日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

アベノミックスの是非

2014年12月08日 10時43分47秒 | 日々雑感
2日、衆院選が公示された。アベノミックスの是非が焦点とのことである。安倍政権樹立以降に株価が上がっていることは間違いなく、成果の一つであろう。一方、今年7-9月期のGDPが-1.6%と低迷していることも事実である。この低迷は消費税のためでありアベノミクスとは別問題とし、アベノミクスは大成功と内閣官房参与の本田悦朗氏は公言している。
現在、国債を大量に発行し、その国債を日銀はほとんど買い上げている。日銀は当面この方針を続けるらしい。去る10月31日の金融政策決定会合で、追加緩和に踏み切ることを5対4でかろうじて決めた。現状では政府は国債発行を続けざるを得ない。大型予算を組み、税収が少ない分、国債を大量に発行し、日銀がそれを買い上げることにより、国にお金を入れ、予算を執行せざるを得ないからだ。日銀はどんどんお札を印刷すれば済む話で一見誰も損はしない。しかし、日銀が刷った分だけ日本にはお金が増えていることだが、日本の資産が増えていないのに、お金の総量が増えていることになり、即インフレとなり、国民皆が損をするわけだ。政府は、デフレ脱却のための金融緩和と小難しく説明しているが、からくりは簡単だ。しかも、ドルに対する円の価値が下がる、すなわち円安にもなり、輸入品が値上がりする。これが、デフレ脱却を目指すアベノミックスのインフレ政策である。
年金生活者にはインフレよりデフレの方がよい。デフレがなぜ悪いかは、人々が更なる値下がりを期待して物を買わなくなるからだと説明している。人々が物を買わないのは、欲しい物が無いからであり、日本が成熟社会や少子高齢化社会となっていることを正しく認識していない。高齢者にとって、欲しいものは物ではなく健康である。健康の基本は体を動かすことであり大した金はかからない。デフレを悪の権化にするのは大きな誤りである。
今回のGDPを-1.6%と予想したエコノミストはほとんど居なかったようである。大方のエコノミストは2%前後と予想していたようである。経済は“気”からだと言われる。本田氏が景気動向をどのように予測していたかは知らないが、本田氏がアベノミックスは失敗であったと言えないのは、この“気”のためと思われる。安倍政権の経済の相談役が失敗と一言言えば、国民は皆その“気”になってしまうであろう。
アベノミックスの第3の矢が十分成果を挙げていないのに、株価の高値は続いている。理由はよく分からないが、多分日銀がお札をどんどん刷っているため、お金が株に回っているからだろう。実体経済が伴わない好景気は一時的な現象であろう。これでは麻薬と同じである。麻薬は簡単には止められず、そのうち中毒症状を起こす。(犬賀 大好-81)

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