米国は、これまで北朝鮮に対し”非核化を目指し核保有国として容認しない” の基本方針で、経済的、軍事的圧力強化を進めてきた。しかし、金正恩委員長は一向に堪える様子は無く、北朝鮮の軍事技術は着実に進歩しているようだ。
金正恩は、軍備増強を背景に米国と対等の立場で交渉を迫る腹づもりのようだ。まず核保有国としての認知、経済制裁の解除、次には在韓米軍の縮小、撤退、更に朝鮮半島の統一が大きな目的とのことだ。また、歴史的に有史以来兄貴面してきた中国からの独立も夢であろう。
北朝鮮が核保有したとしても、米国との軍事力の差は歴然としており、米国と同じ土俵で交渉可能か極めて疑問であるが、金正恩は核の力を過大に信じているのであろう。
さて、北朝鮮の夢である核保有国としての国際的認知がなされた場合、北朝鮮は最初にどう出るであろうか。米国を始めとする世界各国の経済制裁は続くであろうが、まず中国や韓国に対し経済協力の要求を強めるだろう。
現在閉鎖されている開城工業団地は、北朝鮮南部、韓国との軍事境界線付近にある経済特別区であり、北朝鮮が土地・労働力、韓国が資金・技術力を提供していた。繊維・機械・金属・電子部品など百数十社が操業し、北朝鮮の主要な収入源となっていたそうだ。まずこの工業団地の再開を要求するであろう。韓国も自国に利するところがある為、容易に応ずるに違いない。
また、中国と北朝鮮の国境付近の中国領では、北朝鮮労働者が多く働いており、こちらも北朝鮮の収入源のようだ。安保理の制裁では新規雇用は禁止とされており、実際に効いているのかどうか分からないが、解除の要求は当然なされるであろう。中国にとっても朝鮮族の多い地域での安定のためには容認するであろう。
だが、核保有の認知問題以前に、北朝鮮の核の脅威に直面している韓国で、核武装論が頭をもたげているそうだ。
保守系最大野党の自由韓国党の洪準杓代表も9日の集会で、「戦術核兵器を再配備してくれるよう米国を説得する。それでも再配備をしないというなら、生き残るために独自で核開発を行わなければならない」と述べたそうだ。
韓国の世論調査会社が13日、実施した調査によると、「核兵器の独自開発、または(在韓米軍の)戦術核兵器導入」について、賛成するとの回答が過半数(53.5%)を占めたそうだ。また、明確な反対は35.1%にとどまり、容認する空気が強くなっているようだ。
これに対し、北朝鮮との対話を重視する文在寅大統領は戦術核の再配備と独自核開発のいずれにも反対しており、当面、これらが韓国で政策化されることは無いとのことだ。しかし、文氏の当初の北朝鮮との対話路線は金正恩からも無視されており、リーダシップがどこまで発揮されるか分からない。
仮に韓国世論の100%が賛成したとしても、独自核開発を実現するのは経費的に不可能に近いほどに難しい、と識者は主張するが、貧乏国の北朝鮮でも実現したようだし、北朝鮮による朝鮮半島統一とでもなれば、話は違ってくるだろう。
これまで、北朝鮮は中国にとって資本主義社会との緩衝地帯として役立ってきたとのことであるが、今や中国と米国の経済的な依存関係は大きくなり、当然北朝鮮との関係も変化していくだろう。中国にとって北朝鮮はこれまで血の同盟と固い絆で結ばれていたと言われているが、実態は中国の属国扱いで、言うがままに従う便利な国であったであろう。
北朝鮮が核保有国となれば、これまで通り右向け右では済ませられないだろう。また、韓国も強いては日本も核保有に進むかもしれない。その場合、中国の戦略も大きく変わらざるを得ないであろうが、当面の脅威は、核保有国としての存在より、崩壊時の難民問題であろう。2017.09.27(犬賀 大好-376)
金正恩は、軍備増強を背景に米国と対等の立場で交渉を迫る腹づもりのようだ。まず核保有国としての認知、経済制裁の解除、次には在韓米軍の縮小、撤退、更に朝鮮半島の統一が大きな目的とのことだ。また、歴史的に有史以来兄貴面してきた中国からの独立も夢であろう。
北朝鮮が核保有したとしても、米国との軍事力の差は歴然としており、米国と同じ土俵で交渉可能か極めて疑問であるが、金正恩は核の力を過大に信じているのであろう。
さて、北朝鮮の夢である核保有国としての国際的認知がなされた場合、北朝鮮は最初にどう出るであろうか。米国を始めとする世界各国の経済制裁は続くであろうが、まず中国や韓国に対し経済協力の要求を強めるだろう。
現在閉鎖されている開城工業団地は、北朝鮮南部、韓国との軍事境界線付近にある経済特別区であり、北朝鮮が土地・労働力、韓国が資金・技術力を提供していた。繊維・機械・金属・電子部品など百数十社が操業し、北朝鮮の主要な収入源となっていたそうだ。まずこの工業団地の再開を要求するであろう。韓国も自国に利するところがある為、容易に応ずるに違いない。
また、中国と北朝鮮の国境付近の中国領では、北朝鮮労働者が多く働いており、こちらも北朝鮮の収入源のようだ。安保理の制裁では新規雇用は禁止とされており、実際に効いているのかどうか分からないが、解除の要求は当然なされるであろう。中国にとっても朝鮮族の多い地域での安定のためには容認するであろう。
だが、核保有の認知問題以前に、北朝鮮の核の脅威に直面している韓国で、核武装論が頭をもたげているそうだ。
保守系最大野党の自由韓国党の洪準杓代表も9日の集会で、「戦術核兵器を再配備してくれるよう米国を説得する。それでも再配備をしないというなら、生き残るために独自で核開発を行わなければならない」と述べたそうだ。
韓国の世論調査会社が13日、実施した調査によると、「核兵器の独自開発、または(在韓米軍の)戦術核兵器導入」について、賛成するとの回答が過半数(53.5%)を占めたそうだ。また、明確な反対は35.1%にとどまり、容認する空気が強くなっているようだ。
これに対し、北朝鮮との対話を重視する文在寅大統領は戦術核の再配備と独自核開発のいずれにも反対しており、当面、これらが韓国で政策化されることは無いとのことだ。しかし、文氏の当初の北朝鮮との対話路線は金正恩からも無視されており、リーダシップがどこまで発揮されるか分からない。
仮に韓国世論の100%が賛成したとしても、独自核開発を実現するのは経費的に不可能に近いほどに難しい、と識者は主張するが、貧乏国の北朝鮮でも実現したようだし、北朝鮮による朝鮮半島統一とでもなれば、話は違ってくるだろう。
これまで、北朝鮮は中国にとって資本主義社会との緩衝地帯として役立ってきたとのことであるが、今や中国と米国の経済的な依存関係は大きくなり、当然北朝鮮との関係も変化していくだろう。中国にとって北朝鮮はこれまで血の同盟と固い絆で結ばれていたと言われているが、実態は中国の属国扱いで、言うがままに従う便利な国であったであろう。
北朝鮮が核保有国となれば、これまで通り右向け右では済ませられないだろう。また、韓国も強いては日本も核保有に進むかもしれない。その場合、中国の戦略も大きく変わらざるを得ないであろうが、当面の脅威は、核保有国としての存在より、崩壊時の難民問題であろう。2017.09.27(犬賀 大好-376)
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