カットとカラーリングのために、美容院に行く。
ほぼ3か月ぶりである。
コロナウイルスと共存することにも慣れてきたせいか、飛沫を恐れて控えていた社交辞令的な会話も最近増えてきたようだ。
特に今回は、わたしの担当スタッフの女性の口数がいつにも増して多く、はずんでいる。
おせちはどうしますか、に始まって、息子たちがいい年してクリスマスケーキやケンタッキーにこだわるのよ、といったような、身内の噂話にありがちな、愚痴か自慢話かわからないような話題が続く。
そして彼女自身の情報を開示しつつも、さりげなく、わたしのプライベートの情報にもなんとかアクセスしようとしてくるのがわかる。
わたしはこういう状況が苦手でいたたまれない。
適当に答えればいいようなものの、ついたウソはすぐ忘れる。
次に来たときに矛盾したことを口走るのも、不信感を抱かれそうだ。
早くカラーリング液を塗り終わってあっちに行ってくれないかなあと思いながら、聞き役に徹する。
と、くだんの美容師さん、おもむろに
「実は新しい機械がはいりましてね」と、ラミネートされたチラシを手渡してくれる。
それには、「世界最小水粒子によって、あなたの髪もツヤッ、しっとり、すこやかに」と書かれている。
彼女曰く「500円なんですけど、たまったポイントを使えば、無料でお試しできますよ」。
もちろん、やらなくても全然いいんですよ、と繰り返す。繰り返すが、やる気まんまんである。
なるほど、本日しょっぱなからのテンション高い雑談は、営業に導くための前奏曲だったことに気づく。
これまで、炭酸水での洗髪、ワンランク上のトリートメントなどを勧められるままに”お試し”してきたが、効果のほどが全くわからず、1回こっきりでやめてしまったことは度々。
今回もそうなんだろーなーと思いつつ、すでにお断りしづらくなっている。
担当の美容師さんがいることのメリットは、好みの髪の長さや色を覚えてもらえるので、いちいち説明しないでも済むことである。
しかしこんな時は、なまじ、顔馴染みなだけに、NOが言いづらいのだ。
結局、会話の勢いに逆らえず、その最新の装置を試してもらうことになった。
昔々、母親の世代がパーマをかけるときに頭にかぶっていたおかまの形によく似ている。
それを頭の上にあてがうこと10分。
世界最小粒子というだけあって、目にも見えず、冷たくもなく、音もせず、それだけに達成感にいたらない。
ブローで仕上げたあと、「ねえ、〇〇さん、頭をちょっとおさえてみて。いつもよりしっとりしてるでしょ」と聞かれたものの、いつもと同じである。
しかしそんなことを言っては、身もふたもない気がして、「ああ~なんとなく」と言葉を濁す。
やはりあの500円分のポイントは、値引きのほうに使えばよかったと、みみっちい未練をひきずって帰宅したのでした。
ほぼ3か月ぶりである。
コロナウイルスと共存することにも慣れてきたせいか、飛沫を恐れて控えていた社交辞令的な会話も最近増えてきたようだ。
特に今回は、わたしの担当スタッフの女性の口数がいつにも増して多く、はずんでいる。
おせちはどうしますか、に始まって、息子たちがいい年してクリスマスケーキやケンタッキーにこだわるのよ、といったような、身内の噂話にありがちな、愚痴か自慢話かわからないような話題が続く。
そして彼女自身の情報を開示しつつも、さりげなく、わたしのプライベートの情報にもなんとかアクセスしようとしてくるのがわかる。
わたしはこういう状況が苦手でいたたまれない。
適当に答えればいいようなものの、ついたウソはすぐ忘れる。
次に来たときに矛盾したことを口走るのも、不信感を抱かれそうだ。
早くカラーリング液を塗り終わってあっちに行ってくれないかなあと思いながら、聞き役に徹する。
と、くだんの美容師さん、おもむろに
「実は新しい機械がはいりましてね」と、ラミネートされたチラシを手渡してくれる。
それには、「世界最小水粒子によって、あなたの髪もツヤッ、しっとり、すこやかに」と書かれている。
彼女曰く「500円なんですけど、たまったポイントを使えば、無料でお試しできますよ」。
もちろん、やらなくても全然いいんですよ、と繰り返す。繰り返すが、やる気まんまんである。
なるほど、本日しょっぱなからのテンション高い雑談は、営業に導くための前奏曲だったことに気づく。
これまで、炭酸水での洗髪、ワンランク上のトリートメントなどを勧められるままに”お試し”してきたが、効果のほどが全くわからず、1回こっきりでやめてしまったことは度々。
今回もそうなんだろーなーと思いつつ、すでにお断りしづらくなっている。
担当の美容師さんがいることのメリットは、好みの髪の長さや色を覚えてもらえるので、いちいち説明しないでも済むことである。
しかしこんな時は、なまじ、顔馴染みなだけに、NOが言いづらいのだ。
結局、会話の勢いに逆らえず、その最新の装置を試してもらうことになった。
昔々、母親の世代がパーマをかけるときに頭にかぶっていたおかまの形によく似ている。
それを頭の上にあてがうこと10分。
世界最小粒子というだけあって、目にも見えず、冷たくもなく、音もせず、それだけに達成感にいたらない。
ブローで仕上げたあと、「ねえ、〇〇さん、頭をちょっとおさえてみて。いつもよりしっとりしてるでしょ」と聞かれたものの、いつもと同じである。
しかしそんなことを言っては、身もふたもない気がして、「ああ~なんとなく」と言葉を濁す。
やはりあの500円分のポイントは、値引きのほうに使えばよかったと、みみっちい未練をひきずって帰宅したのでした。
その場で即断即決しなくてはならないときは、まずは無難なほうを選んでしまうことはありますね。
高価なものなら、かえって断りやすいのですが。
今回の場合は、時間がたいしてかからないものでしたので、その理由も使えそうにありませんでした。
わたしの求めていることが、カットとカラーといったシンプルなものだけなので、スタッフの方も張り合いがないかもしれません。
担当を決めておかないというのも、気が楽ですね。たまにほかのスタッフにお試しでカットしてもらいたいと思っても、いったん担当を決めてしまうと、彼女の手前、”浮気”をするようではばかられます。
コロナ禍以来、飴玉はもちろん、飲み物も雑誌も片づけられたままです。そろそろいいのではないかしらね。
会員登録をして、担当さんも定まっていると、親し気なやり取りをするケースがありますが、店側は、商売ですから、様々なことを(お互い良かれと)勧めるものですね。長い付き合いの中で信頼が持てれば、店側の勧めに従ってみることも良しでしょう。
私も若い頃は同じでしたが、現在は、会員になっていても担当は定めていないので、世間話などしたことがありません。途中で飴を勧められる時には、遠慮なくいただいてます('◇')ゞ