雨のアケボノスギの木の下で・・・!
今日(土曜日)は大きなアケボノスギ木の下に車を止めました・・・
外は大雨です。
ここは教学の森の「下ひろば駐車場」で、車は私一台だけです。
山の中腹に開けた所ですが、回りの樹木は風と雨に翻弄されている
ように左右に大きく揺れています。
今日はここから森の散策スタートを予定しています・・・
先程からどうしようか・・・? 実は迷っているところなのです。
何しろこの雨風ですから迷うのも納得ですが、なぜか今日は森を歩き
たい心境なのです・・・
しかしなあ~
すると、いつもの地元のFMラジオ(みのおFMタッキー816)から私の
大好きなブルーグラスミュージックが流れ始めたではありませんか・・・
軽快なバンジョーに合わせて懐かしいビルモンロー、ビンス・ギル、
アリソン・クラウス、オズボン・ブラザーズ・・・ 思わず車の床を踏み
鳴らしてリズムをとり、天井がなければ踊りだしたい気分です(笑)
車窓からは叩きつけるような雨の音・・・
負けじと音楽のボリュームをいっぱいに上げて、ますます絶好調
です(笑)
ボンネットに時折、前のアケボノスギの広げた枝から ドサ~ と
雨の塊が落ちてきます・・・
見上げると大きな枝葉を繁らせている上のほうから強い風に舞い、
一気にまとまった雨粒が時折り落ちてくるようです。
アケボノスギの木をよく見ると高さ20M位で、樹齢も相当な大木で
す・・・
何でも高さは35M位になるとか・・・すごいですね!
それにこの木は1945年に中国・四川省で発見された生きる化石と
して有名だとか・・・今まさにいっぱいの若葉をつけたところで、
その特徴ある枝葉 (線形で長さ2.5cmぐらいで扁平で柔らかです)、
見た目はザルの目のような・・・十字対生し側枝上では二列状と
なっていますが、それらが音楽と一緒になって右に左に大きく揺れる
ので、つい嬉しくなってしまいます。
みれば隣のクスノキもヤマザクラも一緒になってなびいています・・・
面白い・・・みんな愉快だな! (笑)
一時間はあっという間に過ぎてしまいました・・・
FMラジオを消すと一気に雨音が大きく響いてきました・・・
しかし、外の喧騒がウソのように車内は静けさが漂い、何だか本でも
読みたい心境になりました。
BOXを開けて見ると昔の文庫本がありました・・・
井上 靖の「愛」(角川文庫)の中から短編の「結婚記念日」を20分程
で
読みました・・・
昔々の・・・ なんとも心に甘苦しい響きを感じながら・・・
それでもリュックに入れてきたポットから温かいコーヒーを飲みながら、
目を外に向けると少し小降りになったとはいえ、しょぼふる春雨が窓を
流れ、その先には新緑の森がしっとりと浮かんでいます・・・
いいムードです・・・
ゆっくりとなんとも穏やかな、至福のひと時を過ごす事ができました。
やがて私は車内で、リュックからビニールのレインコートを取り出して
着用し、外へ出てみました・・・
出たとたん、アケボノスギの枝が跳ね返ったかと思うと、思いっきり
雨粒が私の体を包み びしょ濡れ・・・ 水もしたたるいい男・・・?
あわてて傘も取り出して・・・ これで万全? と それでも懲りずに森へ
出かけて行くことにしました。
今日は自分の感情を大切にして、心のおもむくままに、足の向くまま
に・・・
先程、ブルーグラスの音楽に合わせて車の床を踏み鳴らしていた
リズムを、森の山道でもきざみながら・・・
春雨じゃ~ 濡れて~ 歩こうか・・・?
我ながら物好きなことです・・・ (笑)
08-5・13 (完)