東映チャンネルのバカ特撮特集の一本である「恐竜・怪鳥の伝説」を見る。
最近この手の作品をテレビでやることもめっきり少なくなったが、以前は夏休みや年末などの時期、割合どうでもいい
時間帯によく放送されていた記憶があり、その都度何度か見たことがある。その当時はそれなりのグレードな
気がしていたが、いいトシになってから改めて見直すと、なんともいえずカルトで変な作品だ。東映のSF・特撮系は、
一大ブランドである戦隊やライダーを除き、どうしても二流・B級風味から逃れられないイメージ。
しかしこの映画は、二流にすら至っていない(笑)。「番外」とか「規格外」とかそういう形容のほうがふさわしい。
富士山麓の地殻変動の影響でよみがえった首長竜プレシオザウルスと翼竜ランフォリンクスが人を襲い、戦う、
という話。まあ、怪獣映画というのはだいたいこういう一文で言い尽くせる内容ではあるものの、本当にこれだけの
内容である。東宝怪獣映画のダメな作品よりも圧倒的にトホホだ。ちなみに最近はテレビなどでも「恐竜」の定義が
厳しくなってきており、この二種類はもはや「恐竜」に含まれない扱いである。出てくる二匹はメッセージ性をまったく
背負っておらず、サメやライオンやヒグマが人を襲うのとポジションは同じ。一応企画意図としては、「ジョーズ」など
当時流行っていたアニマルパニックものを意識しているようだ。プレシオザウルスが樹海に上がってきて戦ったり、
ランフォリンクスが人間を軽々つかめるなど巨大すぎるのには違和感があるが、まあ許容の範囲か。
二匹とも造形も動きも悪いうえ、画面に出し過ぎるために「迫り来る恐怖」の演出が全然なってないのだが、
作品全体に漂うトーンがなんとなく陰惨で、犠牲者の描写がそれなりにエグいので、そういう意味ではトラウマ系の
要素があるかも知れない。おばさんのシャワーシーン(笑)や、水中に沈んでいく犠牲者の首、チャラけたことを
してふざけていると、「本物」が出現してやられてしまう大学生ほか、ピンポイントでは見るべき部分もあるので、
「因習」などと絡めると結構良くなったんじゃないかと思う。
渡瀬恒彦が、恐竜学者だった父親の名誉挽回をすべく行動する(「活躍」はしていない)主人公として出演。
常に苦虫をつぶしたような顔でピリピリしていて怖い。「戦国自衛隊」で千葉ちゃんに反逆してやられる一味のボスを
したときのふてぶてしさだ。もうちょい普通な感じの主人公を据え、渡瀬はそのライバルなり補佐役にしたほうが
しっくりくる。あと渡瀬の上司である社長の部屋広すぎ。ロボット長官みたいだ。
最近この手の作品をテレビでやることもめっきり少なくなったが、以前は夏休みや年末などの時期、割合どうでもいい
時間帯によく放送されていた記憶があり、その都度何度か見たことがある。その当時はそれなりのグレードな
気がしていたが、いいトシになってから改めて見直すと、なんともいえずカルトで変な作品だ。東映のSF・特撮系は、
一大ブランドである戦隊やライダーを除き、どうしても二流・B級風味から逃れられないイメージ。
しかしこの映画は、二流にすら至っていない(笑)。「番外」とか「規格外」とかそういう形容のほうがふさわしい。
富士山麓の地殻変動の影響でよみがえった首長竜プレシオザウルスと翼竜ランフォリンクスが人を襲い、戦う、
という話。まあ、怪獣映画というのはだいたいこういう一文で言い尽くせる内容ではあるものの、本当にこれだけの
内容である。東宝怪獣映画のダメな作品よりも圧倒的にトホホだ。ちなみに最近はテレビなどでも「恐竜」の定義が
厳しくなってきており、この二種類はもはや「恐竜」に含まれない扱いである。出てくる二匹はメッセージ性をまったく
背負っておらず、サメやライオンやヒグマが人を襲うのとポジションは同じ。一応企画意図としては、「ジョーズ」など
当時流行っていたアニマルパニックものを意識しているようだ。プレシオザウルスが樹海に上がってきて戦ったり、
ランフォリンクスが人間を軽々つかめるなど巨大すぎるのには違和感があるが、まあ許容の範囲か。
二匹とも造形も動きも悪いうえ、画面に出し過ぎるために「迫り来る恐怖」の演出が全然なってないのだが、
作品全体に漂うトーンがなんとなく陰惨で、犠牲者の描写がそれなりにエグいので、そういう意味ではトラウマ系の
要素があるかも知れない。おばさんのシャワーシーン(笑)や、水中に沈んでいく犠牲者の首、チャラけたことを
してふざけていると、「本物」が出現してやられてしまう大学生ほか、ピンポイントでは見るべき部分もあるので、
「因習」などと絡めると結構良くなったんじゃないかと思う。
渡瀬恒彦が、恐竜学者だった父親の名誉挽回をすべく行動する(「活躍」はしていない)主人公として出演。
常に苦虫をつぶしたような顔でピリピリしていて怖い。「戦国自衛隊」で千葉ちゃんに反逆してやられる一味のボスを
したときのふてぶてしさだ。もうちょい普通な感じの主人公を据え、渡瀬はそのライバルなり補佐役にしたほうが
しっくりくる。あと渡瀬の上司である社長の部屋広すぎ。ロボット長官みたいだ。