箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

渓谷で川トンボのちぎりをみる・・・

2020-08-26 | *編集・夏/8月

渓谷で川トンボのちぎりをみる・・・

 今日は真夏の太陽が照りつける暑い日です。

今年は猛暑だ! いや冷夏だ! 

また また・・・ いや・・・ やっぱり・・・ と、

気象予報士の予報もままならず、さらに台風だ! 地震だ! と

天変地異に翻弄される昨今ですね。

 

アル・ゴアさんの著書 「不都合な真実」が、いよいよ身近にも現実味を

帯びてくるような不気味さを感じて、重苦しい近頃です。

私達の孫やひ孫の時代にはどんな地球環境になっているのかな?  

心配です・・・。

 

そんな事を考えながら・・・

今日は滝道の木立の中をゆっくりと歩きながら散策を楽しんで

きました。

 

私のお気に入りの場所は、滝道から落合トンネルの少し先に見える

赤い 「つるしま橋」を 姫岩の方へ渡り、川原に下りてから少し北の

方へ川中を進むと絶景のビューポイントがあるのです。  

私の好きな箕面の渓谷です。

箕面川の流れが西に蛇行するコーナー部分で東に山が迫り、景観の

変化が素晴らしい所です。

最初にこの渓谷を見つけた時は感激でした!  

 

少し川幅が広くなり、岩間からの水しぶきが夏の涼しさを運んでくれ

ます。

岩場の中央には樹齢100年以上の立派なケヤキの大木があり、

大きく広げた幹の小枝からは何10万枚?の葉が繁り、木陰をつくって

真夏の太陽を防いでくれています。

 

私はトレッキングシューズを脱いで流れる川面に足を浸します・・・

冷たい! 気持ちいい! 

顔を洗い、水に浸したタオルで体の汗を拭います・・・最高の気分です!

それから調子に乗って足を川の流れに浸したまま本でも読んでいると・・・

とたんに ハックション!  くしゃみがでます。

すると、冷たくなった足を太陽の差し込む岩場に乗せて乾かしていると

すぐに温まるのです。

 

川の流れの溜まり場では時々何の魚か?  ピョン!と跳ねています。

よく見ると魚が結構いるんです。  カワムツでしょうか?

この渓流には他にアマゴ、オイカワ、カワヨシノボリ等の魚が住んで

います。

 

目を閉じると・・・ 

谷川の流れる絶え間ない水の音、強弱の入り混じった風の音、

鳥の声もしっかりと聞えます。

風に乗ってサワ サワ、ガサ ガサ・・・  いろんな葉々の音色!

箕面の森 自然交響楽団の演奏会に一人で招待されているような気分

なるのですから幸せです。

 

何気なく岩場の流れを見ていると、二尾の川トンボ (正式名はわかり

ません・・・) が飛んできて、岩の上や枯れ枝の上を行ったり来たりして

楽しそうに遊んでいます。

私の目の届く範囲で長い間飛び交っていました。

恋人なのかな?  夫婦なのかな? ・・・ 

微笑ましい限りでずっと眺めていました。

 

その時でした・・・

突然、一尾が私の目の前の岩の上から岩を滑りスルスルと降りて、

川の流れの中に入っていくではありませんか・・・ なにごと!

 

結構川の流れは速いので流されてしまうのでは・・・と、私は体を起こ

して上から水中を覗きました。

なんと! 水中にある枯れ木の枝にしっかりつかまっている・・・ 

何をしているのかな?

そうか・・・ 分かった!  そうなのか・・・

この二尾の川トンボの” 愛の結晶 ”を水中の枝に生みつけようとして

いるのだ・・・

 

ふと見上げるとその岩場の近くでもう一尾の方がいったりきたりして

いる・・・

心配して水中の様子を伺っている感じがする・・・ 

なんと!  すごいな!

私が身を起こしてそこから離れると岩場に来る・・・

私が水中を覗き込むと離れて少し先から見ている様子・・・ 

いじらしくなってしまう。

 

何度かそうしている時・・・

私は急に目が・・・いっぱいの涙で溢れてきてしまいました。

岩の上の川トンボ君!

愛し合っているんだね・・・ 気がかりなんだね・・・ 分かるよ!

 

トンボは交尾をして産卵が終わると、双方共にすぐに死んでしまうと

聞いたが?

そうだとするとまさに死力を尽くした究極の愛情なんだね・・・。

 

あのような純粋だった愛情が懐かしい・・・

それにしてもあのような気持ちは、今や何処へ行ってしまったのだ

ろうか・・・? (笑)

 

この川トンボの夫婦からも・・・

いや!  これ以外にも・・・  

いつも森を歩くたびに何がしか自然界からの優しさをこれでもか、

これでもか・・・と 教えられるたびに、私はただただ頭を抱えてしまい

ますよ。

反省猿! です。

 

あれから大分時間が経ったのにまだ水中の一尾はそのままです。

岩の上にいる一尾もそこを離れないで見守っているようです。

 

” ありがとう! いい光景を見せていただいたよ・・・ 頑張ってね! ”

私は二尾に声をかけ、そっと腰をあげました。

 

 

例え地球環境がままならずとも、人間を含めた地球上の生き物

べての・・・

「 愛情だけは永遠に不滅なんだな・・・ 」 と 実感したのでした。

 

少しセンチメンタルになってしまいましたが、今日の箕面の森での

一日も、私にとって心に残るいい日となりました。

ありがとう!・・・ です。

 

「 水なかで 愛をはぐくむ 川トンボ 」    花詩

 

 07-8・6 (完)

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