日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

新型コロナウイルス検査の信頼性は大丈夫か?

2020年03月07日 09時30分27秒 | 日々雑感
 新型コロナウイルスの感染判定は、PCR検査が現時点では感染を判断する唯一の検査方法とのことである。この検査法は、私たち生物の遺伝子の中に生物固有の情報が収められていることに基づいており、このウイルスの遺伝子情報を見つけ出すことであるが、ウイルスの量が少ないと判定できないため、増殖させるのに4~6時間要する欠点があるとのことだ。

 そのためか検査を欲する人がいても検査をしてもらえず、例えば、クルーズ船での3千人を上回る乗員の全員検査が中々できず拡散を広げた一因になった。

 ところで、安倍首相は2月29日に、国内で1日あたり4000件の検査能力があると明言した。また加藤厚労相も3月2日には4600件の検査能力があると言明したが、活用されているであろうか。

 さて、2月18日から23日までの1日当たりのウイルス検査の件数は、少ない時で656件、多い時で1594件で、5日間合わせて5700件程度になっていることが明らかされており、1日当たり約1000件だ。最近の検査実績は定かでないが、大幅に改善されたとの報道は無く、また先の政府の発表も検査能力が発揮できる見通しに関しては明確にしていない。どこかにボトルネックがあり宝の持ち腐れとなっているのが現状だ。

 また、新型コロナウイルスのPCR検査について、厚労省は2月28日、早ければ3月第1週半ばにも保険適用する方針を固めた。保険適用により、保健所を通さずに医師が検査の実施に踏み切ることができるようになれば、検査実施までのスピードが速くなると期待されるが、ことはそんなに単純では無さそうだ。

 現在のところ、都道府県に医師会や病院団体、感染症指定医療機関、衛生検査所協会らで構成する「都道府県PCR検査調整会議(仮)」を立ち上げ、地域内で可能な検査数などの実績を踏まえて、都道府県が調整に当たるとしている。この仰々しい名前の調整会議で調整するとは時間がかかりそうな気がする。限られた資源を重症化する恐れのある人の検査に集中させる為らしいが、これでは町の1医師がどんなに必要と叫んだところで、検査は容易に受けられそうにない。

 このコロナウイルスの特徴は発症しない潜在感染者が他の人に感染させる可能性があることらしいが、重症化する前に検査が受けられないことから、このような潜在感染者の実体把握が難しく、結果として重症化する患者が多発する結果となることが予想され、痛しかゆしだ。

 現在実施可能な4600件/日を有効に活用する為、先の調整会議の調整能力を期待したいが、船頭多くして船山に登るの感もする。

 一方PCR検査能力の限界も垣間見えてきた。一度陰性と判断されても再び陽性となる可能性があるとはっきりしてきた分けだがその原因は分かっていない。エボラ出血熱のように回復後に再び症状が出現する再燃の可能性もあり、また梅毒のように一度罹っても抗体が出来ず何度でも感染する可能性もあるとのことだ。

 現時点では特効薬は見つかっておらず、抗体が出来ないとなると果てしなく拡散する恐れがある。2020.03.07(犬賀 大好-580)


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