エンジニアリングとビジネスの融合だけど,”複雑な要因が影響するシステムの合理的なデザイン”,そんなことが本質かなーと.
実は,”理系の経営学”という本をかなり前に読んだの.この本の出版が2003年だから,読んだの8年くらい前かなー.書かれたのは宮田先生で,船舶がご専門の先生.
確か,MOTが流行り始めて,いろいろな大学で大学院教育がスタートした頃で,船舶や溶接など,かつて花形だった分野がこういったあたりにシフトする,そんな動きでもあったの.行き場のない工学分野の終焉,そんなイメージも否定できないわけじゃなかったかなーと.
だけど,今から考えると,”デザイン”のエンジニアリング技法を”経営デザイン”にシフトさせる,そんな位置づけが本質だったの.ココイラをきっちり説明していたのが宮田先生の本.
で,”解くこと”が”デザイン”には重要で,しかも複雑な現象を解明して,的確なデザインに持ち込む,こんなことの仕掛けづくりが本質.宮田先生は造波抵抗の非線形現象を解明されて,船体の形状設計の基盤を創成した方でもあるの.要は,複雑な現象の本質を徹底的に複雑のまま解明して,デザインではその結果を整理して意思決定(設計パラメータを決める)する,ということ.
ウィーナー,ノイマン,ファインマンなどなど,宮田先生も含めて,やはり,複雑なもの解明を徹底的に行った,そんなことが共通.しかも,その解明に基づいて,何かがデザインされ.....ということ.
ありがちなのは,複雑なものごとを”理屈なんて無意味で,単純に考えて・・・”というやり方.これも,制約を絞れば間違いじゃないけど,でも,解けないことが多い,そんな時代になってきているし....世の中が複雑になってきているので....工学で言えば,要求のレベルが高くなってきているし...先の船舶で言えば大型化によって従来の線形理論が使えなくなった,ということ.
で,複雑なことの解明を理屈をしっかりつくって行う,ということが大切でしょうよ.
そんなことを”理系の経営学”から感じらるようで.....で,こういう捉え方が理系だけでなく,文系の経営?でも大切.
気になるのは,やはり,易しくで単純な思考に流れる,そんなこと.昔からあることだけど,『先輩から”そんなもの会社に入っても使わない”と言われたので,やっても無駄です』というセリフ.正直,聞き飽きたし....おかしいって自分で気づかないと理解してもらうのって無理なの.大切さを主張して,じっくり耐えるのがお仕事.
がんばりましょう.