フランスにおいてイスラム国シンパによる新聞社襲撃テロがあった。20年前には我が日本でもオウム真理教によるテロがあった。フランスにおけるテロはイスラム教祖に対する冒涜への報復であったが、オウムのテロは人類の救済の為と称しているが、オウム真理教を子馬鹿にする社会への報復でもあったのであろう。
テロの背景には、必ず貧困や差別等の社会的な不満がある。テロをなした組織の指導者には狂信、妄想的なところが大であるが、一人では何も為し得ず、それを支える多数の人々が必要である。それらの人々は、指導者の言い分に納得できなくても、社会的な不満のはけ口としてそれに乗ってしまうところがあるのではないだろうか。
現在世界に吹き荒れるグローバライゼーションと新自由主義経済は、格差を拡大していることは間違いない。トマ・ピケティ氏も著書「21世紀の資本」で格差拡大を警鐘している。格差の増大は社会の不安定化を招く。ヨーロッパに限らず、地球上至るところで格差は増大している。現在の経済システムを続行していけば、社会はどんどん不安定化していく。つまり狂信者がはびこる下地が出来あがってくる訳だ。
イスラム教は、16億人の信徒があると推定されていて、キリスト教に次いで世界で2番目に多くの信者を持つ宗教である。イスラム教徒が居住する地域は現在ではほぼ世界中に広がっているが、そのうち西アジア・北アフリカ・中央アジア・南アジア・東南アジアが最も多い地域とされる。これらの地域はほとんど開発途上国であり、一部に石油のお蔭で金持ちはいるが、概して貧乏である。これらの国にも、グローバライゼーションの波が押し寄せ、格差の拡大や西洋文明の浸透が社会の不安定化を引き起こしている。
現在世界を騒がしているのはイスラム教であるとの風潮が強いが、たまたまイスラム教圏の人々に不安定化の波が押し寄せているからであり、テロとイスラム教の因果関係ないと思う。
イスラム教の経典であるコーランには信徒間の平等が記されており、格差の拡大には猛反対のはずである。例えばイスラム銀行は、イスラム教の教義、慣行に基づいて運営される銀行のことであり、イスラム教徒は、イスラム法において利子を取ることが禁止されているため、基本的に無利子の金融機関として運営されるそうだ。ノーベル平和賞を受賞したバングラデシュのグラミン銀行が代表例であろう。
グローバライゼーションと新自由主義経済は、一見経済成長を促し、特に日本の人々を幸福にしているように思えるが、この先には持続可能な幸せが待っているのであろうか。誰も明快な答えを用意していない。(犬賀 大好―96)
テロの背景には、必ず貧困や差別等の社会的な不満がある。テロをなした組織の指導者には狂信、妄想的なところが大であるが、一人では何も為し得ず、それを支える多数の人々が必要である。それらの人々は、指導者の言い分に納得できなくても、社会的な不満のはけ口としてそれに乗ってしまうところがあるのではないだろうか。
現在世界に吹き荒れるグローバライゼーションと新自由主義経済は、格差を拡大していることは間違いない。トマ・ピケティ氏も著書「21世紀の資本」で格差拡大を警鐘している。格差の増大は社会の不安定化を招く。ヨーロッパに限らず、地球上至るところで格差は増大している。現在の経済システムを続行していけば、社会はどんどん不安定化していく。つまり狂信者がはびこる下地が出来あがってくる訳だ。
イスラム教は、16億人の信徒があると推定されていて、キリスト教に次いで世界で2番目に多くの信者を持つ宗教である。イスラム教徒が居住する地域は現在ではほぼ世界中に広がっているが、そのうち西アジア・北アフリカ・中央アジア・南アジア・東南アジアが最も多い地域とされる。これらの地域はほとんど開発途上国であり、一部に石油のお蔭で金持ちはいるが、概して貧乏である。これらの国にも、グローバライゼーションの波が押し寄せ、格差の拡大や西洋文明の浸透が社会の不安定化を引き起こしている。
現在世界を騒がしているのはイスラム教であるとの風潮が強いが、たまたまイスラム教圏の人々に不安定化の波が押し寄せているからであり、テロとイスラム教の因果関係ないと思う。
イスラム教の経典であるコーランには信徒間の平等が記されており、格差の拡大には猛反対のはずである。例えばイスラム銀行は、イスラム教の教義、慣行に基づいて運営される銀行のことであり、イスラム教徒は、イスラム法において利子を取ることが禁止されているため、基本的に無利子の金融機関として運営されるそうだ。ノーベル平和賞を受賞したバングラデシュのグラミン銀行が代表例であろう。
グローバライゼーションと新自由主義経済は、一見経済成長を促し、特に日本の人々を幸福にしているように思えるが、この先には持続可能な幸せが待っているのであろうか。誰も明快な答えを用意していない。(犬賀 大好―96)