日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

ゼロコロナ政策終了後の中国は

2023年06月24日 09時01分49秒 | 日々雑感
 中国では、全土に厳格に布かれていた「ゼロコロナ」政策が、昨年12月に大幅緩和されたが、その後コロナウイルスの感染者と死者が急増していたらしい。しかし、流行の規模を示す公式データは非常に限定的で、その一例が中国政府が定期的に発表する統計の中で、昨年10~12月の火葬遺体数が突然、非公表になったことだ。

 中国の民政省が3カ月ごとに、様々な統計を「民政統計データ」として公表しており、2022年1~9月の統計には火葬遺体数を477.6万人と記されていたが、今月に公開された22年の通年の統計では火葬遺体数の項目自体がなくなっていたそうだ。厳格な新型コロナウイルス対策を緩めた為感染が爆発的に広がり、10~12月は死者が急増したとみられる。コロナ関連の死者数が話題になるのを避けるため、公表を抑えた可能性がある。

 中国政府は新型コロナウイルスを徹底的に抑え込むゼロコロナ政策を1月7日で正式に終了させた。都市封鎖や集中隔離をはじめとする強制措置を撤廃し、1月22日から始まる春節の大型連休を控え、帰省や旅行の特別輸送態勢も始まり、市民の移動が活発化し始めた。1月8日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために外国などから中国本土に入る際に義務づけていた隔離措置も撤廃した。これらの処置により中国経済はV字回復すると期待されているが。

 さて、最大の関心事はゼロコロナ政策撤廃後の感染状況だ。中国当局の公式発表に基づくワクチン接種率は90%を超える。しかし追加接種を受けた成人の比率は57.9%と極めて低い。そもそも、中国本土で一般市民は外国製ワクチンを手に入れることはできず、シノバックのやシノファーム等の国内製ワクチンに頼るしかなく、その効果の程は分かっておらず、中国人の間でも信用されていないのだ。

 中国疾病予防コントロールセンターが6月11日に発表した月毎の統計によると、5月はじめに1日あたり18万3000人だった感染者が16日には2倍の36万人に急増したが、その後、月末には29万4000人にまで減少した。先月の感染者のうち164人が死亡し、2777人の重症者が確認された。これらの数値には中央政府の意向が反映されている筈であり、実際の感染者や死亡数はもっと多い可能性があると思った方がよいだろう。 

 中国で著名な感染症の専門家は先月、6月末に第2波のピークが来ると述べ、一週間で6500万人が感染すると予測を示しており、都市封鎖や大規模検査といった感染封じ込めの対策が今後講じられないとすれば、死者が150万人を超えかねないと警鐘を鳴らしているそうだ。これが現実になったとしても、政府からの公式発表は無いだろう。

 現在日本への観光客は、新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、中国人を除きコロナ前の水準に戻ってきている。そんな中中国人訪日客は大きく減ったままだ。中国政府はゼロコロナ政策の一環で海外行きの団体ツアーの販売を禁止していたが、今年に入り、段階的に海外旅行の団体ツアーの再開を容認し、その対象国は60カ国に上るが、日本や米国は、今も対象外となっている。これは台湾情勢を背景に関係がぎくしゃくしている為だと言われているが、感染者が急増すると思われる中国からの観光客は増えない方が良さそうである。日本が受け入れを制限すると中国は報復対策をしてくるので、中国自らの規制は勿怪の幸いである。2023.06.24(犬賀 大好ー925)



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