中国、上海市が今月10日発表した声明によれば、9日の新規感染者は2万4943人で、同市がロックダウンを始めた3月28日は4477人と報告されており、5倍余りに増えている。そこで5日に解除予定であったロックダウンも当面延期されることになったそうだ。
中国の”機動的ゼロコロナ対策”では、地域に一人でも感染者が出るとその地域全体にPCR検査を強制的に実施し、地区内の感染が14日間ゼロ等を外出禁止の解除の目安とする等、住民の行動を厳しく規制している。
しかし、このところ感染しても無症状の人がほとんどであることから、入院ではなく自宅療養で済む等、緩和し始めたようである。とは言え上海では今月1日以降は市内全域が封鎖状態に置かれており、市当局は一部地域で野菜など生鮮食料を配布する等、生活維持に努めているが、食料が底を突き始め、住民の不満が高まりと警官との衝突も生じ始めているとのことだ。
最近になって多少規制が緩くなっていると言っても相変わらず厳しい規制が行われているにも拘わらず、上海の感染状況は続いており、このような状況が全国に広がる恐れもある。
これに対し、スウェーデンでは、新型コロナウイルス感染症をめぐり、一貫して国民の自主性を尊重し、飲食店の閉店やマスクの義務化をせず、集団免疫を目指した。ロックダウン措置も導入しなかったが、病床数確保のため、国は高齢の感染者を集中治療室に入れないような命の選別もあったそうだ。結果、死亡率は人口100万人当たり約1200人と世界有数で、日本の約20倍だそうだ。
しかしその結果、昨年8月以降、スウェーデンでは経済・社会活動の再開が着実に進んでおり、今年2月スウェーデン政府は新型コロナ関連規制についてほぼ撤廃した。
スウェーデンでの感染者数は4月13日現在、平均で1日589人の新規感染者となり、1日平均人数のピークだった1月27日の1%になると報告されており、完全に終息している訳では無さそうだが、経済活動は活発になっているのだろう。
このように新型コロナウイルス感染症対策は、中国とスウェーデンでは両極端であるが、日本をはじめ世界の主だった国は中間の対策をとっており、現段階ではどちらの方が優れているかは判断できない。
感染者数、死亡者数、対策費、経済的な損失等、での比較が必要であるが、今なお感染の完全な終息に至っておらず、終息後の検討を待たなくてはならない。2022.04.13(犬賀 大好ー806)
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