日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

日銀の植田総裁は高度成長期を夢見ているのか

2023年12月23日 10時33分04秒 | 日々雑感
 日銀は12月19日の金融政策決定会合で、これまでの大規模な金融緩和策を継続することを決めたとのことだ。一方米連邦準備制度理事会(FRB)は今月13日、利上げ路線を事実上打ち切り、来年は利下げに転じる見通しを表明した。FRBが利下げする一方、日銀がマイナス金利を解除すれば、「日米金利差縮小から急激な円高が進行して株安に波及しかねず、日銀の政策修正は難しくなる」との見方が多い。

 それでも日銀は金融緩和策をなぜ続けるのか。日銀が利上げしない、あるいはできない理由は、一般に利上げをすると債券価格は下落することから、国債価格が下落して日銀の債務超過になり、国債暴落やハイパーインフレになる恐れがあるからだと言う話はよく聞く。何しろ日銀は膨大な国債を抱え込んでおり、日銀の破綻は即日本の破綻であり、国民に膨大な不利益をもたらすと考えられるからだ。日本は現在1200兆円を越える借金大国であり、その大半が赤字国債の発行であり、日銀はその半分以上の国債を抱え込んでいるのだ。

 経済素人の筆者も利上げは国債の利払いを増やすことであり日銀の債務超過に繋がるとの理屈を信じていたが、日銀の債務超過は利上げと直接関係ないと主張するエコノミストもいるが、本当にそうであってくれればよいが、単なる気休めの感もする。

 兎に角経済の動向は素人には分かりにくい。日銀は、2016年以来、第1に金融市場調節によって長短金利の操作を行う「イールドカーブ・コントロール」に従い、第2に、消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%の「物価安定の目標」を超えるまで、金融緩和を継続する方針を取っているそうだ。物価上昇率2%の目標は分り易い指標と思っていたが、いつの間にかそこに賃金上昇を伴うとの条件が付け食われていた。

 植田日銀総裁はよくイールドカーブで判断するとの言を用いるが、このカーブは満期までの利回りと満期までの期間の関係を示す折れ線グラフのことだそうだがそう説明されてもよく分からない。学者出身の総裁は理論的に判断しているから問題ないと言いたいようだが、そもそも経済学自体が胡散臭い。経済学でノーベル賞を受賞した者もいるが、ノーベル賞は過去の話の理論づけで受賞しており、将来を的確に予測した功績ではない。理論物理学のように未来を的確に予言できれば、景気の良し悪しはもっと平準化されるに違いない。

 それでは、日銀は金融緩和策に固執するのか。植田総裁は、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現を見通す上で必要なことについて、賃金と物価の好循環が強まっていくか確認することが重要だ、と述べたが、賃金と物価が上がり続けた戦後の高度成長期(1955年~1973年)を夢見ているのであろうか。2023.12.23(犬賀 大好ー970)


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