

原料は大豆、米の麹、塩である。

味噌をつく時期は節季で、麹はこたつでねかせたという。
割合は大豆一斗、米の麹五升が四斗樽一本ぶんで、毎年一本づつつく。
三樽ほど所有していて、三年味噌といって、三年経った味噌が味が良い。


ひしお(醤)

裸麦で麹を作り、甕に、麹と炒った大豆、塩をいれ、水をいれてかくまぜる。
日当たりのよい縁側あたりに置く。
温暖な季節に作り、おかずにした。


醤油

原料は大豆と小麦、塩であるが、一度に作る量は、大豆1斗に小麦1斗である。
仕込みをして、しばらくすると、桶に籠をいれ、もろみをすくっておかずにした。
また籠にたまった醤油は調味料として使った。


大根

生大根で食べたり、漬物にするほか、ねじ干し、大根切干、ちょうちん切りなどにする。
ねじ干しは、
細めの大根を竿などにかけて干し、ひなびたとき、何遍もひねる。
ハリハリといって、醤油と酢をかけて食べる。
たんじゃく切りは、
大根を縦に十文字に切る、ついで丸切りする。
細切れになったものを筵の上で干す。煮ておかずにする。
ちょうちん切りは、
切りかけ大根ともいう。
ひなびた大根を縦方向に、斜めに刃をいれる。
少し回して刃をいれる。
ちょうちんのように、長く続いたものとなる。
更に干しておく。煮ておかずするし、まぜ飯に入れる。


カブ
カブラともいう。
煮ておかずにするが、かつては漬物にしたりした。

ナス
ふつうにはナスビという。
かつては丸みのナスビであった。
今は長ナスを作る。
ナスビもみ、煮る、焼く、あえものなで利用法は多い。

キュウリ
キュウリもみにする。

ニンジン
ゴボウなどといっしょに煮る。煮染めにいれる。
大根なます、大根おろしに入れる。

トウガラシ
主として、大根漬けに入れる。

ニンニク
近年食べるようになった。
醤油漬けしたり、わさびおろしですって汁に入れる。
ニンニクの皮をむいて、殻物入れの缶などにいれておくと、ズミ(殻象虫)などがつかない。

ニラ
味噌汁にいれたり、卵とじ、加役、雑炊にいれる。

ネギ
加役にし、味噌汁にいれる。
ワケギ
ぬたにする。

シュンキク
ひたしにしたり、すまし汁にいれる。

チシャ
チシャもみにする。


ホウレン草・白菜・キャベツ

ホウレン草や白菜、キャベツなどは、比較的新しい野菜である。
白菜は大正時代にあったが、結球白菜やキャベツは、昭和にはいってから作るようになったという。

キャベツは野菜の王ともいっている。



カンピョウ・カボチャ・タマネギ・トマト

カンピョウは古くからある。
自家用に栽培し、紐状に削って干して、保存する。
カボチャは味噌煮または醤油煮にする。
タマネギ、トマトは
比較的新しく、タマネギは昭和にはいってからである。
トマトは昭和以降という。



ミョウガ・ショウガ

ミョウガはゆでて、刻んで酢、醤油をかけて食べる。
刻んでうどんの加役にする。
ショウガは
作らない家が多い。
梅漬けのなかへ、ベニショウガをいれたり加役する。



シソ
赤シソを栽培し、葉を梅漬けのなかへいれる。
また葉もいったん塩漬にしたものを干して、味噌漬けにする。


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