箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

清水谷に浸る・・・

2020-08-25 | *編集・春/5月

清水谷に浸る・・・

 東海自然歩道の尾根筋から北の自然8号路に下り、清水谷林道に

入りました・・・

数年前から間伐を繰り返してきた清水谷は、欝蒼とした暗い森から、

今や林床にまでしっかりと陽光が差し込む、明るい森に生まれ

変わっています。

それまで気がつかなかったようなシダ類や草花、コケ類が多く見られ

ます。

夏鳥たちの森のコンサートも賑やかです。

 

そんな明るい木もれびの差し込む林道を、いつもの如く一人 

ゆっくり ゆっくりと浸りながら歩く時の私の至福感といったら、

たまりません・・・

時には立ち止り・・・

大きな杉の木に両手をあて、ゆっくりと深呼吸をしながら根元から

先端を見上げていく・・・  

やがて、今度はゆっくりと息を吐きながら根元まで目を下ろして

くる・・・

 

そんな事を2~3度ほど繰り返していると、木と森の精気をいっぱい

もらい受けます・・・

すると、自分の心の中の「気」を総入れ替えして、新たに生まれ

変われるような気持ちになるので不思議です。

「森林療法」 という学問の世界が、最近流行ってきている

そうですが ?

私の実感では、もうそれは太古の昔から森を歩く人々には

分かっているのように思いました。

 

 

ふっと我に返って歩き始めた時でした・・・

急に前方で激しい音が・・・

なんだ・・・?

見ると、小さな谷川の流れの中から1頭の雌鹿がすごい勢いで

山裾を駆け上がっていくところでした・・・

どうやら谷川の水を飲みに来ていたようです・・・

ああ 驚かして ごめん  ごめん!  です。 

 

鹿は途中でこっちの様子を見るように立ち止り、私と目が合うと

また少し駆け上がります・・・

次に双眼鏡で山の中腹を探しているとまた目が合い、鹿はまた少し

駆け上がるといった感じで、いつしか見えなくなりました。

 

奈良公園などで見る餌付けされた鹿は、人を見ると近づいてきます

が・・・

野生の鹿は逆に人を見ると逃げ出します・・・

箕面の猿も二分化しているように、ドライブウエイでエサをねだる

猿は強引に人に近づき、人は逆にそんな猿を避け・・・

私が森で出会う猿たちは私を見て逃げたり、または避けるか、

無視するで、知らん顔をされると・・・  何となくこちらから近づく

ような・・・ 

何だか人の恋路と同じようですね・・・ ?  

 

箕面の鹿も増えてきているのかな・・・ ?

最近は昼間の森の中でも、たまに見かけるようになりました。

前回、この清水谷で見かけたのは立派な角をもった雄鹿でした。

いずれも四足で ダ ダ ダ ダ ダ--- と、斜面を駆け上がる

脚力をみると・・・ 素直に素晴らしいな・・・!  と、

足の遅いドンカメの私は、いつ見ても見とれてしまいます。 

 

胡蝶花の咲き終わった後には、白いヒメウツギやヤブデマリ、黄色い

カワラフジ、ピンクのタニウツギなど、初夏の花々がいろいろと

咲いています。

名も知らぬ草木が、随所に花を咲かせています・・・

新緑の若葉が風にそよぎ、谷間全体で萌えいずる躍動の季節を

感じさせてくれます。

植物や動物の体内時計は、いつも正確に季節の移り変わりを人間に

教えてくれますね。

自然界の営みとリズムには、いつも畏敬の念をいだきます。

 

一休みをして腰を下ろした横にマムシグサが一本・・・

品のある花ですが・・・

名前を思い出すと、それがマムシが鎌首を上げたときのような姿の

花で誰が付けた名前か知りませんがイメージが悪いです・・・

もし私なら、ツルグサ (品のあるツルの首のようですから!) と、

付けたいような花です。 

 

そんな事を考えながら浸る、清水谷の至福のひと時です・・・

それにしても、あの若い雌鹿の瞳は愛らしかったな・・・

動物の 美しい瞳 にさえまだ、私は心ときめかせているようです

よ・・・   

'13  5.24
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