新型コロナウイルス感染が始まって2年経ちどうにか収まるかに思えたが、第7波が猛威を振るい始めた。7月12日は各地で過去最多となる感染確認が相次ぎ、全国の感染者の発表は7万人を超えた。このペースで増え続ければ、8月8日の週に100万人、15日の週に187万人に膨れ上がる計算だそうだ。
新型コロナのワクチンの2回接種を完了した人の割合は総人口の80%以上で、第3回接種を完了した人は約60%との事である。これまでの疫病の常識からは、全体の70~80%の人が免疫を持てば集団免疫状態となり、自然に終息する筈であったが、その常識は脆くも崩れ去った。
集団免疫とは、ある病原体に対して人口の一定割合以上の人が免疫を持つと、感染患者が出ても、他の人に感染し難くなることで、社会全体が感染症から守られることになることを言う。
集団免疫効果が得られない原因は、新型コロナウイルスの変異が頻繁ですぐにワクチンが効かなくなる、また現在日本で使用されているmRNAワクチンは半年程度で免疫効果が減少してしまうことが考えられる。
さて、中国のゼロコロナ対策では、新規感染者が発見されるとその地域全体に徹底した隔離が行われ同時にワクチン接種が強制的に行われているとばかり思っていたが、ワクチン接種に関しては早とちりのようであった。
中国・北京市は公共の場所に出入りする住民に対し、7月11日から新型コロナウイルスのワクチン接種証明の提示を義務付けるとの報道があったからだ。一般市民のワクチン義務化は中国では初のようで、同市は感染力のより強い変異株による新たな感染拡大の抑え込むため、ようやく強制的なワクチン接種を始じめたと推測される。
中国国務院は4月6日の記者会見で、前日の5日時点の新型コロナワクチン接種状況を発表した。各ワクチンの規定接種回数を完了した者は12億4,323万人で、全人口の88.2%に達したそうだ。これを聞くと、ワクチン接種は強制的ではなくても、結構進んでいたようだ。ただしそこで使用されるワクチンはすべて中国製で不活化ワクチンが主だと思われる。
中国製ワクチンの性能は定かでないが、大雑把に見ても人口の80%以上が接種したとなれば、集団免疫効果が出てもよさそうだが、大都市のコロナ感染は治まっていないようだ。中国における不活化ワクチン、欧米におけるmRNAワクチンどれも集団免疫効果は期待薄のようだ。
集団免疫効果を期待するのは絶望的となったが、せめて次に期待するのは弱毒化すなわち害の少ない普通の風邪となることだ。第7波の感染において、若者の感染が多いが軽症で済む場合がほとんどだそうだ。弱毒化の傾向が現れており喜ばしいことではあるが、若者であっても基礎疾患を有する者は要注意だ。2022.07.16(犬賀 大好ー831)
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