トマトには、リコピン酸、クエン酸、ビタミンC、食物繊維も豊富です。
もちろんリコピン酸以外にも様々な栄養素を豊富に含んでいます。
ミネラルの中では、特にカリウムの含有量が多いので、高血圧の改善には効果的です。また、食物繊維のペクチンを含むことから、便秘の改善、血糖値や血中コレステロール値の低下なども期待できますし、ビタミンCも豊富に含まれています。また、夏バテなどで食欲が落ちたときにもトマトの甘酸っぱさが食欲を増進させる上に、酸味のもとであるクエン酸、リンゴ酸、コハク酸などの有機酸には、胃のむかつきを解消したり、消化を助ける働きがあるといわれています。
カロテノイドには「悪玉酸素」ともいわれる「活性酸素」を消し去る作用があることが発見され、中でもリコピンにはベータ・カロテンの2倍以上の消去能力を持つこともわかり、大いに注目を集めています。
老化やガン、生活習慣病の原因になる活性酸素をやっつけてくれるのがリコピン酸です。
リコピン酸はシミ・そばかすなどのメラニン生成を抑えてくれるので美肌を目指したい人にももってこいです。
トマトを炒めたり煮込んだりしてもリコピン酸は減少しませんが、ビタミンCなどの効果はなくなります。リコピンには、もともと油に溶けやすい性質があり、油を使った調理法によって、吸収率がぐんと高まります。オリーブオイルとの相性が抜群です。
トマトジュースにはフレッシュのトマトよりたくさんリコピン酸が含まれています。
ミニトマトはピンク系のトマトよりも赤みが強いのでリコピンの含有量が多く、その他の栄養素も多く含んでいます。同じ量を食べるなら断然ミニトマトのほうが身体にとって良いということになります。
トマトは加熱することでリコピン含有量が生の状態よりも増えるといことをある研究(出典3)が明らかにしています。トマトに含まれるcisリコピン値は88℃で30分加熱すると35%も上昇するのです。これは、加熱することで野菜の硬い細胞壁が壊れることにより、その細胞壁に結合している栄養素が体内で吸収されやすくなるからです。
また、別の研究(出典4)では、加熱調理した人参はベータカロテンの含有量が高いことも判りました。ベータカロテンには非常に高い美容効果があり、リコピンのように皮膚の外層に蓄積して紫外線から表皮を守ってくれます。また、ベータカロテンを含むカロテノイドは肌にツヤを与え、潤いを保ってくれます。ただ、脂溶性のカロテノイドを吸収するためには、一緒に良質の油を摂ることが大切です。(カロテノイドについては過去の投稿をご参照下さい:http://goo.gl/6XAz96, http://goo.gl/4ngf4h
ミニトマトジュースは熱処理をしています。
エリカ・アンギャル / Erica Angyal
お化粧では作れない魅力的な艶肌を生み出すカロテノイド
野菜や果物をたくさん食べることが健康に良いということは、嫌になるほど聞かされてきたかと思いますが、健康的で艶のあるお肌をつくるためには、ほうれんそう、サツマイモ、かぼちゃ、トマト、ブロッコリーなどの『カロテノイド』が豊富な野菜や果物を食べることが一番の方法だということが最近の研究論文(出典1)で分かりました。
この論文によると、食事内容とお肌の関係を調べたところ、野菜や果物を多く食べた人のお肌は健康的で艶と輝きがあり、その人たちはカロテノイドの数値が高かったということです。これはどうしてでしょう?抗酸化物質であるカロテノイドは、サツマイモや人参などに含まれるオレンジ色の色素で、その色素がお肌に健康的な輝きを与える働きをしているのです。カロテノイドは皮下脂肪に蓄えられたあと皮脂として分泌され、皮膚の最上層に吸収されることによって、健康的な輝きを放つのです。さらには、カロテノイドが豊富な野菜や果物は紫外線や汚染による細胞へのダメージも防いでくれます。
ただ、カロテノイドが豊富な野菜を食べる時の注意点が1つあります。それは、必ずエキストラバージンオイルなどの良質の油と一緒に摂るということです。ベータカロテンやリコピンなどのカロテノイドは脂溶性のフィトケミカルなので、この美の味方であるフィトケミカルを体内にたくさん吸収するためには良質の油と一緒に摂ることが大切なのです。
また、カロテノイドを豊富に含む野菜や果物を食べようと思うモチベーションを高めてくれるもう一つの理由として、明るく艶のある肌になると、異性を無意識に惹きつけられるということです。外側からどれだけ美しくメイクアップをしても伝わらない、内側から溢れ出る肌の艶と輝きが、女性として魅力的に見せてくれるのです。先程の研究論文では、実際に6週間でその効果が目に見えたという結果も出ているので、皆さんもトライしてみる価値はありますよ!
Lots of Love, Erica
(出典1) Stephen, I. D., et al, “ Carotenoid and melanin pigment coloration affect perceived human health,” Evolution and Human Behavior, May 2011, vol. 32, no. 3, pp: 216-227.
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2013年2月17日
調理をすることで、フィトケミカルが増加するケースもありますよ。例えば、トマトを良質の油(オリーブオイルやマカデミアナッツオイルなど)で15分程調理すると、リコピンは1.7倍に増加します。これが全てのフィトケミカルに当てはまる訳ではありませんが、リコピンなどの脂溶性の成分はこれに該当します。
冷え症の方は、できるだけ調理したものを食べることをおすすめします(特に冬)。生の食品(生ジュースやスムージーも含みます)の摂り過ぎは身体を冷やしてしまうのでご注意くださいね。Erica」
暑い日が続きます。トマトが旬の時期を迎えました。冷やして良し、あたためて良し。トマトをたくさん食べて夏を乗り切りましょう。