箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

自然界のエキサイティングショウを見る

2020-08-25 | *編集・春/3月
自然界のエキサイテイング ショウを見る !?
 今朝も小鳥のさえずりで目がさめた・・・いい目覚めだぞ・・・!  
ゆっくりと寝室のロールスクリーンを上げたとたん ビックリ!  雪だ・・・!
でも、太陽が昇ると共にいつの間にか止んでしまった・・・
今年の初雪だったのに残念! 
 
今日は、箕面・教学の森から、西尾根コースに向かい、途中から西側の
「石澄みの滝」へ降りていった。
小さな表示を頼りに まるで獣道のような細い道を行くが、途中で消えて
しまって分からない・・・困ったな!  
 
秋に積もった落ち葉が細い道を隠してしまい 行く道を見つけるのが大変・・・
でも、やがて何となく 滝の音? 
川の流れのような音が聞えるので その方向へ向かう。
やがて川原に出た・・・
北前方を見ると、まるで馬の尾のような滝の流れが見える。
さすがここへは一般の人は気軽に来れないと見えて 誰一人としていない・・・
 
滝へは道が無いので 岩を上り下りして向かう・・・
水量はそうでもないが、それでも真下に来ると壮観だ! 
小さな手造りのお地蔵さんがあったが、それ以外何も無い・・・
東側は絶壁の岩があり、西側は山並みが続き、滝の流れは南の方へ
流れている。
これは、箕面と池田の境界を流れて「石澄川」となり、猪名川から神埼川、
淀川を経て、やがて大阪湾へと続くのだが・・・
滝から落ちる水の音は結構大きく、上を鳥がいっぱい飛んでいても
よく聞えない・・・
でも、ここは穴場だな・・・と、大きな岩の上で休憩にする  
 
太陽の日差しが暖かくて気持ちがいい・・・うとうとしてしまいそうだ。
この景観を独り占めしているようで何とも贅沢な気持ちになる。
やがて気持ちのいい一時を満喫したので出発する事にした。
 
ここから 箕面・六箇山(395m)へ向かう予定だが、はっきりとした道が
あるわけでも無く何とも心細い限りだが・・・
来た道と逆の方向を見ると、細い木の幹に所々 色テープがついているのが
見える・・・
しかし、急な登り坂だ。
これが近道なのだろうと・・・と、登り始めた・・・
急なので何度も滑りながら、木の根っこにつかまり、岩の裂け目をつかんで
登る・・・
途中でよっぽど引き返そうかと思うが、逆に下を見るともう降りるのも
一苦労の感。
 
何とか途中まで登ってきた時、それまで快晴だったお天気が急に悪化、
黒い雲が天を覆い・・・やがて、カミナリ・・・いまどき 何?  
退避するような所も無く、山肌にへばりついて上っているのにもうちょっと
待って・・・と、思うが・・・
ついに なんと白い粒粒の アラレ? ヒョウ? ・・・
やがて常緑樹の葉にあたりバリバリというものすごい音が山にこだまする・・・
 
本降りになる・・・オイオイ頼むよ・・! 
私はなんとか 松の大木の下に着いた。
リュックからあわてて ビニールカバーを出して頭からかぶった・・・
しかし、一緒に飛び出したお茶のペットボトルは急斜面を コロコロと落ちて
いってしまった。 仕方ない。
自分が転げ落ちないようにするのが精一杯だ。
 
アラレは かぶったビニールカバーを容赦なく たたく・・・痛い!
あっという間に、回りの世界がアラレで白くなっていく・・・
そして・・・やがて収まってきた・・・
やれやれよかった・・・
 
しかし、その安堵もつかの間、その5分後から、今度は雨に変わり、徐々に強く
、激しくなり、ついに 横殴りの大雨となった。
振り返ってみると、すぐ近くに見えた隣の山が全く見えない・・・
やがて山の上から雨が川のように流れ落ちてくる・・・どうすりゃいいんだ ?  
もうすでにリュックも服も ずぶ濡れ状態だが、撥水製だから下は大丈夫の
ようだ。
 
やがて少し 小降りになってきたので一気に上を目指して登る・・・
やっと尾根が見えてきたところで 畳一枚程度の平地があり、枯れ倒木が
あったので、ここで休憩! 
もう、息もハーハー状態・・・心臓パクパク・・・しんどい!
 
枯れ木に腰掛け 空を見る・・・
いつの間にか雨は上がり、北の空からどんどんと雲が流れ、青空が見え
始めた。 
雲の流れのなんと早い事か・・・
見る見るうちに頭上を通り抜け、目の前から遠ざかっていく。
それと共にやがて 太陽が急に照りつけるように 強い日差しを浴びせ
始めた・・・
 
何という変化? 
すごい・・・! 
ただ口を開けて唖然と見上げるのみ・・・
 
それまで雲に覆われて見えなかった前方の山、そしてその前方に広がる
大阪平野の大パノラマが 次々と太陽の光を浴びて、まるで映画の
シーンのように刻々と広がっていく・・・
ものすごい光景だ・・・!
  
東の生駒山から金剛山、遠く泉州から関西空港方面、その手前に
大阪湾の海がキラキラと輝いて見える・・・
大きな貨物船までよく見える。
 西は芦屋浜から神戸の六甲山まで一望できる・・・何という光景だ! 
雨に濡れた上服を枯れ木にかけて乾かしながら、しばしこの大自然の 
一大エキサイテイング ショウ ? に 見入ってしまった。
 
右前方の伊丹空港から今まさに大型のジャンボ機が離陸していく・・・
ここから、私もかつては世界の各地へ旅たって行ったな~と 回想する・・・
もう、つぎの飛行機が左方向からライトをつけて着陸態勢に入っている。  
空を飛べる人間の技術はすごいな・・・
しかし、今の今、自分の体験しているこの自然の営みから見ると、それは
なんと些細なことでしかないんだな・・・と 実感する。
 
前の山裾から大きな 見事な虹 が かかった・・・すごい ! 
なんと素晴らしいんだろう!  このフィナーレは最高だ・・・!
 
山の上から見ると 無数のおもちゃのような 小さな家並みが見える・・・
この家一つ一つの中には 人間のいろんな営みがあるんだな・・・
些細な事で悩んだり、苦しんだり・・・喜怒哀楽の営みがね。
自分の事と合わせて、しばし人間のなんと小さい事か? と、思い知らされた。
 
 ハックション! 
考え事をして しばし思いにふけっていたら急に寒くなってきた・・・
思いっきりくしゃみをしたら、それが近くの山に こだました・・・
温かい太陽を浴びていると、先ほどの 嵐はなんだったの・・・夢? 
何とも不思議な時間だった・・・
 
私はふっと我に返り、ポットに入れてきた 温かいコーヒーを ゆっくりと
飲みながら体を温めた。  
いいな~ と、一人つぶやく。
    
頭上を二羽のヒヨドリが囀りながら南の方へ飛んでいった・・・
私の心が、幸せ感でいっぱいになった所で、私は再び 六箇山を目指して 
歩き始めた・・・
 
翌日はしっかりと風邪を引いてしまった。 (笑) 05-1 (完)  
2007 3/18
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